L'Arc〜en〜Ciel "EVERLASTING"の感想や歌詞考察。ラルクには珍しい不倫の歌?
※本記事の動画(音声のみ)バージョンです。こちらの方がオススメ!
曲調はかなり独特。ラルクにしか作れない神秘性を秘めている
インダストリアルなイントロ。不穏。
Yukihiroソロっぽいがストリングスが入ってきて一気にkenちゃん、ラルクっぽい雰囲気に。
ストリングスが生音ではないような。。。製作時間が短かったのか、予算の問題か。
以前、Vivid Colorsで生のストリングスを初めて使って感動した、とインタビューで語っていたことを覚えている。
forbidden loverを思い出す。こういう攻めたシングル。ラルクじゃないと許されないよ。(ほめてます)
打ち込みがピロピロ、カチカチ鳴ってる裏でガットギターが聞こえるのがオリジナリティあってかっこいい。
感想のファルセットの感じ、、、初期を思い出してかっこいい。がなるようなシャウトもいいが、セクシーな歌い方、ファルセットで軽く歌う感じもいい。男性ボーカルでファルセットを多用するのはラルク(hyde)が走りだと思っている。
サビでうっすら裏声が聞こえる。tetsuyaか?
複雑な展開。「やまない」のリフレインがモチーフ。
クリーンなアルペジオとディストーションの掛け合いで終わる。ライブを想定していない、楽曲志向なアレンジ。「ライブで再現できるか?」よりも「この曲がよくなるアレンジは何か?」ということを追求している。
あれ?そういえばベースが聞こえないような…。後でもう一度聴いてみます。
やっぱり聞こえない!wikipedia見たらtetsuyaもエレキギター弾いてるとのこと。これもまさに楽曲志向の強さ。プレーヤーというよりもアーティストの集団。
お茶の間凍り付いたでしょ。これをMステとかでやられたら。めちゃ渋い!でもかと言ってカップリング曲っぽいかと言ったら違う。シングル曲らしい「格」を感じる。
ゆったりとしたメロディ、メロディが広い。この壮大さを生んでいる。
ジャンル分けしづらい曲調。これはラルクにしか作れない楽曲!
特殊なリリース形態に表れたラルクの不調っぷり
2年半ぶりの新曲なのにMusic & Photosと銘打ち完全受注生産限定盤だった。1曲のみ収録。この時期のラルクの苦しみが出てる…。「決して意欲的な状況ではないが、なんとかリリースしよう」という苦し紛れの感じが出てる。
歌詞の内容は不倫?未練や揺れる心を抽象的に描く
もう帰らない 逢わない
つかみの第1フレーズがこれ!強烈。
帰ってはいけない場所、逢ってはいけない人に逢ってしまった。だからわざわざ"I swear to God"、神様に誓ってこう言っている。
そう思って聞くと、ドロドロの昼ドラの主題歌に聞こえてくる。こんな壮大な曲調なのに。(笑)
似ていない人を選んだのは…私
選んだことへの後悔を感じる。自分を納得させようと言い聞かせているような。
誰に似ていないのか?まさか自分てことはないだろうから、自分の理想とする相手や過去に結ばれなかった、まだ未練が残る相手がいて、その人に似ていない、2番手的な人を選んでしまったということだろう。
「止まない君」
普通、止まないと来たら「雨」か「想い」。隠された言葉は「(止まない君)への想い」なのでは?
「冷たい雨 降り注げ 君を洗い流して」
聴き始めた当初は「君=雨」かなと思っていたが、雨が君を洗い流すのだから、やはり君は雨とは別のものだとわかる。上記した考察通り、君は未練の残る、結ばれなかった相手のことだろう。
冷たい雨は「現実」。いまだに燻る君への熱い想いを冷まして、忘れられない君への想いを洗い流して欲しい、次の新しい恋へ気持ちを向かわせて欲しい、ということ。
hydeにとっての雨は何かを流し去ったり、包んだり、癒したりするもの。
(The rain leaves a scarというタイトルの曲もあった)ここでは「過去の(添い遂げられなかった)君」への想いを洗い流したい、辛い思い出を優しく包んだり、傷をいやしたりしたいという願望を表現しているのでは。
また、愛ではなく恋という言い回しにも注目したい。愛は相思相愛という言葉もあるとおり、一方通行ではなく相手があってのこと。しかし、恋は盲目という言葉もあるが、恋は一方的でも成立する。
単純な「君が好き、私も好きよ」「一生一緒に生きていこう」「君がいないとダメなんだ」みたいな歌詞じゃないところがhydeってやっぱアーティストだなーと痛感する。
よくいう言葉で「男は名前をつけて(別ファイルとして)保存。女は上書き保存(常に最新のものしかない)」そういう男のあるあるな、昔の女が忘れられない、でも今はこの女を愛し抜こうと決めたんだ、的な揺れ動く心象風景を切り取り、極めて芸術的に表現している。凄い。
似た単語である"Forever"との違い
Everlastingには、ただの永遠ではなく「永遠に続く」という意味を持つ。そして同様に「永遠の」という意味にもなるが、やや堅い言い回し。
ある状態が時間線上どこまでも続いていくというニュアンス。特に宗教的な文脈でつかわれることが多い。その場合は「死後も続く」という意味合いを表すことになるとのこと。
ここはすごくhydeっぽくない?ロマンチックだし、退廃的でもある。
まとめ
ダンス系ともロックとも言いづらい曲調。一聴して覚えられるような単純ではないメロディや展開。抽象的な言葉遣いと奥深いテーマ。L'Arc〜en〜Cielのかなりコアな部分を抽出した渋い一曲でした!
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