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TOUR2022【3】~イタリア入国

11月18日金曜日 早朝7:00。

イタリア、ミラノ・マルペンサ空港へ到着。

EU圏の入国には長蛇の列、でも、日本のパスポートを持っている乗客は左端の専用ゲートからあっという間に入国完了。長蛇の列を横目に申し訳ないような気持ちで、自動化ゲートを通り抜けました。

あっさり入国できたことが、まさか仇になるなんて…
早過ぎて、預けた手荷物が出てくるターンテーブルの表示がまだ出ていなかったのにもかかわらず、何を勘違いしたか別のターンテーブルで荷物を待っていた私。いや、キャセイパシフィックのロゴを表示の画面で見たような気がしたんです…。10分、20分…30待っても出てこない、これは絶対おかしいぞ。まさかとは思いつつも、念のためターンテーブルの表示画面を再確認。すると、はっきりと「HONG KONG」という表示が目に飛び込んできて、別のレーンに香港からの荷物が届いていることを知らされるのでした。

あぁぁぁ・・・違うじゃないかぁ・・・

こんな初歩的なミスを今更してしまうとは…2年9か月のブランク?いやいや、これは単純に私のはやとちり。イタリア入国最初の一歩は、重い足取りとなりました。

無駄に違うレーンで荷物を待っていたおかげで、乗りたかったバスにも乗れず、最初の目的地への移動が鉄道に限られてしまいました。まぁ、安上りバスは逃したけれど、駅や列車内で乗り降りするイタリアの人々の様子を知るにはちょうど良い状況かもしれません。いいように解釈し、落ち込んではいられない!
空港から中央駅までのマルペンサエクスプレスの列車内ではマスク率95%でしたが、そこからの列車内はマスク率一気に低下し5%ほど。それを知れたことで、無駄なことはないのだと言い聞かせるのでした。

さて、今回、旅の復活に当たり、どのチームを最初に見るか…?そう考えた時に一番に頭に浮かんだのはトレントでした。コロナ感染拡大前、最後に見た観戦地であり、コロナ禍のネット観戦で一番見ていたチーム。2年9か月の空白の期間中も何かと関りもあり、大好きなセルビア代表チームの2人ポドラスチャニンとリシナツがいるトレント。
翌日はここマルペンサからポーランドに飛ぶ予定なので、おとなしくミラノで過ごせばいいものを、「素敵な再会」を果たしたくて、到着してすぐにトレントへ練習を見に行くことにしました。

心配していたチームスケジュールでしたが、昨日がチャンピオンズリーグのチェコから帰国し練習オフ日で、今日は午後からボール練習が行われるとのこと。あぁ、神様は私に素晴らしい再会を用意してくれているのだ…超前向き思考で大荷物を持って列車を乗り継ぎ、トレントへと向かいます。

まだ寒さが訪れていない秋のトレントは初めてで、とにかく紅葉が素晴らしく、美しい自然に包まれていました。

なんてことない街路樹も美しく映り、この先の再会を盛り上げてくれる演出の一つとも思えるほど(笑)。
パスタが美味しいランチのお店、ランチタイムに遅れてしまうもブリオッシュとカプチーノが絶品で、それも再会へ向けて気持ちを高めてくれます。

大好きなチームの練習見学を目前に、素敵な景色と美味しい食べ物、こんな生活ができることは本当に贅沢なことだと改めて感じながら、体育館へと向かうのでした。

そして・・・
最後の観戦から時を経て…再びトレントの体育館へ。

来てみると何も変わらない様子で、まるで時が止まっていたかのように、ここへ来たのがついこの間のように思えてきます。扉を開けて中へ…。

見学できるエリアへと向かう通路で、選手の声が聞こえてきます。隙間から見えるコート上には練習前に遊んでいる選手たち。
あぁ、ついに再会の時がきた…。

ドキドキしながら階段を降りていき、ボールが飛んでこなさそうな邪魔にならそうな端っこに着席。腰を下ろしたら、いよいよ会いたかった選手をこの目で見る瞬間です。

どこだ、どこだ、リシナツは? ポドラスチャニンは??

いつもならセンサーが働いて、チームの中ですぐに見つけ出せるのに、なかなか見つかりません。
これもブランクの影響か?
にしても、やっぱり見つからない…
というか、ここにいない?

練習開始までにはまだ数分ある。これから出てくるのかも?
でも、ポドラスチャニンはギリギリに出てくるタイプではなけれど…。

改めてじっくりと見渡すと、そういえばカジースキの姿も見えません。
いやーな予感が湧いてきます。

多忙な試合スケジュール、その中の年齢を重ねたベテラン選手たち。
これはもしや・・・

どうか出てきて…選手の出入り口を祈るように見つめますが、一向に出てくる気配はありません。
コート上に集まる若い選手たちと監督、コーチ…そして輪になり掛け声で始まった練習。
この瞬間、私の思い描いた「素敵な再会」はガタガタと音を立てて崩れていきました。

そりゃそうだ、このハードスケジュール、選手を休ませないとかわいそう。

練習スケジュールを見た時に、こんなことを想像すらしてなかった自分を責めずにはいられません。
甘かった…こういうことも考慮しておかなければならなかったんだ…

2年半のブランク、自分も年齢を重ねた分、選手も年齢を重ねてる。行けば練習が見られると思っていた若いころとは違うんだ。これまでにないショックを「運の悪さ」と認めたくなく、この先も不運に見舞われそうな不安を払拭したくて、なんとか納得のいく理由付けを考えるのでした。

【4】へつづく…

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