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恋の終わりと改元


男もすなる日記といふものを、女もしてみむとて、するなり。

と、日記を書き始めた紀貫之のセンスよ。
女性になりすましてまで日記を書いてみたかったんだろう。その好奇心と、まるで映画のキャッチコピーみたいなそのうたい文句、カッコ良すぎる。
これこそ、元祖「はじめに」だと思う。
高校古典で習った土佐日記、10年経つ今でもこの冒頭だけはしっかりと覚えていた。


時は経ち、令和ももう5年目。
今風に日記を始めるなら、「Feat.紀貫之」で令和5年を記すなら、

多くの人がやっているnoteというものを
こっそり私もやってみようかなと思って、
アカウント、開設してみた!

かなぁ。


それはさておき、私の中ではもう令和は終わってしまった。
はい、終わりました。勝手に改元です。
新しい元号の名前はどうでも良くて、ただ、私の中で何かが終わって何かが始まった。そんな新年度を過ごしている。

何が終わったかって、原因のひとつは明確です。
恋が終わった。彼氏とお別れをした。
最後まで優しい人だった。
でも、ここまでのご縁だったんだよな、と思う。

勘違いしないでほしいのだけど、私は、彼氏が変わるたびに元号が変わるような波瀾万丈な女ではない。
恋の終わりに元号をかけるのにはちゃんと理由がある。

大学4年にあがる頃、平成があと1ヶ月で終わる…と言う時期に、3年一緒にいた人とお別れをした。
1ヶ月はしくしくと過ごしたけど、令和になった途端に気持ちがスッキリ!世界が輝いて見える!と毎日が楽しくなった事を、今でも鮮明に覚えている。
ちょうどその時期から関係が始まったのが、今回の彼氏だった。(正しくは元カレですね)
恋の終わりと始まりが改元の時期とぴったり重なり、私の中では人生がぐるんと好転した頃だった。
だから彼氏と別れた時にまた、(新しい時代だ…)と心のどこかで考えた。


平成の失恋と令和の失恋は、少しずつ似ていて少し違う。

平成の失恋は1ヶ月めいっぱい喪に服した。ずっと悲しかった。喪失感がデカかった。
長い夜をやり過ごせなくてクリープハイプのex.ダーリンを聴きまくり、バイトまで自転車を漕ぎながら「ひとりか」と心細くなった。
カッコつけてタバコを吸ってみようとした。結局買わなかったけど。
口元の寂しさを埋めるコーヒーやタバコのような嗜好品は、どこか心に寂しさを抱える人が擬似的にハマっていくのだな、と悟った。

令和の失恋は、別れた翌日から元気いっぱいだった。
翌日には幼馴染に電話をかけて報告し、その翌日には新しく気になる人と長電話が出来たから。
年度が変わり職場の雰囲気も一新して、新しい風が吹き始めたから。
喪に服したくてもそんな暇がないくらい、忙しさと楽しさで満たされている。そんな日々を送っている。
ちなみに、クリープハイプのex.ダーリンはギターで弾けるまでになった。

一つだけ変わらないのは、またタバコに興味が湧いてきたこと。
夜に毎晩していた電話の時間、その頃になると(…あ、もう電話鳴らないんだった)と気づくから、ぽっかり空いた時間に外でタバコでも吸っちゃおうかな、黄昏れちゃおうかな、なんて。
買うならコレ、という銘柄も、実は決めている。
その話はまた今度。



人生にそう多くない失恋、せっかくの機会だし、何か始めてみようかな!と勢いでこのnoteにたどり着いた。
私のノンフィクション、ずっと覚えていたいことが山ほどある。
忘れたくない景色がたくさんある。
愛より恋をしていたい、といつからか考えていた自分の事も、せっかくだからここに残せたら。
そう思って始めました。










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