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和の心コズミックスピリット56/日本は天然の理想的共産主義社会である

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■欧米化が始まる前の日本の姿


後に日米修好通商条約(1854年)を終結させたタウンゼンド・ハリスとその通訳者ヘンリー・ヒュースケンは欧米化が始まろうとしていた日本の未来について、次のように予見しています。

彼らは皆よく肥え、身なりもよく、幸福そうである。一見したところ、富者も貧者もない―これら恐らく人民の本当の幸福の姿というものだろう。私は時として日本を開国して外国の影響をうけさせることが、果たしてこの人々の普遍的な幸福を増進する所以である、かどうか、疑わしくなる。私は質素と正直の黄金時代をいずれの他の国におけるよりも、多くの日本において見出す

T・ハリス『日本滞在記』坂田精一訳、岩波文庫

いまや私がいとしさを覚えはじめている国よ、この進歩はほんとうに進歩なのか? この文明は本当にお前のための文明なのか。この国の人々の質樸(しつぼく)な習俗とともに、その飾りけのなさを私は賛美する。

この国土のゆたかさを見、いたるところに満ちている子供たちの愉しい笑声を聞き、そしてどこにも悲惨なものを見い出すことができなかった私には、おお、神や、この幸福な情景がいまや終わりを迎えようとしており、西洋の人々が彼らの重大な悪徳をもちこもうとしているように思われてならない

『ヒュースケン日本日記』青木枝郎訳

自由競争による貧富の差を乗り越えんとする理想論が共産主義と言われるユートピア的ビジョンです。このビジョンはとても理想的ですが、しかしこのユートピアに向かおうとした国々もまた、現実には様々な問題をかかえてきました。


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■日本は天然の理想的共産主義社会である


日本社会は幕末の開国後、ハリスやヒュースケンが予見したような重大な問題に一面では直面していきますが、その頃の日本に対して、海外からの興味深い評価がありました。

それは日本は理想的共産主義社会であるという比喩的評価です。資本主義国となりながらも、貧富の差が少なく、共同体的に集団が運営されることが多い日本社会は、激しい競争社会に身を置く人々の目には、共産主義以上に共産主義的理想に近い社会に見えたからでしょう。

これはそれ以前の時代もそうで、まだ日本に資本主義が浸透する以前にも、共産主義が達成しようとする社会は、日本のような社会となると言った西洋の共産主義者がいます。もちろん日本社会のそれは、制度的なものではなく、日本社会は共産社会を目指したわけでもありません。

日本社会は、いわば天然のままに(制度的努力がないままに)ユートピア的であったわけです。しかし、天然、すなわち制度的側面から生じたものではないからこそ、日本社会はその性質を、封建や資本主義といった、まったく異なる社会制度の中でも表し続けてきたのではないでしょうか。

何が他国にはないこの天然のままの調和的性質を日本人にもたらしたのでしょうか。豊富な食糧をもたらす自然に恵まれた私たちの祖先は、他の地域が農耕社会となってからも、大陸文化がもたらされるぎりぎりまで狩猟採集を基盤とした定住生活を送ってきました。

自然界の恩恵を受けたこの独特の定住生活は一万以上という、人類史上、類のない長さで続きました。この生活は自然界への感謝や畏敬の念を育みやすいゆとりある生活であったと考えられます。

また、定住生生活は移動生活とは違い、そうした自然観、人間観に基づく生活や文化のパターンを、一定の型として定着させやすい性質をもっていたはずです。

豊かな自然に同化するようにして生まれたその独特な型こそが日本人の独特の性質を確固たるものとして育み、持続させたのではないでしょうか。


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■過去記事

続きものになっているので、興味がもてた方は最初から読むとより面白いかと思います(^-^)

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■関連書籍と記事の紹介

五六七の仕組み 日月神示が予言する日本と世界の未来

つい最近出たばっかりの新刊です。週に2~3回ペースで更新していくのでお楽しみに(^-^)

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ガイアの法則

これからは日本の淡路島、明石の東経135度線が世界の中心となる…。これは世界、宇宙の法則であるスピンにそれが証明されているという千賀一生さんが実際に体験したチャネリングより記された一冊です。

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日月神示解釈本:中矢伸一

千賀一生さんを紹介していた、主に日月神示の解釈本を書いている中矢伸一さんの書籍です。今の感染症の時代を予期していたかのような内容が書かれているのが興味深いところです。

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