理解できない
次男は仕事へ行き休みの日は一日中遊んだ。
そしてある日ポストに手紙が届いた。
次男宛の手紙が届くときはいつも胸がぎゅっとなる。
次男がスピード違反をしてオービスに写真を撮られたことを伝える内容だった。
60キロのところを90キロ出していたようで即免停になった。
大きな道路でスピードが出てしまうのは多少理解できるが、免許とりたての初心者が一般道路でこのスピードを出せるのが信じられなかった。
誰も怪我をさせずに済んだことだけはよかったと思った。
せっかく免許を取ったというのに次男は3ヶ月の免停になった。
いつも次男はこういうことがすぐバレる。
よく目立ちよく捕まり免許を取って1番楽しいときにそういうことになってしまう。
どうしてよく考えないんだろう。
どうして一般的なスピードオーバーよりはるかにオーバーするんだろう。
次男の感覚が私には分からない。
刺激に対して鈍感なんだろうか。
ルールに対してどんな風に感じているんだろうか。
それ以降次男に家の車は貸さなかった。
あるとき私の携帯に電話がかかってきた。
警察から次男が車を運転していたと連絡があった。
免停中は無免許の扱いになるので運転はできない。
3ヶ月の免停期間が終わったら手続きをしてまた運転できる事を次男には伝えていた。
本人も知っていたはずなのに、免停期間が終わるのを待たずに友達の車を運転していた。
信号が黄色から赤に変わるギリギリを過ぎた次男は警察に止められる。
いつだって次男はすぐに捕まる。
自損事故、スピード違反までは、まだ理解できる。
でも、免停中に運転出来てしまう感覚というのは
やはりどこか麻痺しているのかと感じた。
免許を取るのに30万
自損事故で15万
スピード違反10万
無免許運転30万
次男の代わりに一時的に立て替えたが
少年院を出て数ヶ月ですごい出費だった。
…こんな無駄なことに大金を使いすべての免許を取り消されることへの虚しい気持ちが残った。
こんな当たり前のルールさえ守れないことに対してこの先どうしたらいいんだろうと考えるしかできなかった。
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