これ以上のフィクションはもうドラゴン出すしかない そんなリアルを駆け抜けるシルクさんを囲みました ──前編
変化をしながら「なるほどこうなるのか」とゆっくり把握していった一年
──シルクさん、今日はありがとうございます。ユニット統括とバディチームでシルクさんを囲んで、2021年の振り返りと2022年に向けたお話しを伺おうという趣旨なんですが、まず前半は、主に各バディが思う2021トピックを聞きながら進行しようと思います
(バディ Y)
2021年、ディス・イズ・フィッシャーズでした。
(シルク)
ははははは。
(バディ Y)
YTO(YouTube Originals)第二回目や、Abemaの無人島特番、大型広告起用もありましたし、ちょっと違うステージになったというか。
(シルク)
確かに。
(バディ Y)
YouTuberの枠組みを越えてより広く認知されて、新しい取り組みをしていく段階に入った年だったなあと思ってます。
(シルク)
全体的に規模感拡大したみたいな年でしたよね。
(笠原)
シルクさん、新しいことをやっていく中で、ファンの皆さんの反応にも変化はあるんですか?
(シルク)
今年特に多かったかもしれないですね。あえて変化をつけた年だったんで。
規模感拡大したこともそうですし、メンバーひとりひとりの強化もですが、いままでやれてなかったところに結構注力したので。
変化をしながら「なるほどこうなるのか」とゆっくり把握していった一年だったかもしれないですね。
──その変化は、たぶん多くの視聴者さんも気づいているレベルで、表れていたと私も見ているんですが
(シルク)
それはあると思いますね。視聴者さんから「あ、これ誰が編集したんだろう」とか「これ誰が企画したんだろう」みたいなコメントがけっこうあったので、メンバーが企画や編集していることが、ちゃんと視聴者さんに届いてるんだなと。
──規模拡大というと、アスレチックの件もですね
(金子)
六甲山(GREENIA)の取り組みですね。フィッシャーズはこれまでたくさんのイベントやライブを開催してきましたが、GREENIAは特に「フィッシャーズとは」を象徴するような取り組みになったと思ってるんですよね。
アスレチックを一緒に遊んでいるような体験を世の中に提供したっていうのはすごく新しい取り組みだし、すごくいいトライだった気がしますね。
(シルク)
「フィッシャーズの影響で子どもが外で遊ぶようになった」と、今年いろんなところで言われました。嬉しいことですね。
(笠原)
アスレチック業界の方々とお話しする機会があるんですが、業界の中ではフィッシャーズはとんでもないことになってるみたいですね。「子どもを外で遊ぶようにさせた人たち」だと。
(シルク)
めちゃめちゃ嬉しいですね、それは。
──アスレチックエバンジェリストですよ
(シルク)
ははははは。そうですね。
──しかもネットでの活動と両立して外にも引き出すという
(シルク)
子どもが外で遊ぶようにできたらいいなと思うところはあったので、それができたのはうれしいです。
あーもうこれ以上の嘘ってドラゴン出すとかしかない
──さて、ここからは各バディの印象に残っていることを聞きながら進めましょう
(バディ K)
僕は、書籍ですね、「ドモラ」(全力少年ドモラ)のことです。
(シルク)
あードモラね、うんうん、そうですね。
(バディ K)
まず、本を出すことがすごいことなのは大前提で、本に取り組む中で、シルクさんが昔のことを語る場面がけっこう増えたという印象で。その変化が印象的でした。
(シルク)
今まで築きあげてきたものがあると思うんですけど、この本のために昔のことをいろいろ思い出して初心にかえったことで、モチベーションが二段階くらい上がったんですよね。「ああ、もうちょっとやんねーとなー!」と燃えたんです。あの本は、僕の中でも結構大きい今年のトピックになったかもしれないです。
──自分自身のモチベーションが二段階上がるって、ほんとシルクさんらしいですね
(シルク)
もう、財布の中500円しかなかったんですよあのとき。
(金子)
いままで、ほんとに後ろを振り返らずに来たんですよね。
(笠原)
何かを振り返りたいと思って出した本だったんですか?それとも、本を作る中で振り返ってみようだったんですか。
(シルク)
書籍のお声がけをいただいて、「振り返ったらオモロイ話いっぱいできそう」と。じゃあ掘れるとこまで掘ってみようということでした。
(笠原)
2-3年前のシルクさんだったら「まだ振り返るのは早い」って言いそうな気がしました。
(シルク)
ほんと、最近までそう言ってました。
(笠原)
今回はなぜOKだったんですか?
