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アウトプットでインプット

2021/3/11 「How to accelerate DX」

3/8から5日間開催されているウェビナー「SassanEvolutionWeek2021」にて、台湾デジタル担当大臣 オードリー・タン氏と一橋大学名誉教授 石倉洋子氏(本人いわくフリータ)による対談が行われた。

 オードリー氏と言えば、DXを駆使し台湾のコロナ対策を効果的なものにしたことで有名だが、非常に興味深い話を聞くことができた。まず最初に、自分はIT担当ではなくデジタル担当大臣であることを強調した。ITは機械をつなぎ、デジタルは「人」をつなぐ。そのデジタルも、デジタイゼーションとデジタライゼーションの違いがあり、後者が重要である。言葉遊びのようだが、解釈が違えば行動が違い、行動が違えば成果が違う。DXから有意義な成果を得るには、正しい解釈を知る必要がある。
 実際の取り組みの例として、台湾ではデジタルプラットフォームによる「請願」システムがある。全ての人が政策に参加する入口として機能し、老若男女の請願に対し民主主義に則り議論される。まさにデジタルによって政治に「人」をつないだ。国民に対し「あなたがデジタル担当大臣なら何をしますか?」と聞くと、アイデアがいっぱい請願されるとのこと。それが現状への批判であっても採用となれば、「では翌週には法制化しましょう」と進める。例としての話だが、「翌週には法制化」という時間軸はリアルだろう。
 成果として、アイデア提示から法制化までをショートサイクルで反復(イタレーション)していくこと、政治の意思決定に関与できること、これらにより政治への信頼が高まり、政治への批判もお互いが消耗するものではなく、建設的なものになったそうだ。デジタル担当大臣らしく、政治へのビットレートが上がると表現された。意思決定への関与が数年毎の選挙が中心となれば、ビットレートの高低はおしてしるべしである。その他、「もう一度やり直せるなら?」という質問に対しては、2016年に充実させた政策を、2014年の初期段階からやるべきだったなど、民意が翌週に法制化される世界において、2年の遅延は「一生の不覚」ぐらいの感覚だろうか?

 奇しくも対談日は震災から10年目。未だ完遂しない(消滅した?)様々な被災地改革を抱える日本はどの様に見えているのだろう。

 最後に。
 オードリー氏はIQ180を超える、いわゆる天才。
 目を覚まして最初にすることは、眠っている間に学んだことを書き留めること。
 「眠っている間に学ぶ」❔「右に左折」みたいな奇妙な言葉。
いわく、夜眠る前に資料や自分に対するコメントなど、何ら判断をせずに目を通し眠る。そして起きたら決断した対応やコメントを書く。私には、ここにアウトプットしながらも意味が分からない現象。「私もそれ練習する!」と締めくくり、最後まで英語で対談した石倉教授も天才。恐るべし”アラセブ”。

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