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TOUR 2022【28】~Milano対LUBE

遂にこの旅最後の観戦…9試合目となるMilano対LUBE。
会場まで送ってくださった韓国人の方とは入口で別れ、それぞれの席へと向かいます。

今回はエンド席で観戦。

試合開始前、着席して間もなくSNSで知り合った石川選手のファンの方が座席まで会いに来てくださり、はじめましてのご挨拶をさせていただきました。いろいろお話をしたいところでしたが、目の前には見たい選手がいるのに貴重な時間をいただくのは申し訳ないので、試合後にまた…ということでしばしお別れ。バレーの話題だとエンドレスで話をしてしまいそうになるので、危険です(笑)。

エンド席最前列からコートに目を向けると、どうにもこうにも柵が視界を遮ってしまい落ち着きません…。ちょっと背伸びしてみても、上着をクッション替わりに敷いてみても、全く変わりなし。そんな様子を察知してくれたのか、セキュリティーのお姉さんは上段に移動することを勧めてくれました。キツめの顔立ちでのせいで機嫌悪そうに見えましたが(失礼な…)、とてもやさしい方でした。おかげさまでチケットの座席番号とは違う見やすい場所で見ることができ感謝です。

19:30、試合開始。

モンツァのホーム会場でミラノのホームゲームという異例の形のせいか、空席が目立っています。もしかすると、間違ってAllianzaへ行った方も多いのでは…

一角ではモンツァの関係者も着席し、観戦が始まりました。

今回は応援するセルビア選手がいないので、日本人として石川選手を、Milanoをしっかりと応援。

前回のTrento戦ではガッツリTrentoの応援だったので、ここではMilanoの応援に力を注ぎました。

第一セット、追いかける展開のMilano。あと一歩…が届かず、セットを奪われてしまいます。
久しぶりにザイツェフを見ましたが、決めた後のザイツェフはやっぱりザイツェフで、雄たけびは健在! 

あぁ、この雄たけびが懐かしい…と思いながらしみじみ見ていましたが、かつてのエースもやはりピークは過ぎたように見え、少し寂しくもなるのでした。
でも、ここから目を背けてはいけない…一つの時代を築き上げた名選手の姿、衰えとは取りたくはありません。私が応援し続けているセルビア選手もいつかはこうなっていくはず。そう考えると、こういう場面をどう捉えるか…考えたら安易に悲しむべきではないと思え、敵ながら、讃えたい気持ちになるのでした。

ピークを過ぎた選手もいれば、ピークへ向かって昇り詰める過程の選手も。ネットを挟んだ向かいには、頼もしい石川選手の姿がありました。

今まさに戦っているザイツェフやデセッコがペルージャにいた時、ラティーナとの対戦で石川選手を見ましたが、当時はスタメン出場したものの途中交代。ポドラスチャニンにブロックをされるシーンも幾度となくありました。しかし、今ここにいる石川選手のスパイクは止められることなく、相手コートに叩きつけられていきます。当然かもしれませんが、過去のパフォーマンスとは全然違っています。身長的には止められてもおかしくないのに、ここまで見事に決まるとは。いやぁ…ISHIKAWAマジック…。特に昨日、シエナのシャットアウト続きを見ていたので、このパフォーマンスが異常に思えるのでした。

バレー経験のない素人なので、どう打ち分けているのかなど技術的なことは全く分かりません。分かるともっともっとすごいことを理解できるのでしょうが、分からなくても止められないこのスパイクに大きな希望を感じます。身体的に決して有利ではない体格で、最高峰のリーグでこのパフォーマンス。あぁ、これがバレーの面白さ!こんなプレーを見ることで自分にも偉大なパワーが漲っていく気持ちになるのでした。

かつては海外の選手から打ち方を学べ…といわれていましたが、今や不利な体格でも戦える技術を日本人から学べ…と言われるようになるのではないでしょうか。現にトレントでの食事会の時も、その日の対戦相手だったPadovaの高橋選手の話から石川選手の話題になり、トレントの選手も素晴らしい選手だと言っていました。その流れで西田選手がなぜ今季イタリアでプレーしないのかという話にも。

観戦を始めて10数年。いつの間にか日本人選手がセリエで称賛されるようになり、チームの中心になるなんて全く思っていませんでした。
奇しくも初めて石川選手のセリエでのプレーを見たのは2014/15シーズンのこのモンツァの会場。モデナに在籍していた当時の石川選手はピンチサーバーからの途中出場で、借りてきた猫のように見えていたことが、懐かしく思い出されます。借りてきた猫…失礼な表現ですが、でも、ここに相当な努力があったことを想像することができる表現だと思います。

2014/15シーズンのModena対Monza

試合は石川選手の検討虚しく、1-3でMilanoは負けてしまいました。
がっつり応援したのですが、残念ながら敗北…。あぁ、私が応援しない方が勝てたのかも…なんて。

だけど、石川選手目線で見ると決して悪い内容ではなく、希望を持てる試合でした。Trento戦の時のようなチームの勢いがあれば絶対勝てた!と確信。きっとこの敗北は次につながるはず。…とは思ってみましたが、でもまさか本当に数週間後、コッパイタリア予選でLUBEを下すとは想像していませんでした。

バレーツアー2022年ラストの試合は、日本人として誇らしく思える内容で、こんな自分にも何かができそうな強い気持ちになりました。勇気や希望を与えてもらい、そして、思いがけずバレーファン仲間との出会わせてもらい、最後にふさわしいこれからの未来に繋がる観戦でした。

【29】へつづく…

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