(シルク)
「お前の本あったらちょっと読んでみたい」みたいなことを言ってもらう機会が増えたんですよね。そんなに言われるならやってみてもいいかな?と。でも本心は、まだ早いかなとも思ってました。
(バディ Y)
シルクさんの「全部嘘の自叙伝にしたいんですよね」から始まったんですよね。
(シルク)
ああ!言ってました。
(バディ Y)
全部フィクションの「そんなことあるわけねーだろ」の小説にしようと。そこにリアルも織り交ぜつつみたいな話をしていて。
(シルク)
全部嘘、フィクションでいこうと思ったんですけど、そもそもの事実の話が嘘みたいだったんですよ。あーもうこれ以上の嘘っていったらドラゴン出すとかしかなくなっちゃうなってなって(笑)それで全部フィクションはやめました。
(バディ K)
それで、事実をベースにして、要所要所でフィクションも入れようみたいな話にもなったんですけど、事実を洗い出したら、結局とんでもないエピソードだらけだったんですよ。
(シルク)
それ嘘やん!みたいな事実ばっかり。
(笠原)
今日のメンバーだと年齢的にわかる人少ないかもだけど「たけしくん、ハイ! 」みたいな世界でしょう?
(シルク)
ははは、わかっちゃった(笑)
(バディ K)
たけしくんって…?
(笠原)
ビートたけしさん。幼少期の家族や友だちの話。
(編集補足:1980年代に出版されたビートたけしさんの短編エッセイで、テレビドラマ化もされました)
──確かに嘘みたいなほんとうの話ですよね、そういう次元でいろんな嘘みたいなことが起きたということですね
(シルク)
あ、たけしさんも東京下町、足立区でしたよね。なんかちょっと親近感。
ドッキリにおけるバディ心得のお話
(バディ Y)
たぶん、Oくんは、日常動画のことになりそうかな?今年新卒で入社してジョインしたばかりですからね。
(バディ O)
特に夏に動いていた企画のことですね。サメの企画とか、ドローン鬼ごっことか、ローションランウェイとか、お金もかけて規模も大きくて!というのがまず印象深いです。
(シルク)
どこまでできるのかみたいなチャレンジでしたね。
(バディ Y)
だからO君が入社前までに思ってたYouTuberの動画とは違ったんじゃない?
(バディ O)
そうですね。規模感すごいなと。
(金子)
しかもこんなお金かかってるんだと。
(バディ Y)
それはびっくりしちゃうよね、予算感が伝わると。
(バディ O)
本当にいろんな場所に自分も同行していけるので、ありがたい経験をしていると思います。
(シルク)
Oさん、同行一発目って浅草でしたっけ?金魚すくいの。
(バディ O)
はい、そのときシルクさんと初めてちゃんと話させていただきました。
(笠原)
他のバディは芸能事務所やイベントチームでの経験豊富なメンバーですが、いきなり新卒で入ってきたのはシルクさんにとってどうでした?不安はなかったですか?
(シルク)
不安はなくて、俺の中では「いやーOさんおっもしれーな」ですね。
その浅草の撮影のときは、俺とマサイとンダホがいたんですよ。で、Oさんが「日常動画まわりのお話いいですか?」と聞くので「あ、お願いします」と。
そしたら、マサイがいる横で「マサイさんへのドッキリの件ですけど」って(笑)
(一同)
笑笑
(シルク)
あーOさんOさん、それは後にしましょうって(笑)
それで、「Oさん、僕と話すときは、まずパソコンにその内容を出して画面見せてください」って話したんですね。
で少し後に、またメンバーにドッキリしかける話が動いてるとき、「シルクさん、日常動画周りのお話しを」って言いながら、みんなの前でこうやってがばっとノートパソコン全開で見せてきて(笑)
(一同)
笑
(シルク)
そういう、ちょっと天然なところがおもろいです。
(笠原)
良かったねえ、おもしろいって言ってもらえて。
(バディ O)
あとで悩みました(笑)
──さて、O君、他にもあります?
(バディ O)
日常動画以外のことですと「このマンガがすごい!2022」(宝島社)が印象深いですね。
(シルク)
ああ、確かに。
(バディ O)
「好きなことが趣味になる」ってすごいと思いました。
(シルク)
そうですね。趣味が仕事になって。あ、今のもおもしろいですよね(笑)
(バディ O)
あ、「好きなことが仕事になる」ですね。めっちゃ緊張してます…
(シルク)
ね、Oさんめっちゃおもろいんです。
(笠原)
いいこと言わななあかんと思ってるから緊張するんだね(笑)
──そのO君の緊張に、意気込みを感じますね
(シルク)
嬉しいですね。
(バディ Y)
あと、初の年下バディですしね。
(シルク)
そうですね。ただ、年上か年下かはあまり考えなくて、まず僕は、タックルするって決めていて、Oさんはしやすかったです。たぶん2日目くらいにタックルしてます。年下だからか反応が一番早かったですね。反射神経が。
(バディ O)
ありがとうございます(笑)
いちばん怪人っぽかったですよね
──つぎはMさん、どうですか?
