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祝ルイヴィトンブランドアンバサダー就任!Virgil AblohとBTSに感じる共通点を語らせてほしい。

まずは、
BTS、Louis Vuitton Global Brand Ambassadorの就任おめでとうございます!

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どんどん大きくなっていく防弾少年団。
ARMYとして、一つ一つの歴史的な瞬間をリアルタイムで共に喜び、お祝いできることがいつも嬉しくて、ウリバンタンすごいでしょう〜と、家族のことのように誇らしい気持ちにさせて頂いています。
そして、一人ひとりが違うブランドのアンバサダーに就任するケースも多いなかで、いつだって、"7人で就任"、というところも、本当に大好きです。

このニュースを聞いた時、ワクワクしたのは、今後Louis Vuittonのショーがフィジカルに行われる際に、パリのショー会場のフロントローにBTSの7人がザッと鎮座している、みたいな画が実現しちゃうのか〜!!ということだけでなく、Louis Vuitton メンズのアーティスティックディレクターを務めているヴァージル・アブローとコミュニケーションをとって、一緒にプロジェクトを行なったりするのかな〜!ということを考えたのでした。

何を隠そう私は、OFF-WHITEが立ち上がって2年目くらいからずっと、ブランドのディレクターである「ヴァージルアブロー」という存在が気になってしょうがなく、彼のインタビューや取り組みについて書かれた新聞などをクリッピングしていたんです... (ここでもオタク気質を発揮)

今日は、BTSがメインではないですが、これから彼らがタッグを組んでいくブランドLouis Vuittonのメンズラインを率いるリーダーである、ヴァージルアブローという人物について、BTSとの共通点なんかも交えながら語ってみようと思います。オタクのうんちくが大量に含まれた冗長な記事になってしまうと思いますが、悪しからずです...!

Who is Virgil Abroh?

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ヴァージル・アブローは、1980年(現在40歳)、ガーナ人の両親にもとに生まれたアメリカ人のファッションデザイナー。
異色なのは、ウィスコンシン大学で土木工学(Civil Engineeringだから都市づくりみたいなニュアンスもある)の学士と、イリノイ工科大学の大学院で建築の修士号を取得していて、建築畑からきていること。
大学院の在学中に、プラダとのプロジェクトも有名な建築家のレム・コールハースをきっかけにファッションに興味を持ち、在学中からTシャツを作ったり、The Brillianceというファッション&デザインのブログを書いていたんだそう。(今も更新してる!めちゃくちゃ面白い)

シカゴのプリントショップでデザインの仕事をしていた時に、シカゴ出身のあの伝説のラッパー、カニエ ・ウエストと出会うのです。

カニエ ・ウエストと言えば、先日のブログでラップラインについて書きましたが、ユンギもナムジュンも好きなアーティストとしてあげている存在。

「天才のそばに、カニエあり。」という感じ。ジバンシイやALYXを手がけるマシュー・ウィリアムズも見出しているし、審美眼が優れているのだなあと改めて感じます。面白いエピソードとしては、Fendi(フェンディ)で、二人とも同時期にインターンをしていたということなんですよね。しかもこの時カニエ はすでにいくつものグラミー賞を獲得した後!ここで、ヴァージルは、ルイ・ヴィトンのCEOの目に留まっていたらしいのです。その後、カニエ がヴァージルを自身のクリエイティブチームDONDAのクリエイティブディレクターに指名。2013年に自身のブランドOff-Whiteを立ち上げたと。

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Virgil Ablohの哲学と、BTSに感じる共通点


経歴はざっくりとこんな感じなのですが、「建築」を学んできた彼は、ファッションデザインに対する考え方がとても面白いんです。

私は自分を表現する際に、いわゆるレッテルを貼りません。ファッション・デザイナー、アーティスト......そういったかたちで自分を表現していない。ただ、建築に関して言うと、モノの見方や考え方として、あるいは問題解決の方法として、アーキテクト的なものがあると思います。プログラミングの考え方や、美的なものの見方というところにも。なぜなら、フォーマルなかたちでクリエイティブ分野で最初に携わったのが建築ですから。だから建築は、以降のさまざまな創作活動に応用していると思います。」

「建築学における3人のメンターがいたからこそ、私は建築学的な手法を使ったブランディング、ということでファッションに移行しました。」

「先ほど話したように、私のDNAとして『あらゆる異なるカテゴリーをまたいでいく』ということが挙げられます。それが私の理念であり、トレードマークでもある。それはアートにおいても例外ではありません。建築的な要素もアートも、カクテルのように混ざり合っているのが、私のシグネチャーなのです。」 
引用元:https://bijutsutecho.com/magazine/interview/13132

