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MY DEAR/親愛なる君へ

 トムズダイナーから出ると、いくつかの通知が来ていた。ひとつはデラマンから駐車場に車置いといたで!という連絡。もうひとつがジャッキーの母、ママ・ウェルズからのものだ。

ここから先、説明欄はおそらくジョニーが書いている。最後の文は照れてるんですか?

 彼女が言うには、ジャッキーのオフレンダ(所謂葬式みたいなもの)を開くから来ないか、という連絡だった。行かないわけがない。即答でもちろん行くと答え、彼女がいる酒場に向かうために、車を取りに駐車場に向かう。

 ママ・ウェルズの酒場、エル・コヨーテ・コホは2km以上先にある。車に乗りこみ早速出発……と思った矢先、向かいの車が思いっきり突っ込んできた。は?????

あまりの出来事に、ついさっき脳腫瘍呼ばわりしていた男に思わず話しかける。

 突っ込んできた車はデラマン社のものだ。あのクソ真面目なAIが、事故った挙句そのまま走り去るのは異常である。

 ということで、デラマン社まで向かう。クソ遠いが車が大破したので走るしかない。ちくしょ〜ジャッキーのオフレンダに行かなきゃならねえのになんでこんなことに!
 なんとか到着し、デラマンに事態を説明すると、どうやらデラマンのAIの一部が暴走しているらしい。デラマンとしては、損害賠償も発生しているし信用問題にも関わるのでさっさと問題を片付けたいようだが、手が離せない。

 当然Vに白羽の矢が立つ。
 そういうわけで、暴走デラマンたちを回収する旅に出た。

 ここからはダイジェストで7台の愉快なデラマンたちを紹介しよう。

ノース・オークのデラマン。

 1台目のデラマンは少々ビビりだが、恐らく7台のうち1番まともで話が通じる。少し対話をした後は、彼/彼女をデラマン社まで運転して送り届けてあげればミッション完了だ。スピードを出しすぎると速度制限をかけてくる絶対安全運転マン。

グレンのデラマン。

 2台目のデラマンは海に身を投げようとしていた。デラマン(親)との関係について思い悩んでいるようだったので、きちんと向き合うようアドバイスをして帰ってもらった。AIだって思春期があるのだ。

ウェルスプリングスのデラマン。

 3台目のデラマンはシンプルな暴走野郎だ。というか、こいつが駐車場で真正面からぶつかってきた諸悪の根源である。街中でも「プップー!邪魔だ邪魔だ!(英語だとmotherfuckerである)」と言いつつ相変わらず全てを破壊しようとしていたので、力づくで黙らせてお帰り頂いた。レッカーで。

ランチョ・コロナドのデラマン。

 4台目のデラマンは1台目を上回る貫禄すら見えるほどのビビりだ。というのも、彼/彼女が怯えているのがこれ。

Flamingo.

 なんて可愛らしいフラミンゴ。
 しかし、彼/彼女はこれがめちゃくちゃ怖いらしい。なのでこれらを8個破壊して安心させ、お帰り頂いた。フラミンゴの破壊は非常に心が痛んだ。

 5台目のデラマンはノースサイドにいた。ごめん、普通にスクショ忘れてた。
 彼/彼女も何かしらに怯えていたんだろう。広い地域をあちこち逃げ回り、しばらくしたら勝手に止まった。ついでにエンジンとかも止まっていたが、まあ確保出来たので良しとしよう。

コーストビューのデラマン。

 6台目のデラマンはハッキリ言って7台の中で1番めんどくさい奴だった。デスゲームのゲームマスター仕草でギャングをけしかけてくる。
 このときはまだ序盤も序盤、色々と力不足なので突然ギャングに襲いかかられたらそれはもうこてんぱんにされるに決まっている。2周目なのでさっさとシバキ倒したが、1周目はこれのせいでジョブ失敗した。くそ〜。

バッドランズのデラマン。

 7台目。最後のデラマンはゴミ処理場のようなところにひっそりと佇んでいた。
 車内で話そうという誘いを受け、少し対話する。ブラックウォールやら異世界の話やら、何かと意味深なことを言ったかと思うと、気が済んだのか帰る意志を見せてきたのでここでミッションは終了した。




 デラマンたちを回収し終え、しばらくすると大破した車の修理が終わり返却された。
 これでようやくママ・ウェルズのところに行ける。壮大な寄り道をしてしまったが、今度こそエル・コヨーテ・コホへと向かった。


