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:0113 対人間 の詩人でございます

凪組Anthology2024の最初の20名だけ拝読しました。
「この技法はわたしの詩でも使えるなぁ」と何度も自分の詩が掲載されているP.184-185と見返しました。

あれ、景色がちがう

描写の細かさとはまたちがう

ぼーと空を見上げるとか
海を眺めるとか
動物と触れあうとか
わたしは自然をあまり詩にしていなかった

『新幹線は知らない居酒屋の炭火焼きとり』という詩集を同人発行したことがある
その中にわたしにしては珍しく自然の詩がある

なのはな畑

スーパーのしんなり
きいろい花

市民の森の谷間
なのはな畑から

なたねづゆが
空にまだ還らない坂道を
のぼって
くだってみる

根っこの階段のうえで
足を止める
こかげは舞台袖
あかるい空気がある

おはようございます
なのはな畑を眺める
調律のとれたケルベロス
「きーお!」とわかる赤子

いま
わたしの腹のなかで咲く

『新幹線は知らない居酒屋の炭火焼きとり』のP.18-19より


この詩集に収録されている詩では『花見』『ひなたベッド』も対自然の詩だしかし、この詩集では3/24しかない
いやあこんなにも麗しい自然の詩は多いのかと驚いた

わたしは対人間 の詩人です

「若いひとは経験が乏しいのね」と上の世代からは言われるだろう。それでも、身長ぐらい雑草が生える堀を8人ぐらいのチームで協力して冒険したり、無人島の海で泳いだこともある。祖父母の畑で収穫の手伝いをしたこともある。全く自然と触れあった経験がない人間ではない。

わたしは自然よりも、人間関係の詩を書く詩人だったのだ。この社会に焦りがある。

わたしが凪組Anthology2024に寄稿した2つの詩のテーマは
「子どもたちの競争社会」だ。競争社会の末に障害を負う子どもたちは、現実にあった話を元にしている。これまで、「いじめ」をテーマにして書いた詩もある。

現在制作している詩集『作品は命より重い! 美高美大の異常に平常な日常』は「競争社会」「命懸けの努力」の詩ばかりだ。そもそも作品は命より重い!なんてタイトルが人権侵害にも聞こえるだろう。これはそんなことまでして作品制作をしてほしくない祈りがあるからつけたタイトルだ。社会派とでも名乗った方がいいだろうか。

新世代

わたしはバブルなんて知らない1999年生まれ。同期は2chと嵐とノストラダムスの大予言。地球の気温は毎年前例がない暑さ。インターネットにある悪意やエコーチェンバーも、「はいはいそうでちゅね」とあしらう。異常が日常で、普通がどれかもわからない。上の世代の方々にとってはつまらない詩ばかり書いていきますが、挑戦してみますね。


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