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珠王戦あれこれ その①

久々のnoteになってしまいました。

珠王戦9年ぶりに参加しました。9年前のそのときは2勝3敗1分という成績だったんですけど、いまと比べて内容が全然違うと思います。目標その1は、「前回よりも成長を実感できる内容にする」というところでした。

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これ、9年前の対局です。ここから白に反撃されてぽろっと負けました。某氏の作戦ではあるんですが、寒星の定石を引いて、勝ってみろという形です。必勝という意味では勝ち切るのほんとに難しいんです。引き詰まる可能性は今でも高いです。しかし、必勝という概念に囚われなければ、有利に形を築いて、ゆっくり勝つと考えるのが今の思考回路。当時はそんなこと考える実力と余裕が無かったですね。他の棋譜も総合的に考えて、今の方がなんだかんだ実力はついたかなーと思います。

今回は3勝3敗でした。星勘定でみれば0.5しか増えてませんが、今回負けたのは中村名人、中山八段、神谷八段の3名、日本のトップたち。欲を言えばこの3人から0.5勝でもあげたかったですが、むしろこの3人と当たれるまで大会を通して善戦できたと捉えるべきでしょうか。そして何より、大会を通じてほとんど上位側のテーブルで打ち続けることができました。前回出場時は、半分より上に上がれなかったです。今回の最後の対局は1番テーブルでvs中山珠王でしたから、そんな意味でも成長できてるんだと思いました。やったね。

もう1つ目標がありました。

中村名人と対局する!

これ。日本で連珠という世界に飛び込んだら憧れることだと思うんですよ。そりゃ、例会とかイベントで指導対局は受けることあると思います。それはとても幸せです。だがしかし! 公式戦の場で対局してみたいじゃないですか。この世界のレジェンドとの対局、それが実現しただけでも今回参戦した意味がありました。正直、中村名人と当たれるまである程度この大会で良い成績を残す前提ではあったんで、がんばれました。

んで!

前述のようにしっかり負けました。それも、文字通り何もできずに負けました。いや、負けて清々しいってすごくないですか? 感想戦で、対局に対しての色々な読み、知識を披露していただいてさらにらどーんみたいな…感じです。語彙力どこかに行ってますが、麓からエベレストを見上げる感覚?でしょうか。どどーーんみたいな。いろんな意味で強烈なインパクトの1局だったので、まずはそこから振り返ります。

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正直に言って仮先で提示してなんとかなると思ってたのが残月しかなかったので、提示しました。この渓峡月共通の4も五珠の位置くらいは把握してたのですが、圧倒的に深度不足でしたね。黒11までは正着だそうです。実は黒7がほぼ初見で、1つ右の位置なら知っていたんですが。白12の候補としてはA,B,Cくらいだそうです。A、Cは考えました。Aは三を引いて相手に黒石が増えるのが嫌だなという単純な意味で却下してしまいました。Cも浮かんだのですが、攻撃的な手すぎて、ちょっとなぁ…と却下してしまいます。 え、B?? そんな発想浮かばないです笑

結果的に本譜12を打ちました。連を作って2,6の連とも連携して、狙える筋を読んでました。

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イメージこんな感じ。あわよくば緑の位置が三三禁になるー、みたいな。打った後に気付いたんですよね、本譜13でこの理論がほとんど破綻して真っ黒になることに。

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そして、白14。少し安易に打ち過ぎました。上止めだと思ってたんです。河村九段にも欲張りすぎだとコメントいただいてましたが、その通りで、お手伝いになってしまいました。

(参考図)

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本来打ちたかったのがこの白16。結局打たなかったんです。中村名人には全て読まれてました。「白14引いたってことはこれ打ちたかったんでしょ? 最初まずいかなーとも思ってたけどよく読んだらこの手順で黒勝ちですね」自分のやりたかったこと、そこからの勝ち、全て読み切られてました。

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そして、これが本譜。妥協して白16打ったんですけど、この手順もだいたい読めてたんで、負けたなーと思いましたね。

中村名人との初対局は完敗でした。もっと熱戦をしたかった!というのが本音ですが、それは次の機会に目指したいですね。


他の対局もぼちぼち振り返ります!

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