とある受験生の日記 2021/1/6

こんばんは。冬休み明け実力テストを翌日に控えた、とある受験生の大越(おおごえ)です。

昨日始めたこの日記ではあるが、さっそく気づいたことがある。昨日は「先の見えない恐怖」だの「ネガティブエネルギー」だのと随分人生を悲観しているような言葉を連ねて終わってしまった。そのせいで本来は「辛い日々に耐えるため」に始めたはずの日記が「自分のネガティブに拍車をかけるもの」へと劇的大変身を遂げてしまい、そのせいで昨晩はなかなか眠りにつけなかった。

しかも、そのネガティブは今日の朝にまで引きずった。これには大変驚いた。人間、一晩寝てしまえば脳味噌が綺麗にリセットされて、新鮮な気分で一日をスタートできるのがデフォルトだと思っていたが、ネガティブに関しては違うようだ。新たな発見である。

この発見を生かし、この日記にはなるべくその日にあった良いことも書いていこうと思う。淀んだ気分を翌日まで引きずるのは御免だ。完ぺきな自己防衛である。

今日見た夢

情けない夢だった。夢の中で目が覚めると、窓の外がやけに明るい。時計の針は十二時半を指している。

「完全に寝過ごしたーー!」

今日は明日の実力テストに向けて最後のひと踏ん張りをしなくてはいけないのに、まさかの正午過ぎまで寝るという体たらく。私は完全に打ちひしがれて、全身が一気に重くなる。私はベットから起き上がると同時に

「助けて! 助けて!」

と叫んだ。なんというホラーな展開だ。がしかし、夢の中のため声が出ない。私は息だけ吐いている状態になった。それでも「助けて!」と繰り返して自室を出ると、玄関から祖母が入ってきた。畑仕事から帰ってきたのだろう、手には水色のバケツと鎌を持っていた。

祖母は私を心配してくれ、話を聞いてくれた。

「勉強に疲れた。将来が不安なんだ」

普段決して祖母には言わないようなことを、夢の中で初めて言った。祖母は私の話をちゃんと聞いてくれ、やがて

「それなら違うことをやればいいべ」

と答えてくれた。そうはいかないんだよ、ばあちゃん。と私は思ったが、祖母の話はどんどんヒートアップしていく。ついには手にiPadを持ち、パワーポイントを用いて説明をし始めた。

「ばあちゃんいつからそんなの使うようになったの?!」

そこで目が覚めた。時計を見ると、8:15。良かった、寝過ごしてはいない。だが、また現実のスタートだ。

勉強の記録

午前中は現代文のワークを解いた。昨日よりも比較的集中でき、3つの長文読解を三時間ほどで解くことが出来た。途中、18歳の高校生が新人賞を受賞した小説を読解させられて、何ともやるせない気分になった。同年代なのに、私は何をやっているのか。こういう微かな傷口から、ネガティブモンスターはやって来る。

午後はあまり集中できなかった。難しい数学の問題に多くの時間を費やしてしまい、「明日のテストに間に合うのか」と少しのパニック状態になってしまった。動悸が激しくなり、頭に血が上っていく感覚になる。トイレに行って吐こうとしたが、何も出なかった。出ない事には良い。ナイスファイト。

もしかしたら、と思って、youtubeでうつ病に関する動画を見た。だからといって何かするわけでもなく、ただ動画を流しただけだった。症状を治したいというよりは、誰かの声を聴いていたかった感じだ。

夜は英語の文法問題の確認をした。冬休み中に一冊丸ごと問題を解き、今日は間違えた問題を解きなおした。この時は結構平静を保っていて、

「なんだかんだ言ってちゃんと勉強してんじゃんアタシ!」

と良い流れが生まれていた。こうなると結構集中できるものだ。しかし程なくして、

「いやお前数学の問題あまり解けなかったじゃん!」

とネガティブな囁きが脳内に響き始めた。「うるせぇ!」私は必死の抵抗を見せ、問題を解いた。よく頑張った。

風呂にて

如何せん将来の不安は大きい。こんな調子で、自分はどうなってしまうのか。テストの対策もロクに出来ていない気がするのに、受験などに太刀打ちできるのだろうか。そんな事を考えて、風呂に浸かりながらついつい涙をこぼしてしまった。鼻水も湯船に投下した。この残り湯で一家の洗濯物を洗うのだと思うと、申し訳ない気分になった。私は自分の鼻水だから別に気にしないけれど。

結局、今日はあまり勉強に集中できなかった。がしかし、逃げなかった。体が重く、何もしたくない瞬間はあったけれど、懸命に向き合った。向き合う事こそが大事なのだ。そして私は、テスト対策をしていないわけではない。解けない問題は多いが、解けるようになった問題も多い。物理に関していえば、冬休み前よりも明らかに自信がついている。今年はガキ使を見ずに英文を見て年を越したのだ。だからきっと大丈夫なはずだ。

明日の自分に健闘を祈る。頑張って~