とある受験生の日記 2021/7/23

こんばんは、大越です。本日の日記を書いていきます。

東京オリンピックの開会式が盛り上げっていますね。向こうのリビングから、オーケストラと英語のアナウンスが聞こえてきます。

いざ始まってみると、何だかんだ感動してしまいますね。元々僕が他から影響を受けやすい人間だっていうのもあると思うんですが、パフォーマンスとしての開会式はとても好きです。始まる寸前のところまでいざこざがありましたが、完成された「作品」は作り手たちの元を離れて、色々なしがらみを取っ払ってしまうような、そんな純粋なパワーがあるように感じられます。

僕が書いている日記にも、そんなパワーはあるのでしょうか。

明日は模試なのです。

まじで憂鬱です。

少なくとも、パワーはありません。今の僕には。非常に残念です。

明日の模試は、いわゆるオープン模試というやつです。特定の大学の型式に合わせた問題を解く、「予行練習」的な立ち位置の模試です。

それが、僕が受けるのは中々難易度の高い大学のものでして。正直、自信なんてさらさらないです。明日集まるのは、きっと僕より一回りも二回りも頭のいい人たちです。喋ったこともないような人たちです。

怖い。チョー怖い。もう泣きそうな勢いでございますが、持ち前のガッツで何とか息をしています。オリンピックに引けを取らない壮絶な戦いが、ここにあります。

日記を書いていなかった一か月の間、僕はずっと悩んできました。志望校のことです。

「高3の夏に悩むなや!」と、思わず自分でも呆れてしまいます。ただ、今までの人生で一番、「進路」を真剣に考えた一か月でした。

今、僕の進路には大きく二つの選択肢があります。片方は、レベルの高い大学を目指すこと。もう片方は、少しレベルが劣るけども、自分がやりたい分野の勉強ができそうな大学へ進むこと。

ずっと悩んできたので、今となっては、自分でもよく分からなくなってきています。

一つ、分かったことがあります。

「好き」という思いは、確かなものではないということです。

18の若造ですが、疲れる事の多いこの日々を送ってきて、やっぱり自分が「楽しい」と思えることを将来はやりたいと思うようになりました。

出来るなら、ワクワクしながら、笑って生きていきたいです。

そういう道に進みたいと思っています。

ですが、今の僕は「楽しいほうへ進む」と「楽な方へ進む」を混同しているような気がします。

自分は逃げようとしているだけじゃないのか。そんな尋問じみた自問自答をしています。最近。

そうなると、それまで「楽しい」「好き」と思っていたものが、いとも簡単に崩れ去ってしまいます。

先週、本屋さんに行きました。例のレベルの高い大学の過去問集を買いに行ったのです。そのついでに、自分が将来やりたいと思っている分野に関連する本もチェックしました。

自分の実力をはるかに超えた大学の赤い表紙の過去問集を持ちながら、「自分が本当にやりたいことって……」と、全く関係のない本を探している自分。

あの時、僕は純粋に「本」を探していたのでしょうか。それとも、レベルの高い大学を目指さなくて済む「言い訳」を探していたのでしょうか。

自分の中の二面性が、「過去問」と「本」という皮を被り、生々しく僕の目に入ってきました。気持ち悪かったです。

こんな具合だから、明日の模試もどんな気持ちで受ければいいのか分かりません。高い料金を親に払ってもらっているので、精一杯受けようとは思うのですが、きつくなった時に「もういいや。俺、どうせもっと下の大学行ってやりたいことやるし」という卑怯な自分が出てくるのではないか。

なんだかなー。場違いな気がしますね。僕は。

長くなりました。明日に備え、もう寝ます。

ちなみに、先ほど述べた本屋では、結局過去問集だけを買いました。別の本も買いたかったのですが、どうも自分自身がよく分からなくなってしまいまして。散々本屋を歩き回った挙句、あるアニメの雑誌が目に入り、表紙に描かれた女の子を見て、「良いなあ!」という感想を抱きました。

あれは確かな感情でした。あの瞬間だけ、僕の輪郭はハッキリしていました。

男子って本当に馬鹿ですねー