ジェノスと銀行
ジェノスは極力銀行には近づかないようにしている。サーチ能力で内部データを見てしまったりという故意ではない事故が起こるからだ。
しかし。
今日は先生にお金を小額下ろしてきてくれと頼まれてしまった。
ATMは使えないので窓口の前の椅子にいると
「S級ヒーローのジェノス様ですね。よろしければ定期預金にしてみませんか」
と勧誘された。
「普通の通帳預金で充分だ」
S級は稼いでいると思ったのだろう。
だがこの金は先生と正義活動のために使うのだ。
窓口で通帳と金を受け取ったらポケットティッシュをもらった。大事に仕舞い込む。
景品はもうないか、と喉まで出かかってやめる。
先生の影響を受け過ぎだ。
何もしないように注意しながらなるべく早く銀行を離れた。
特に鬼門のATMには近づかないように。
早く先生のところに帰ろう。
終わり
お金が欲しいです。