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ONE-WAY TICKET/片道切符

ロゴかっこい~な。

 アフターライフに来た。
 伝説に名を残す人達が通うというバーであり、ナイトシティで成り上がるために目指すべき目標地点のひとつ、らしい。(ジャッキー調べ)
 ちなみにここは死体安置所を改装して作られたんだとか。

 Vとジャッキーはアフターライフの常連であるデクスターに呼び出されてやってきたわけだが、経緯はどうあれ憧れの場所に入るというのはテンションが上がるものだ。俺たちの物語はここから始まるんだな!と言わんばかりにジャッキーはウッキウキである。

 アフターライフには伝統がある。常連客がド派手な最期を遂げると、常連客が好んでいたレシピのカクテルにその人の名前がつけられるんだそうだ。
 デクスターから少し待つように言われたジャッキーが頼んだカクテルもそのひとつ。半世紀前にアラサカ・タワーを吹っ飛ばして散った「ジョニー・シルヴァーハンド」である。

ジョニーのカクテルで乾杯。

 ジャッキーもいつかアフターライフのメニューに自分の名前のカクテルを増やしたいらしい。彼らしい夢だ。もう既に自分のメニューも考えてある。

先んじてバーテンダーに自分のカクテルを伝えておくジャッキー。愛情は必須。


 駄弁っているとデクスターから招集をかけられたので向かう。
 ちょっと奥に進むとガラス張りのボックス席があり、デクスターとT-バグが待っていた。

アラサカ特攻チーム。真ん中のスキンヘッドの女性がT-バグ。

 さて、作戦はT-バグが考えてくれたらしいので確認していく。

 移動手段はデラマン。AIが管理するタクシー会社であり、場所とおもてなしレベルを指定すればあとは全ておまかせできる優秀な奴だ。

 Vとジャッキーは偽名を使って身分を偽り、お偉い人との打ち合わせがあるというていで紺碧プラザに侵入。セキュリティ関係のバックアップはT-バグが支援してくれるので、ふたりは現場に行き適切なタイミングにRelicを盗んで脱出すれば依頼は完了である。

 打ち合わせの途中、取り分の話でちょっと揉めた。デクスターが言うにはデクスターの取り分が70%、Vとジャッキーには30%だとほざきやがるのだ。
 これには普段おおらかなジャッキーも憤慨。魔王城とも言えるような場所に盗みに入る実行犯の取り分が3割て。流石に少なすぎる。
 デクスター曰く準備は自分がしたから当然だと言うが、だとしても絶対7割の仕事はしてないはずだ。ドローンの取引も中途半端なまま、トラブルごとVに丸投げしやがったし。
 てことで交渉した結果、取り分は5%増えた。当初は10%増加を要求したが、まあ増やしただけマシとしよう。二度とお前からの仕事は受けないと心に誓った。



 支給されたスーツを着て、用意されたデラマンに乗る。

これがデラマン。今回のおもてなしコースは、使用者の遺体の輸送も行ってくれる手厚いコースらしい。

 初の大仕事ということもあり、浮かれ気味のジャッキーを窘めてみるが効果はあまりない。そして1周目を経た私としては、デラマンに乗る前から帰りたくて仕方ない。なんとも不安すぎるコンビである。


 そうこうしているうちに紺碧プラザに到着。
 武器持ち込み厳禁なので、ドローンだけ持ってホテルに入る。

 受付前には金属探知ゲートがあり、ドローンを持っていたジャッキーはものの見事に引っかかった。が、お偉い人に会う約束という根回しのおかげで持ち込みを許可されたので、さっさと受付でチェックインを済ます。


 予約した部屋に向かう途中、バーがあったので寄ってみた。

オッシャレ〜!

