見出し画像

詩:0037 夜海

ひとが疎な夜 観覧車が時を鳴らす
見下ろす海を 高層ビルを
よそゆきの服に 忍ばせた
今季最高の チョコレート

甘えたいとか 言ってられる
歳じゃないんだ 余裕だけは
あり余ってる あきらめた数だけ
自由になれる 人員整理

黒い海に映る LEDの反射光
車がはしる 光の行進から
駅へ向かう 若者の別れ惜しみに
ほほえんだ 可愛いらしいね もう…

耳澄ます夜を 誰もいない歩道
コンビニのカフェオレ さっさと帰ろう
焦茶に染め直して すぐ抜ける髪
自由になれる 闇を突きぬけ

夜海の潮風 閉じこめておこう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?