高地啓吾、純国産ロックとしての「葛藤」と「誇り」-後編-

※以下の文章は全てフィクションです。実際の団体、個人とは一切関係ありません。

↑前編はこちらです。こちらからお読みください。

ーー次世代の日本代表として注目されていることについては何か思われることがありますか?

高地「W杯に出たくないわけじゃないんですけど、あまり“日本代表”というものにこだわりはないですね。」

ーーなるほど、それはどういった…

高地「やっぱりオリオンナイツでの活躍が第一ですよね。それなしに日本代表って看板を背負うわけにはいかない、って思ってます。」

ーー日本代表として戦う上では、ロックというポジションのライバルに海外出身の選手もライバルに上がってくると思いますが、それについてはどう思われますか?

高地「そうですねー…日本出身でロックを担当している選手の中には第三列(FL、No.8の総称)に活路を見出す人もいると思います。自分は第三列の経験は浅いので出来るか分かりませんが、代表としても、オリオンナイツとしてもチームに要求されればその仕事をこなすだけだと考えています。海外出身選手と比較することは…考えないようにしてます(笑)。自分の強みは80分間フルで戦えるスタミナとフィールディングだと考えているのでそこを活かしてこれからもこのポジションを守っていきたいですね。」

ーーポジションのコンバートの話が少し出ましたが、高地選手自身、コンバートについて考えたことはあるんですか?

高地「無いってことはないですね。実際高校時代はNo.8だったので、大学生になってロックに転向した後、第三列に戻った方がいいのかどうか考えたことはありました。ただ入団後のベンチ定着、スタメン定着を機にこのポジションが一番自分に合うのかな、と思い始めました。今ではこのポジションに誇りをもってプレーできていると思います。」


ーーところで昨年末、結婚を発表されましたね。おめでとうございます。ご結婚されて何か変わったことなどはありましたか?

高地「ありがとうございます。やはり結婚を機に一番大きく変わったのは、責任感と生活リズムですかね。家族ができて家庭ができたのでそれを守る、という責任と、家に誰かいることで今までとは違うリズムの日常が流れるという楽しさを前面に感じてここ最近の生活を送らせてもらっています。」

ーー奥様はラグビーについてなにか仰られることがありますか?

高地「学生時代に知り合ったこともあってだいぶラグビーに理解のある妻だと思います。特に食生活に関しては気を使ってくれているみたいで、リーグ中、試合に集中しなければいけない身としてはありがたい限りですね。」

ーー本当に旦那様思いの奥様なんですね。

高地「本当に助かっています(笑)。妻のためにも一試合でも多く出場して、一つでも多く勝ちをつかみ取りたいと思っています。」


 「次世代を担う純国産ロック」と言われながら、終始非常に礼儀正しく、謙虚で物腰柔らかだった高地選手。ジャパンリーグの残り10節においても彼がオリオンナイツを支える縁の下の力持ちとして活躍してくれるに違いない、私にそう確信させてくれるようなインタビューだった。今後も彼とオリオンナイツの躍進から目が離せない。


取材・文/長倉収蔵

高地啓吾(たかち けいご)
1995年2月11日・千葉県生
身長190㎝/体重105㎏
翔栄学園佐倉高校・翔栄学園大学卒業。柏オリオンナイツ所属。
ポジションはLO(ロック)。

収蔵です。 人間は所詮、外見と中身だと思っています。