 バーカウンターに向かうと、酔った客がバーテンダーにだる絡みしていた。内容はというと、よりにもよってアラサカの悪口である。酔っぱらいはすごいぞ、怖いものなしだ。
 折角寄ったので酒を何杯か飲んで、ふらふら 酔っ払いながらテーブルを観察して回る。

見たことある顔。

 小島監督だ!!?
 いや、正確にはこの世界では「オオシマ」という名前らしい。何してるんすかこんなところで。
 興味深そうな話をいくつかしていたが、え?小島監督?マジ?という衝撃がデカすぎて覚えていない。気になる人はサイバーパンクをプレイしよう。もちろん声も小島監督ご本人である。


 バーを後にし、ジャッキーと一緒に予約した部屋に行く。

 広い!ホログラム金魚!見晴らし最高!ナイトシティってごちゃごちゃしてんな~!!
 強盗の下準備のために入るには勿体なさすぎる豪華さ。手配したT-バグが言うには、たまたまこの部屋がT-バグ的に丁度良かったかららしいが、理由はどうあれこんなとこに来られてラッキーである。

 まずはドローンを使って、ホテル内全体のセキュリティを担当するネットランナーを抑える必要がある。
 ということで、ドローンをそいつの元まで誘導する。ドローンは光学迷彩機能も備えており、パッと見ではその存在に気づくことも難しい。(よく見れば動く姿が浮いて見える)

 部屋と部屋を繋ぐダクトを使ってドローンを誘導し、無事にネットランナーを抑えることに成功すればあとはこっちのもの。
 T-バグが強盗の準備が出来るまで数時間かかるそうなので、ふたりで語らいながら待つことにした。



 数時間後。
 T-バグからGOサインが出たので、Relicがあるスイートルームへ向かう。

 事前に調査済みなのでRelicの位置は把握済。床下に隠されていたので、キーを見つけてRelicを取り出した。

 あとはこのまま脱出すればいいだけ。意外と楽勝だったな、と拍子抜けしかけたところで事態は急転する。


 ヨリノブがスイートルームに戻ってきた。しかもあのエヴリンのBDですれ違ったおっかないロボット人間と一緒に。
 それだけでも十分想定外であり、慌ててルーム備え付けのモニターの裏側スペースに隠れたわけだが、状況はさらに悪化する。

 ヨリノブパパことサブロウ・アラサカ氏降臨である。

左がサブロウ・アラサカ。親子喧嘩はよそでやってくんねえかなぁ〜〜〜???

 そりゃあもうモニター裏に隠れた強盗コンビはなんで!?!?とパニックにもなる。よりにもよって大親玉が出てくるなんて誰が予想出来るのか。しまいにはサブロウの恐らく側近っぽそうなおっさんに居場所が見つかりそうになるし。


 ちなみに、音声英語・日本語字幕で進めている私だが、日本人キャラクターの話す日本語はそのままなのでこのふたりのやり取りは字幕がなくても理解できる……のだが、驚くことに話す日本語と日本語字幕が合っていない箇所が多々あった。びっくりした。ちょ……言ってることと字幕違いません!?!?てなった。何がどうしてそうなったんだろう。我々はその謎を解き明かすべくアマゾンの奥地に向かうのだった───。


 それはさておき。
 もう既に強盗コンビのキャパシティはオーバーしているのに、展開はまだ悪くなる。下には下があるのだ。

 ヨリノブ、父親を絞め殺す。

!?

 そしてその罪を架空の人物になすり付ける。

!?!?!?


 えっ!?この状況からでも入れる保険があるんですか!?

 ないよ!!!!

