本をたいせつに20

かみしばい「本をたいせつに」2(旧版)

※(注意)この紙芝居は旧版です。

では・・・(そろそろと紙を、ゆっくりとめくります)

「あ~~~〜〜〜〜!!」
(ゆっくりと、少しおどけた風に声を出し、子ども達を見る)

本を破ってしまいました!
破れた所は 自然に もとどおりになりますか?
(ここで、聞くことが重要。子ども達の発言を、ゆっくりと待つ)
(いろんな発言を聞く)
・・・なりませんね。
すると・・・

今まできれいだった本が、ここから破れた本になってしまいます。
もう、もとには戻りません。
次に読む人は破れた本を読まなくてはなりません。
(ぺらりと、続く2ページ目を広げる)

その次の人も、その次の人も、これから大きくなる子どもたちも、
永久に、です。
破れてしまった本は破れたままだし、汚れた本も汚れたままです。
二度ともとどおりにはなりません。
この本は、これからずっと、永久に、破れたままです。

自分が破ったんじゃないも~ん、妹や弟や犬がしたんだも~ん、
ということもありますよね。
でもその本を借りたのは誰ですか?
(少し、返事を待つ)

・・・そうですね。
あなたは本を「買った」のではなく「借りました」。
その本はあなたのものではありません。みんなでお金を出して買いました。
みんなのものを、少しの間だけ「借りた」だけです。
だから、あなたが 気をつけなくてはなりません。

本をちゃんとバッグに入れて、ほかの人が さわらないように
本を 守ってください。
それが、本を借りた人の「せきにん」です。

図書室にはたくさんの本があります。
あなたが本を借りることができるのは、みんなが本をきれいに返してくれたからです。

もし、一度でも誰かが本を汚したり、破ったり無くしたりしていたら、
その本は、ここにありません。
今ここにある、ということは・・・

長い間、今までこの本を借りた全員が、
ずっと、ず~っと、だいじにしてきた、ということです。
そして・・・

みなさんの次にも、子供たちが続きます。
こんどは あなたが、次の人に続ける番です。

今までは、みんなが本を持っていました。
でも・・・
(ぺらりと、続く2ページ目を広げる)

ここから先は、誰も 本を持っていません。
まだ 読んでいないからです。
みんな この本を読みたいな~と思って、順番を待っています。

まだ、あります。
今は、まだ 学校にいない子もいます。
学校にはいるけど、まだこの本を読んでいない友だちもいます。
赤ちゃんかもしれません。
でも、来年、その次の年、いつか 「ここ」(足元を指さして)にきます。
そしたら、この(ぐるりとまわりを指さして)図書室の本を読みます。
(現実と繋がっていることを認識してもらうために指さします)

もし、(絵の中の、本を持っている子と持っていない子の間を、指さして)ここで 本が破れてしまったり、なくなってしまったら~?
(子供達に聞いてみます)
(たいていの場合、読めませ〜ん、という答えが返ってきます)

そうです。
ここから先の人は読めなくなってしまいます。
読みたいのに、読むのを待っているのに、読めなくなります。

図書室の本は・・・

たくさんの人から

たくさんの人へ 
ずう~っと、ずう~っと、
続いて 読まれていく本です。

もちろん本は自然と汚れて、ボロボロになっていきます。
きれいに読んでいても、だんだん、汚れていって、読めなくなってしまいます。
それは少しさみしいことだけれど、仕方がありません。

破れて読めないページがある本は、捨てることになります。
図書室にある本も、少しずつ新しい本に変えていっています。
でも できるだけ、長い間、その本を読むことができたらいいな~と思います。

図書室の本は、今まで読んできたたくさんの人が、大切に残してくれたものです。
そして、みなさんの後に 本を読む 人達のために、
大事に残していってあげてください。
本を大切にしましょうね。

おしまい。

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以上です。

今の所、A4のコピー用紙にプリントしただけの、かんたんなものを使っています。
ちゃんとした紙芝居に作りたかったのですが、毎年試行錯誤しつつ、少しずつ変わっていくので、どこらへんで完成にしよう?という感じで。
なかなか踏ん切りがつきません(笑)

最初はもっと長かったのですが、子ども達が集中できる時間を見て、けずったり、もっと説明を足してみたり・・・。
実際に紙芝居をしてみて、気付くことがたくさんありました。
普通の文章では伝わりにくいとか、文章としては正しくても流れが悪いとか、逆に、文章としては間違いなんだけど、この方が伝わりやすいとか。
絵本と紙芝居は似ているようで、やっぱり違うんだな〜と思いました。

いつか来るだろう引き継ぎの時に、少しでもわかりやすくなればと、注などを添えたりしています。

※この紙芝居の画像をダウンロードできるようにしました。
紙芝居「本をたいせつに」(旧版)のダウンロード

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