(バディ M)
個人的に好きなのは酸素カプセルの動画なんですよね。
(シルク)
あーそうか、あれ今年かー。
(バディ M)
あれはめちゃくちゃ、僕も嬉しくて、シルクさんも泣いてらっしゃって。
(シルク)
めちゃめちゃ泣きましたね。
(バディ M)
シルクさん、泣くんだ、と思って。
(シルク)
いや、僕、泣くっすよ(笑)結構涙もろい方なんで。
(バディ M)
そして、取り組みとして印象深いのは、夏の「世にも奇妙な物語」ですね。それまではテレビ局とがっつり一緒にやったことってなかったと思うので。
──意外とそうでしたっけ?
(シルク)
そうですね。
(バディ M)
そうですね。だからけっこう新しい形が見えたと思った企画でした。
──すごい話以外にも、持ってますよね、Mさんは
(バディ Y)
プリキュアですよね?
(シルク)
初の演技だったじゃないですか。あれは助演男優賞ですよ、どう考えても。
(バディ M)
あれは印象に残ったというか、僕自身がめちゃくちゃ緊張して…
(シルク)
演技指導で「あ、そういうんじゃない」って怒られてるのめっちゃ面白かったです(笑)
──「そういうんじゃない」笑笑
(シルク)
前日に頭の中でリハしてくれたらしくて、その成果を発揮したら「ちょっとそういうのじゃない」って(笑)かわいそう!
(バディ M)
チョイ役だと思ってたんですよ、それが前日に台本見たらちゃんとセリフがあって、ちゃんとやらないとまずいなと。しかもドッキリで一発勝負だし、迷惑かかっちゃうじゃないですか。
(バディ Y)
それは確かに失敗できない。
(バディ M)
なので、前日の夜はめちゃくちゃ台本読んで、声出しもして。当日は2-3時間くらい前に入って、監督さんとキャストの方と一緒に何回もリハして、監督が「これでいいかなーじゃあ本番お願いします」って言ったんですけど、「いやもう一回やらせてくれ」って。
(シルク)
うんアグレッシブでしたね(笑)。面白かったです。横になってて。(編集補足:横になっての意味は…動画をぜひ)
みんなプリキュアが出てきたときより、Mさんの演技に一番爆笑してましたから。
(バディ M)
そう言ってもらえてほんとに…
(シルク)
いちばん怪人っぽかったですよね。
(一同)
笑笑
(バディ M)
視聴者さんのコメントが気になっちゃって見たんですけど、比較的好意的なコメントが多かったので…
(シルク)
誰も嫌いにならないですよあれは。
(バディ Y)
それはまちがいない(笑)
(バディ K)
Mさん、メールの署名にあの動画のリンク入れればいいですよ。
(シルク)
確かに(笑)はっはっは!
──名刺にもQRコードとかで。
(バディ M)
それいいですねえ。
──ちゃんと許諾取ってくださいね(笑)
一年半かけたアニメを見るたびに泣きそうになるバディリーダー
──さて、リーダーYさんも教えてください
(バディ Y)
僕は、ンダホさんのアニメドッキリ。あれはねえ、それこそ一年とか一年半とかかかってますから。
(笠原)
構想一年半くらい?
(シルク)
そうですね。
(バディ Y)
シルクさんと初めてアニメ制作会社に行ったときから考えると一年半ですね、けっこう大変でした。入っている映像がほぼ、僕がバディになって以降のものというのもあって、僕にとってもフィッシャーズとの思い出を振り返るアニメになってます。
だから、僕、見るたびにマジで何度も泣きそうになるくらい、思い入れがほんとに強いんですね。
(笠原)
シルクさんは、制作にどんな形で入ったんですか?
(シルク)
ンダホから聞き出して、エピソードを伝えさせていただきました。
(バディ Y)
WANIMAさんの曲の歌詞にリンクさせようって話になって、シルクさんとずっと歌詞を見ながら、ここにはこの場面、ここにはこの動画を入れたいですっていうのを、全部決めていった感じですね。
(笠原)
それをアニメ制作会社の監督がまとめてくれたということですね。
(シルク)
はい、伝わりづらい風景のところなんかは、現地に写真撮りに行ったり、自転車のかごにスマホを取り付けて撮りながら走らせたりしてました。
(金子)
へえー!