 予定通り物事が運ぶことがそんなにないナイトシティにおいても、これ以上意味わからん特大爆弾が舞い込むこともそうそうないだろう。

 存在しない人間に罪をなすり付け、殺人犯がいるとして紺碧プラザは緊急閉鎖。それはそう。あのアラサカの大将が殺されたのだ。当たり前の対応である。

 完全に巻き込まれ事故に遭っている強盗コンビはこの急展開に次ぐ急展開に最早頭がついていけていない。とりあえず現場から逃げなければならないことだけはわかるので、T-バグのサポートを受けつつその場を後にする。

 しかし、ここでT-バグにトラブル発生。2周目の今でもよくわかっていないがおそらく相手側から何かしら反撃を食らったんだろう。トラウマレベルの悲鳴が聞こえた後に通信は途絶えてしまった。

 こっちはこっちででけえ空飛ぶ戦艦みたいなのに姿を見られ、サブロウの殺害犯として追われる羽目になる。それはそう(2回目)。現場から出てきた不審な男2人組なんて、犯人ですと名乗りあげているようなものだ。
 相手側は最早捕まえると言うよりは仕留めるくらいの勢いでガトリングガンっぽいのぶっぱなしてきたので、10階位の高さから飛び降りる決死の逃走を計った。


 落下した場所は機械室のようなところだった。
 Vは無事だった。だが、ジャッキーは落ちる際に脇腹を撃たれたらしい。さらにRelicを入れていたケースの保存機能が駄目になったようだ。踏んだり蹴ったりである。

 Relicに詳しそうな人といえば、エヴリンくらいしか知らない。
 ということで彼女に連絡してちょっとRelic駄目っぽそうと伝えると、彼女は応急処置としてそのチップを身体に入れろと言ってきた。元々身体に入れるためのチップなので、本来の用途として間違いはない。

ちなみに紺碧プラザの事件は早々にニュースになっているらしい。こっちが聞きたい。一体どうなってるんですか?

 ジャッキーがRelicを取り込んだことで、ひとまずその問題は何とかなった。

 あとはこの魔境から脱出するのみである。



 結論から言うと、脱出は出来た。

 紺碧プラザの中はアラサカの大将を殺した犯人を見つけるべく、戦闘員がいっぱい出てきた。
 しかしこちとら2周目の人間。倒し方は心得ているので、全員シバきながら出口まで向かった。ちなみにアップデートの影響か、やべえ二足歩行兵器は出なくなっていた。

 出口では超優秀AIタクシーのデラマンが既に待機していた。
 最早瀕死のジャッキーを乗り込ませ、湧いて出てきた戦闘員たちの猛攻をデラマンの装甲で防ぎつつ、ようやく紺碧プラザから脱出。


 だが、そこまでだった。
 ジャッキーは死んだ。

 当たりどころが悪かったのか、それともろくな手当てもせずに動き回ったからか、思い当たる節は山ほどある。とにかく彼は死んだ。RelicをVの中に差し込んで。

 正直言う。
 めっちゃつれぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!

 辛くないわけあるか。この体験は2度目である。それでも辛いもんは辛い。ジャッキーが息を引き取ったときのショックで、リアルに呆然としてしまった。つい数時間前まで快活に笑っていた男だぞ。うう……つらい……。



 デラマンに呼びかけられて、なんとかショック状態から意識を取り戻す。
 デラマンがジャッキーの遺体の輸送先を尋ねてきた。そういえば、今回のおもてなしコースは使用者の遺体の輸送も可能だった。
 1周目はその場で待っておくよう伝えたので、今回は家族の元に送り届ける選択をとる。遺体の息子を家族に送るのもどうかと迷ったが、きっとデラマンが説明してくれるだろう。それに、彼を家に帰してやりたかった。


 やり残した仕事を済ませるために、当初計画していたモーテルに向かう。
 モーテルではデクスター・デショーンが待っていた。紺碧プラザの騒動を知り、激昂している。関わった者は全員終わりだ的なことを言っていた。

 ジャッキーが死んだが、とにかく依頼のRelicは頭の中にあると伝えると、デクスターはとりあえず血まみれの顔を洗ってこいとか抜かしてきた。何言ってんだてめー。高飛びする気満々で各所に連絡入れてんの知ってんだぞ。

 ムカつくが言う通り顔を洗って戻ってくると、間髪入れずにぶん殴られた。は????



は????????

 暗転。

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