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おもしれー女になりてー私

おもしれー女になりたい!!!!!

 可愛い女、優しい女、根明な女、賢い女…。なりたい理想像は数あれど、中でもやっぱり私は’’おもしれー女’’に憧れる。「あなたは面白い人だね!」こう言われると、私はその人のことがめちゃめちゃに大好きになってしまう。「面白い」という言葉には、私の内面を全肯定してくれるような強い魔力があるのだ。

私のおもしれーところを見つけてよ

 今日は初めてのゼミ活動があった。今学期も前年度同様、非対面授業が主なので、zoomでの授業となってしまったけれど、それでも私はこの授業を心待ちにしていた。担当の先生も、専攻する内容も、同期のみんなも、何ひとつ申し分ないほど私好み。そこそこの倍率を勝ち抜いた選抜。私…このゼミの人たちと仲良くなりたい…!!と意気込んだ私は、オンライン授業にもかかわらずしっかりメイクを顔面に施し、万全の体制で臨んだ。

1時間ほどの先生によるオリエンテーションが終わり、最後に自己紹介の時間が設けられた。新ゼミ生の同期たちが、名前と出身、加えて趣味や特技などを言って、先生がそれに対してちょっとした茶々を入れて話を広げる。みんなの趣味は大体ゲーム、漫画、アニメ、映画、とそんなところ。人とあまり被らせたくなかった私は「特技…というほどでもないですが、最近焼き肉屋でアルバイトを始めたのでお肉の種類には詳しいです^^」と、当たり障りのない自己紹介をした。が、これがあんまりよろしくなかった。

こんな中身のない話をしてしまったがために、先生は話を広げる気が起きなかったのか、私の自己紹介の時間は他の3割ほどで終了してしまった…。他の同期が好きな映画の話で先生と楽しそうに話しているのが羨ましくてしょうがなくて、私はただその様子をじっと見ていた。

 私だって…私だって面白い映画の話できるもん!!!私だって「アマプラ 名作」で検索して映画を観たりしてるんだから!!!おい!!!私にもっと興味を持って、私の中身を深掘りして、私のおもしれーところを見つけてよ!!!

おもしれー女≠変な女

「私、天然ってよく言われるの。」は、可愛げがあって良いと思う。

「私、変わってるってよく言われるの。」はい、ダウト。

 変人を自称する人ほど、揃いも揃って凡だ。唯一的であるというだけでは、おもしれーとは言えない。それだけじゃあ、せいぜい、ただのやべー奴止まりだ。

 これは自戒でもある。おもしれー人になるのは非常に難しい。大抵の人の大抵の部分がフツーなんだ。じゃなきゃこんなに沢山の人間が同じ社会を一緒に生きるなんてできない。そうやって社会で生きていくうちに、個としての自分が埋もれていく感覚に陥る。私が私として生きていくのに理由が欲しくなる。自分にしかできないこと、自分しか持ちえない感性。そうして自分しか成りえない「何者」かに成ろうとして、人は道を模索する。

おもしれー女になりたくて

 悲しいかな、私は平凡な人間で、何か秀でたところもなければ、特段おもしれーところもない。それでも私はおもしれー女になりたいし、こんな私のことをおもしれーと思ってくれる人たちをずっとずっと大事にしていきたい。

面白さって人それぞれだけれど、私は私が面白いと感じるものにたくさん出会ってたくさん吸収して、そうして私なりの面白さを形作っていきたい。ただ「変わり者」の自分であろうとするのではなく…。


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