エル・コヨーテ・コホ。ストリートキッドのVはここがスタート地点である。

 いつもは喧騒に溢れている店内も、今日はずいぶんと静かな様子だった。

 店内にはママ・ウェルズとバーテンダーのペペ(ゲームスタート時に借金返済に悩んでいた男)しかいなかった。ママ・ウェルズはこちらに気付くと、ビールを勧めてくれた。

 ジャッキーと組んでからひとり暮らしをするまでの間にウェルズ家に居候をしていたこともあって、ママ・ウェルズはVにとっても母親のような存在だ。彼女から調子はどうかと訊ねられ、素直に「あまり良くない」と零した。

流石に脳内にテロリストがいるとは言わなかった。

 一通り愚痴を聞いてもらったあと、オフレンダとは何かを聞いた。要するに葬式のようなものらしい。

 ママ・ウェルズが、式で彼へのお供え物をガレージで見つけるよう助言されたので、鍵を借りてガレージに向かった。

 ガレージにいくと、すぐ近くにミスティが座り込んでいた。ジャッキーが帰って来ないことはわかっているのに、つい待ってしまうのだと言いう。
 彼女とジャッキーについて少し語り合ったあと、一緒にガレージ内を探索することにした。

 ガレージの中にはジャッキーがどれだけそこに入り浸り、自分の空間を作り上げたかがよくわかるほどの物がたくさん残っていた。
 ミスティも中に入ったことはないものの、おそらくジャッキーがしょっちゅう話し込んでいたようで、Vが気になったものひとつひとつを丁寧に解説してくれた。その中からジャッキーに贈るものをいくつか選びつつ、もうひとつ鍵のかかった部屋に入る。

 小さな部屋の中には、砂で出来た途中経過の曼荼羅が残っていた。ミスティが助言したものらしい。ミスティ曰く酷い出来だそうだが、同時に綺麗なものでもあった。
 ちなみに空の水槽の中もあり、以前「タコス」という名のサメを飼っていたようだ。


 色々と持ち出して、いざオフレンダへ。
 ミスティはママ・ウェルズの仲があまり良くないらしく、オフレンダに行くことを渋っていたが、ジャッキーのためにも参加すべきだと背中を押して一緒に向かった。

スーツのヴィクター。セクシー。

 いつの間にやら参列者が集まっていた。その中にはジャッキーとの思い出が詰まっていそうなグローブを持つヴィクターの姿も。

 式は静かに進んだ。
 ママ・ウェルズはジャッキーが大怪我をした時、彼が「自分は防弾仕様だから絶対死なないんだ」と言って彼女を安心させようとしたときの話を。ヴィクターはジャッキーとボクシングをした時に、彼のパンチが大砲のようだったという話を。ジャッキーが過去に所属していたギャング(ヴァレンティーノズ)の関係者からも、牢獄の中からメッセージが送られた。

 Vはジャッキーと出会った時の話をした。初対面で頭に銃を向けられたのも今では良い思い出である。結局ジャッキーはなんであそこにいたのか謎のままだが。
 手向けにジャッキーのガレージで見つけたテキーラを供え、参列者たちで乾杯をしてオフレンダは終わった。

 正直に言おう。2週目だから耐えられたが、1周目はこのオフレンダはガチで泣いた。
 まさか相棒の葬式が開かれるなんて思わんだろ、普通。作り込みがすごい。これがあるからVとジャッキーが組んでから相棒になるまでの間をダイジェストじゃなく、しっかりプレイしたかった……。


 ママ・ウェルズから、ジャッキーが乗っていたバイクの鍵を譲り受けた。1周目はとてもじゃないが乗れないと断ってしまっていたので、今回は有難く受け取った。大事に乗ろう。

ジャッキーのバイク。排気音がクソカッコいい。

 ちなみにジャッキーのバイクにARCHとあるが、このメーカーは現実にも存在する。しかも共同オーナーのひとりがキアヌ・リーブス。
 ということは、サイバーパンク2077にもキアヌが存在している可能性が高い。まあ世界にはそっくりさんが3人いると言われているし、なんならあとひとりくらいキアヌやジョニーと同じ顔の人間がいてもおかしくないかもしれない。

 式に参加した人たちと少し話をしてから、エル・コヨーテ・コホを出た。





 しばらくして、改めてエル・コヨーテ・コホを訪れるとそこはいつも通りの喧騒が戻っていた。

 しかしカウンターの横はあのときのオフレンダのまま、ジャッキーの祭壇が残されている。

 その祭壇にはジャッキーが生前愛用していた二丁拳銃もあり、実はこれを入手することが出来る。
 1周目のときはそれを知ることなくクリアしてしまったが、今回はバイクと共にこれも有難く拝借することにした。

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