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いっしゅうき 2021.08③

2021.08.11 WED
246日目です。参加している同人のオンライン会議がありました。筆者は主に散文特化な人間ですが、詩や短歌等、さまざまな文芸ジャンルと真剣に向き合っている方々とお話すると、皆さんの熱意に押し負けるような心地がして居心地の悪さを感じると同時に、もっとがんばらないと……という、競争心のようなものも湧いてきます。どちらにしろ、ほかの同人の方々のがんばりに比べると、筆者のがんばりはまだまだ甘っちょろいことを痛感しました。ちゃんと小説書こう。書かないと始まらないからな。

2021.08.12 THU
247日目です。ひたすら家にこもって同人原稿の校正をした一日でした。おもしろいことがなんにもなくて恐縮ですが、私にしてはがんばったので許されたいです。

2021.08.13 FRI

2021.08.14 SAT
249日目です。中高のときの友人と、中高時代の思い出話をしました。高校時代は(それこそ文芸に邁進していたので)それなりに充実しており、楽しい思い出のほうが多いのですが、中学時代となると苦い思い出のほうがたくさん思い出されます。ほかの友人に聞いてもわりあいそういうひとが多いので、筆者だけの話ではなく、案外広い範囲で共通の感情なのかなと思います。
中学時代の同級生については未だに会いたくないひとのほうが多いですが、思い返すと筆者も大概「社会生活」のなんたるかを理解しておらず、同級生や先生方、親やその他のひとに多大な迷惑をかけたなあと思います。なにかのタイミングでふと思い出すと自己嫌悪で叫び出したくなったりするわけですが、こうした気持ちも忘れないで取っておけば、いずれ創作のネタに昇華できるのだと自分に言い聞かせながら耐えています。でもぶっちゃけ創作のネタとかどうでもいいので忘れたいです(台無し)。

2021.08.15 SUN
250日目です。友人から、ずいぶんまえに書いた小説について感想をもらいました。いろいろ嬉しい言葉をもらえて、同時に自分のなかで反省点がもろもろ思い浮かんだりしました。自分のつくったものについて感想を、それも好意的なものを、そのうえ直接もらえるなんてなかなかあることではないと思います、ありがたいことです。また書いたら送り付けるから読んでくれとお願いしておきました。

2021.08.16 MON
251日目です。なんだかとってもやる気の起きない一日で、起きる→ごはんを食べる→寝る→ごはんを食べる→寝るという、たいへん自堕落な一日を送りました。なんにもしなかったな。たぶん15時間くらいは寝たんじゃないかなと思いますが、未だにそれなりに眠いです。

2021.08.17 TUE
252日目です。キネカ大森で開催中の「夏のホラー秘宝まつり2021」にて、ミヒャエル・ハネケ監督『ファニーゲーム』(1997年。オーストリア)を観ました。

以前の記録でも少し書いたのですが、職場の方から猛プッシュしていただいた作品で、かつ以前からかなり気になっていた作品だったので、なんとしてでも観なければ!という強い意志で以て、久しぶりに映画館へ足を運びました。結論として、「み、観てよかった~~~!!!」と思える映画体験ができました。後味と満足感は必ずしも比例しません! いいもんはいいんだ。

※以下、直接的な言及はありませんが、お察しのよい方なら「演出」の性質に気付きかねない表現(つまりネタバレのようなもの)を含みます。ぜひ未見の方はなにも知らないまま観て「笑うしかねえわ」みたいな気持ちになってください。

よく「後味が悪い」「胸糞映画」といったふうな評判を聞く作品で、たしかにその言説にも頷ける絶望的なストーリーではあるのですが、個人的にはやはりこの映画独自の「演出」部分にたいへん興奮しました。下手な見せ方をしてしまえば大失敗しかねない演出だと思いますし、この演出抜きでも十分成り立つストーリーである気もするのですが、あえてこのストーリーのなかにこの悪意しかない「演出」をぶち込んだことに、監督の挑戦心といおうか、反逆心のようなものが透けて見える気がします。

この「演出」があることで、一家の日常を破壊する若者の享楽的な性質といおうか、「せっかく使えるんだから使い尽くしてやろうぜ!」というような「最強さ」「無敵さ」が見えてくる気がしました。フィクションのなかの人物が、自身がフィクションであることに気付き云々……というストーリーは、昨今ではわりあいよく見る題材かと思うのですが、それをここまで悪意たっぷりに使いこなすキャラクターがいただろうか、いやない(筆者が知らないだけで、いるのかもしれませんが)(こんなんがいっぱいおったら堪らんわ)。

個人的にこういうネタが大好きなので、作中に出てくると嬉しい側の人間なのですが、ここまでぶっ飛んだ使い方をされるといっそ清々しく、一家へ同情していたはずの気持ちが最後には「あ~~~もうこりゃどうやったって勝てねえわ、諦めよ」みたいな感情にシフトし、むしろ若者らのきらきらした顔を見て「うん、もうきみらの好きにやってくれ、私には手に負えん」というような気持ちになってクライマックスを見届けました。シアターから出るとき、うしろの席にいた女性が呆れたように小さく笑っていたのも印象的でした。ハネケ監督すごいなあ。

ただ、純粋にストーリーだけ見るなら、この一家のような状況に追い込まれる可能性は誰にでもあるのであって、その点を考えると、こうしてフィクション↔リアルの境界を侵すような強烈な演出は、この映画の恐怖を駆り立てるのに重要な役割を果たしているのかなとも思います。賛否両論あるでしょうが、みんながみんな好きで褒め称えるような作品だけが「傑作」「名作」ではないと思います。少なくとも筆者にとっては、一生忘れられないであろうすごい一作でした。こういう強烈で厭なものをつくりたいな。がんばろう。

ほんとうにありがとうございます。いただいたものは映画を観たり本を買ったりご飯を食べたりに使わせていただきます。