見出し画像

過去の天才

目の前にあるニューロンの束をしげしげと見つめる。
こいつはさる貴重な知能の持ち主のものだそうだ。俺に扱いを任された。
俺はこの表には出せない闇の研究室のクシダという男さ。

このニューロン男は才能が暴走して発狂寸前まで行ってしまい、危険なので射殺された。

俺か?俺は平凡な人間だよ。頭は中の下。小学生の時から怒鳴られてばっかりだ。
才能に嫉妬しつつどうするか考える。
なに、深く考えることじゃない。
致死量の毒薬入りのタンクに投げ込んだ。

ニューロンだけになってもご苦労なこったな。
天才もこうなっては終わりだ。

俺は嫌なものから逃げるようにその部屋を去った。

天才であるが故に碌なことを考えなかったニューロンの持ち主に想いを馳せて。

終わり

お金が欲しいです。