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和の心コズミックスピリット㊼

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■大掃除で新しく生まれ変わる日本の伝統民家


ひと昔前の日本では年末の大掃除は家族だけでなく集落の家々が一斉に行う一大行事でした。

まだ暗い内からどの家も大掃除の準備にとりかかり、夕方暗くなるまで隣近所で助け合いながら行う儀式のような意識がありました。小さな子供であっても遊んでいることはゆるされません。それぞれの者ができる範囲でできる限りのことをします。

畳もすべて外に出しふすまも障子も外すと、伝統民家はほとんど柱だけの存在となります。風がそのまま家の中を通り抜けてゆきます。家に簡素な造りであることが大掃除の度にわかります。

日本の伝統民家は柱さえしっかりしていればいくらでも新しく蘇らせることが可能です。それが簡単にできる構造なのです。

新陳代謝をする家といえます。新陳代謝によって家の生命を再生させる儀式が年末の大掃除です。柱だけになった大掃除を経て、柱以外を取り替えると、見違えるような新しい家になるのです。

まさに生命が新しい細胞に替わることによって持続されるのに似ています。この神聖感をみんなで一緒に味わうことで、私たちの魂も新陳代謝をしていたような気がするのです。


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■日本の伝統民家は住まいがそのまま祭りの場でもある縄文の精神をそのまま引き継いでいる


壁主体の現代住居はあのような大掃除はやりたくても構造的にできません。家を解体した時、壁の中の防寒材がカビだらけになっていて、こんなカビに囲まれて生活をしていたんだと愕然としたという話もよく聞きます。

伝統民家はまた季節折々の家の中での年間行事を四季にあわせて味わうことのできる性質を備えていたという点でも、命ある存在と似ています。

ひな祭りのひな壇も家具主体ではない畳の間があるからこそ大きく飾れ、土間の間があるからこそ家の中でお餅つきもできました。

新年を迎えるお餅つきの時と、ひな祭りの時とでは、家はまったく異なる色彩となりました。鯉のぼりが庭に泳ぐ端午の節句でも家は違った風景を見せてくれました。

こうしたことを振り返ると、日本の伝統行事は伝統民家のあの造りであるからこそ生きた心で行えるものであったことに気付かされます。

日本人にとって家とは日常の場であると同時に行事の場でもありました。今日の伝統行事が日本から失われてしまったのは、仕事に追われる日常になったからだけではありません。現代の住居は機能的にも情緒的にも難しいものがあるのです。

縄文の集落では冬至など、太陽の運行にあわせて様々な祭りが行われていたと考えられています。伝統民家は住まいがそのまま祭りの場でもある縄文の精神をそのまま引き継いでいるように思われます。


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■尊敬される立場に立てば人間はそれに値する性質を表せる


私たちの祖先のあり方には祖先を尊ぶ思いの深さが感じられます。大樹信仰も柱信仰も、立石や火への信仰もいずれも祖先への思いが下敷きにあるように思われます。

なぜこれほどまでに私たちの祖先は祖先を思う気持ちが強かったのでしょうか。

それはやはり何代もの世代が一つの家族となって生活した生活スタイルにあると思われます。孫は子以上にかわいいとよく言われますが、曾孫はもっとかわいいと言います。

これは逆からも真で、祖父や祖母は直接の親よりも達観した愛情を感じやすいものです。

現代は婚期が遅くなり出産も高齢出産が多くなっていますが、古代の人たちは若い年代から子どもを産むことが多く、何世代も一緒に生活していました。身近な祖先に沢山接していたわけです。

肌で感じる愛情や尊敬感があると、出会ったことのない祖先へのありがたみも違ってくるものです。古代社会は今日の経済社会とは違って年配者がとりしきる社会です。

ポジションが人を創ると言いますが、尊敬される立場に立てば人間はそれに値する性質を表にあらわそうとするものです。そしてそうした尊厳のある実存の祖先たちの中で育てば遠い祖先はさらに尊く感じられるものです。

(続く)


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■過去記事

続きものになっているので、興味がもてた方は最初から読むとより面白いかと思います(^-^)

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■関連書籍と記事の紹介

五六七の仕組み 日月神示が予言する日本と世界の未来

つい最近出たばっかりの新刊です。週に2~3回ペースで更新していくのでお楽しみに(^-^)

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ガイアの法則

これからは日本の淡路島、明石の東経135度線が世界の中心となる…。これは世界、宇宙の法則であるスピンにそれが証明されているという千賀一生さんが実際に体験したチャネリングより記された一冊です。

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日月神示解釈本:中矢伸一

千賀一生さんを紹介していた、主に日月神示の解釈本を書いている中矢伸一さんの書籍です。今の感染症の時代を予期していたかのような内容が書かれているのが興味深いところです。

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