見出し画像

考えない日記:2022.10.19 数日のメモ

 日付の変わった夜更けにこれを書く。外はまだちろりんりんと小雨が降っている。とはいうものの、実際にはイヤフォンをして音楽を聴いているので本当に雨がまだ降っているのか分からない。ここから見える台所には斑点の浮き出たバナナが器をはみ出している。部屋の机にはまだ片付けていない冷房のリモコンが居残り学生のようにじっとしている。背もたれにシャツのかかった椅子がある。ついている電灯と消されている電灯がある。背後には据え置き型の暖房が出番を待っている。

 数日前、友人が電話をくれた。短くて他愛のない通話。馴染みのある声。受話器越しに感じる距離ほどには離れていないそれぞれの家。

 地元で三年ぶりに行われた花火。三十分で五千発だそうだ。四十五分だったかもしれない。他のお祭りなどと合わせて人が溢れ、どこも盛況だったと思う。風向きが違うのだろう、我が家まで花火の音は届かなかった。昼間は昼間で、ベースと呼ばれるアメリカ軍の横須賀基地が一般に開放される”開放デー”だった。何万人も行列して入場したと聞いた。昔からこの開放デーは横須賀にあり、その日は街を歩く人がピザの箱を持って歩いているのですぐに分かる。一日で数百万円売るという噂だった。本当かどうかは知らないけれど、昔アルバイトしていた宅配のピザ屋さんが雨の週末に五十万とか売り上げたように記憶しているからあながち間違ってはいないのかもしれない。それと逗子の花火大会だか映画祭だかで綿飴が数十万円売れるという噂も耳にする。もちろん本当のことは知らない。

 昔は大雨が降るなどと聞くと、カッパを着込んで防水のカメラを持ち外へ繰り出した。何かとてつもないものが見れるのではないかという思いがして出かけずにはいられないのだった。びしょびしょになりながら普段とは違う顔を見せる街を歩いた。風で表示板やポールの類が揺れていた。階段を勢いよく下る水たち。

 感傷的な文を書きたくなってきたからやめにする。イヤフォンからチルなんちゃらとかいって叙情的な音楽が流れてくるために。では、また。

 そうだ、来週の土曜日(2022/10/29)、休憩室の船越出張所、開けます。場所と時間はいつも通り。14時〜17時です。初見の方は地図などひとつ前の記事にございますのでチェックしてみて下さい。(*日付間違っていたので修正しました。)

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?