(バディ Y)
あと、プロポーズのエピソードを、僕とシルクさんで、ンダホさんから聞き出そうと(笑)
(シルク)
車の中とかで。
(バディ Y)
そうそう、さりげなーく「どんな感じでプロポーズしたんすかね」みたいな。
(シルク)
「お前、ちゃんと指輪渡したの?おもしろそうだな」って話から「いやいやちゃんと渡したよ」って話を引き出していって。
(バディ Y)
1年かけて小出しでいろんなことを聞き出しましたね。
──だから、ンダホさん言ったが覚えがあまりなくてびっくりなわけですよね。何でそんなことまで知ってる?っていう
(シルク)
そうそう、ンダホは教えたっていう記憶がない。
(バディ Y)
一緒に舞浜行ったとかそういう話もね。
──「え、探偵つけた?」ぐらい思っちゃいますよね(笑)
(シルク)
そうですよね。ちょっと怖いですよね、あいつからすると(笑)
「共創」とフィッシャーズ
──さて、ここから少し硬めなお話しもいきましょうか
(笠原)
これまでもシルクさんと話してきていることですが、僕からあらためて。
今、UUUMが中期戦略として力を入れているのが、クリエイターさんと共創しましょうということ「共に創造する」と書いて「共創」です。
もちろんYouTubeチャンネルのサポート、企画、撮影、チャンネルを伸ばしていくことなどとはこれまで通りやっていくんですけど、もっともっとクリエイターさんの可能性を広げて、新しい価値を共に創造していこうという考えです。
(笠原)
ただ、フィッシャーズは、もうかなり前からYouTubeを飛び出した「共創」に積極的に取り組んできたクリエイターさんなんですよね。
さっきバディのみんなが振り返った話も、半分くらいはYouTubeの話なんだけど半分はYouTube以外のことだったのが面白いなと。
(シルク)
確かにそうですよね。
(笠原)
フィッシャーズが世の中でもっともっと影響力を持つお手伝いをしていくことを、まとめて「共創」と僕らは呼んでいるわけですが、これをクリエイターさんと一緒にチャレンジしていこうというのが、今のUUUMの強い考えなんですね。
──2022年、共創の取り組みについて、どう考えていらっしゃいますか
(シルク)
2021年は、YouTube活動上、企画や撮影編集などメンバーがやれていなかった部分を改めてしっかりとやるようになって、着実にレベルアップしたと思います。
2022年は、その体制を盤石にした上で、僕が共創の面でいろんなことを仕掛けていこうかなと思ってます。
自分が趣味としてやっているものも、さらにレベルアップさせて、世の中に影響を持つような共創につなげられたらいいなというのも思ってます。
(笠原)
2021年、シルクさん、チームとしてのYouTube周りの体制強化にかなり力入れてたじゃないですか。
(シルク)
はい、めちゃくちゃやってましたね。
(笠原)
それは自分の時間を新しいことに使いたいという、次の目標があったということですか?
(シルク)
僕自身はYouTubeにギアかけようと思ったらできるんですよね。自分がギアかけ続けるのは、まあそれもありなんですけど、もっと他のこともやってみたら面白いかな?と思うところがあって。それで、僕以外のメンバーに編集や企画をやってもらったら、ちょっと変わるのかな?と2021年は意識してやってみました。
自分でやってしまいすぎていたので、それを任せるようにするにはめちゃくちゃ悩みましたね。
(笠原)
体制としての土台作りをすごく意識してましたもんね。
(シルク)
土台を固くしなければと思って。今はまだ体力的に大丈夫ですけど、ここから数年とかして、もし僕が怪我や病気でもしたら、ほんとにチャンネルが動かなくなるというのも思ったので、それも意識してやってますね。
(笠原)
2021年、挑戦と土台作りを両方やってた印象が強いんですけど、シルクさんの中でいちばん面白かったことってなんですか?
(シルク)
うわっなんだろう。いちばん面白かったこと…めっちゃ難しいな… いやーでも2021年というと、六甲山じゃないですかね。面白かったですね、設計図を自分で見たりとか。
アスレチック動画を撮り始めた頃から「いずれそういうものを作りたい」というのはずっとメンバーにも言ってました。子どもに運動を教えるのも好きだったので、自分で作った場所で、来てくれた人に教えたりしたかったですし。
来てくれた人たちの難易度に合わせたり、そういう工夫とか工程もめちゃくちゃ楽しかったです。
── と、お話はまだまだ続きますが、前編はここまでです。後編ではシルクさんに、2022年の展望、野望のことや「共創」についてもじっくりお話し聞きました。1月7日(金)公開です。お楽しみに!
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