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黄色いカレー&ブルドックソースかけ


#カレーにこれ入れる
田舎のばあちゃんちから家に帰る日は、必ずカレーライスだった。
夏休みの終わり、東京へ帰る道中におなかが空かないように
朝一番、ばあちゃんは、鍋いっぱいのカレーライスを作り始める。

ばあちゃんのカレーライスは、豚こま、じゃやがいも、にんじん、
たまねぎの入った黄色いカレー。
昭和カレーの代名詞「 S&B カレー 缶」でこしらえた、黄い色が際立つ
ばあちゃん自慢のカレーライスだ。

ばあちゃんの作るカレーライスには、なぜか?ブルドックソースを
かけるのが定番だった。盛り付けたカレーライスのとなりにドンッ!と
ブルドック印のソースが置いてあった。

カレーライスの食べ方のお手本は、じいちゃんが教えてくれた。
カレールウの上に必要以上のソースをかけるのが、じいちゃん式の食べ方。わたしもマネして必要以上にソースをかけて食べた。
となりのお兄ちゃんのカレーは茶色いカレーに変身していた。
その横で母が、あ~あといった顔をしていたのを思い出す。

ばあちゃんのカレーライスを食べるときは、なぜか台所の横にある
2畳ほどの板の間に座って食べた。
夏休みが終わって家に帰る日だけは、2畳の板の間でカレーライスを食べるのが、ルールのように決まっていた。

板の間には、テーブルはなかった。アルミのお盆の上にのせられた
カレーラースとブルドックソースが用意されていた。
そうそう、そこには赤い福神漬けも付いていたっけ。

カレーライスを食べ終わると、忙しく帰り支度をして車に乗り込んだ。
我が家の愛車は、父親の大好きなブルーバード。
じいちゃんとばあちゃんは、ブルーバードに乗った家族4人に
手をふって見送ってくれた。










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