雑音と決めるか
雑音は日常に溢れている
雑音なのかは人によるが、それが感じない海はすごい
高波がこちらに向かってくる
私の足元には届かず、波打ち際に抱き締められた
それまでの勢い虚しく、皆最後は無なのかと
陸に近づくにつれて途端に波が生まれる
速度を増し、砂浜に消える
大病を患ったことを認識した私はこの景色を思い出すだろう
見えないだけで魚はいるのか、ここから漁船は見当たらないので安心してほしい
砂浜を歩く祖母と孫の会話を生む漂流物
歩道に捨てられた空カンを想うと滑稽である
生命の起源は海だからなのか、やけに心地良い
引き出しの記憶にあるかどうかではない
母親の体内に1年も滞在した経験から、水には慣れている
初めて来た海はどこか戻ってきた気がする
確実に何かが繋がる居場所である
見渡すとはしゃぎながら群れをつくる人が多い
自分はここで会話を求めない
目に映る微量な変化に気付きたくなる空間はそう味わえないから
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