見出し画像

スクラムにおけるスプリント期間について1週間スプリントと2週間スプリントを比較した

こんにちは。エンジニア兼スクラムマスターの@_uya116です!
今回はスクラムにおけるスプリント期間について、どちらを採用するか迷いがちな「1週間スプリント」と「2週間スプリント」を実際の経験に基づいて比較してみました。


1週間スプリントのメリット・デメリット

まずは1週間スプリントで感じたメリット・デメリットについて整理してみます。
1週間スプリントは、変更への迅速な対応やチームの改善の促進、そして見積もりの精度向上といったメリットがありますが、中長期的な取り組みの難しさ、疲れの蓄積、そしてミーティングのオーバーヘッドの増加といったデメリットも伴います。

1週間スプリントのメリット

  1. 変更への柔軟性: 1週間という短い期間でのリリースやフィードバックが可能となり、変更や新しい要求に迅速に対応することができます。

  2. チームの改善が進みやすい: 単純に振り返りの頻度が多くなるためチームの改善が進みやすいのと、振り返りで出た改善案を実行しやすくなります。(1週間だけなら心理的にも試しやすいため)

  3. 見積もりがずれにくい: 期間が短いため予測ベロシティと実際のベロシティの差分が少なくなります。スプリントプランニングで対象となるストーリー(タスク)が少なくなるのでひとつひとつの見積もりやタスク分割に集中できるからという要因もありそうです。

1週間スプリントのデメリット

  1. 中長期的な取り組みを入れづらい: 障害対応や直近のマイルストーンに関連するストーリーに追われて中長期的にやるべきことや運用改善系のタスクをスプリントに入れずらくなります。それを軽減するためにはあらかじめ中長期的なロードマップを計画してバックログに落としこんでおく必要があります。

  2. 疲れる: 1週間スプリントは常に追われている感覚があり疲れます。何週間かに一度休憩スプリントを挟むのがよいかもと思ったりしています。

  3. オーバーヘッドの増加: スプリントの開始や終了のミーティングが頻繁に行われるため、オーバーヘッドが増加する可能性があります。

2週間スプリントのメリット・デメリット

次に2週間スプリントで感じたメリット・デメリットについて整理してみます。
2週間スプリントは、中長期的な取り組みの容易さ、計画の安定性、そして深いフィードバックの受け取りといったメリットがありますが、急な変更への対応の難しさ、スプリント序盤のモチベーションの低下、そして見積もりの課題といったデメリットも存在します。

2週間スプリントのメリット

  1. 中長期的な取り組みが入れやすい: 1週間スプリントのデメリットの裏返しですが長い期間があるため、最優先ストーリー以外にも中長期的な取り組みや運用系のタスク、技術的な課題やリファクタリングに取り組む時間などが確保しやすいです。

  2. 計画の安定性: 2週間の期間があるため、タスクの計画や調整に余裕が生まれます。心にもある程度の余裕があります。

  3. フィードバックの深度: 1回のスプリントでまとまった成果を出しやすいためスプリントレビューでのフィードバックが詳細になる傾向があります。

2週間スプリントのデメリット

  1. 変更への対応: 2週間は比較的長い期間なので、急な変更や要求に対応することが難しくなることがあります。また急な要求に対しては2週間後にやりますと言っても受け入れてもらえない場合があり、当初のスプリント計画が破綻する可能性もあります。

  2. 序盤がだれがち: 2週間スプリントの特に1週目はスプリントの終わりが遠く、だれてしまいがちです。バーンダウンチャートなどを使用して日々の進み具合を可視化するのをおすすめします。

  3. 見積もりが難しい: 2週間同じスピードで開発するのが難しいという理由と、単純に期間が長いため多くのタスクを見積もる必要があるという理由から予測ベロシティと実際のベロシティの差分が大きくなります。スプリントの途中で状況を見ながら調整するのをおすすめします。

まとめ

以上のように1週間スプリントも2週間スプリントもメリット・デメリットがあります。個人的には、まず安定感のある2週間スプリントでスクラムをはじめて、慣れてきたらよりスクラムの効力を感じることのできる1週間スプリントに切り替えるのが良いと思います!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?