BTSの話を交えてみると、ラップラインはラッパーだけれども、アイドルという形でデビューをして、その立場だからこそ伝えられるメッセージだったり、可能になる活動というのがあると思っており、彼らは、ヒップホップに新たな提案をしていると思うのです。ヒップホップには固有のルールのようなもの(しかも差別的な考え方だったり悪しき慣習も多い)がありますが、それらに縛られず、覆していっています。
ファッションと音楽、カテゴリは異なりますが、違う畑から来ているからこそ、新しい風を吹き入れることができるのではないかと思っています。

そして、ヴァージルは、2018年にアフリカ系アメリカ人として初めてルイ・ヴィトンのアーティスティック・ディレクターに就任しました。彼は、記念すべきファーストコレクションで、「多様性」を前面的に打ち出しました。全長約200ⅿにもおよぶ7色のレインボーカラーのランウェイの上を、6大陸すべてからの多民族のキャストが歩く演出。ファッション学生や、これまでランウェイを見る機会を得られなかった裏方のスタッフたちも客席にいました。

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ARMYなら記憶しているであろう、Saturday Night Live(動画参照)に出演した際にMIC Dropで身につけていた衣装もこのコレクションで登場したものです。

これは、「オズの魔法使い」をモチーフとしたラインです。この物語に、彼が生まれたイリノイ州ロックフォードからのイエローブリックロードに沿ったアブロー自身の旅を重ねているそう。 ガーナ移民の両親に生まれ、パリというエメラルドシティにたどり着く旅路です。 

このコレクションの際に、彼はこのように語っています。

 「メッセージは、多様性がマーケティングのためとしてではなく、現代の考え方と生活の鍵であるということです」
「私と私の肌の色、そしてこのポジションにいることが不可能である、と信じることを拒否したのです。」

人種の壁を乗り越えて、世界の舞台を目指し、今までの慣習を良き方向へ打ち破っていく姿勢にも、これまでアジア人が成し得ることが難しいとされてきたグラミー賞にノミネートされ、歩みをやめないBTSの姿が重なる気がしています。専門的な教育を受けていない彼を低く評価するファッション批評家たちもいますが、そのようなある種のヘイター達を自分のクリエーションや実績によって無言で圧倒していくその姿勢も、どこか似ているように感じます。

ちなみに、このショーの最後、ヴァージルはカニエ ・ウエストの元に向かっていき、抱き合って涙を流しました。

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(注:真ん中で写真を撮っているおじさんは村上隆さんです。笑)

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このエモーショナルな出来事は、当時ファッションメディアで、大きく取り上げられました。ショーの最後には静かに頭を下げて去っていくデザイナーが多いなかで、男涙を流したその熱い想いや情熱こそが、今の時代の"クール"なのだと多くのメディアが書いていました。

ファッションというものは、時代を反映するものと言われてきましたが、ファッションブランド自体は、これまで政治的立場や強い主義主張を示すことを避けてきた性質がありました。そのようなものとは無縁であるべきという意見を持ったデザイナーもかつていました。

ところが、ヴァージルは、WWDのインタビューでこう言っています。

「何かへの支持を分かりやすく表明することで、忠実な関係性や対話を築くチャンスが生まれる」
ーWWD Japan 14 Jan, 2019

ブランドの規模が大きくなるほど、声が届く範囲も広がり、反発や炎上を招いてしまう可能性も高まります。しかし、そのリスクを恐れず、明確な立場を示していくことが、これからのミレニアル世代の支持を得るのだと彼は信じています。実際に、ヴァージルは、BLMの際に発信した内容で一度炎上しています。彼は、アフリカ系アメリカ人であるため、もちろんBLMに賛同し活動していた人物ですが、時に発言の揚げ足を取られてしまうこともあります。

BTSも、これまで社会に対して、鋭い批判を含んだ歌詞を発表し、政治的・民族的な問題にもSNSを通して臆せず言及し、マイノリティに寄り添ってきました。
だからこそ、その意見に共感する人々がARMYとして仲間になっていき、巨大なファンダムが育ち、BTSの常に一貫した姿勢と発言がそのファンダムの絆を強くしていく、というサイクルが生まれているのだと思います。

さて、個人的な興奮をここまで一気に書いてしまったわけですが(笑)、

最初に書きましたが、BTSが、Louis Vuittonのグローバルブランドアンバサダーとなったことによって、衣装提供・衣装を着るだけの関係から、BTSがヴァージルと接点を持つきっかけができたため、新しい時代を切り開いている二者が、どんなプロジェクトやコラボレーション活動を展開していくのか、本当に楽しみに感じているのです!
みなさんも、楽しみになってきましたでしょうか?

そのような動きがあった時には、いち早くTwitterで呟きたいなと思います。

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長々と読んでいただき、ありがとうございました!もし楽しんで頂けましたら♡押して頂けたら嬉しいです!(会員でなくても押せます☺️)

参考文献:
https://www.vogue.com/article/virgil-abloh-biography-career-timeline
https://www.businessoffashion.com/articles/luxury/virgil-abloh-i-am-not-a-designer
https://garage.vice.com/en_us/article/gyk9z9/virgil-abloh-louis-vuitton




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