本屋大賞を読む【日記4/14 】
思うように進まない就職活動から目を背け、Instagramのストーリーを流し見していた。リモートワークに勤しむ先輩たちやzoomでオンライン飲み会を楽しむ同期たちが投稿している。各々が非常事態との向き合い方に工夫をしているようだった。
そんな中に紛れて、凪良ゆうの『流浪の月』の書評がUPされていた。数日前、駅前の書店で見かけて気になっていた本だった。Instagramにどんな感想が投稿されていたのかは特別見なかったが、これも何かの縁だと思って読んでみることにした。
凪良ゆうという人はもともとBL作家で数多くの作品を書いている。男性同士の愛を緻密で繊細に描くものだからどこぞの編集者の目に留まり、違うジャンルでも面白い物語を紡げる実力があると思われたらしい。実際、本屋大賞を受賞するのだから編集者の先見性は凄いのだろう。
まだ読み始めたばかりだが、今のところ明るく楽しい物語からは遠い場所で主人公は懊悩している印象だ。村田沙耶香の『コンビニ人間』と方向性が似ているような気がする。もっともランドセルを背負っている小学生の話なので、30代女性が抱える悲壮感みたいなものはまだない。少しずつ少しずつ物事が主人公の願いと反対方向に転がっていく。原因はすぐには明かれないので、なぜそうなったのかと問いかけたくなる。
しばらくこの本と向き合ってみようと思う。
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