見出し画像

【MTGスタン】新機軸の《アモンケットへの侵攻》型青黒ミッドレンジのご紹介

【初めに】

今回、《アモンケットへの侵攻》《プロフトの映像記憶》にフィーチャーした新機軸の青黒ミッドレンジを開発し、アリーナ瞬間2桁およびスタンダード神決定戦トライアル優勝という結果を残したため、(愛機の自慢も兼ねて)そのデッキの紹介をさせていただきます。

既存の青黒ミッドレンジとは、コンセプト単位で差別化された新しいタイプのデッキに仕上がったと自負しています。
もし何か歯車が噛み合ってこのデッキタイプが流行し、ローテ間際のスタンダード環境に新しい風を吹き込めれば幸いと思っています。

また、ローテーション落ちするカードも(比較的)少な目ではあるので、これからスタンを始める人や、ローテーション後のデッキの叩き台にも是非お勧めしたいデッキとなっております。

【デッキレシピ】

【デッキ概要】

このデッキのコンセプトは主に2つ
①「飛行クリーチャーにより地上を無視して《アモンケットへの侵攻》を《ラゾテプの改宗者》に変身させ、4/4飛行絆魂や4/4飛行警戒となった《ラゾテプの改宗者》により盤面を制圧しダメージレースに勝利する。」
②「《プロフトの映像記憶》によって《大洞窟のコウモリ》《蒸気核の学者》といった飛行+@クリーチャーを強化し、戦闘を優位に進めダメージレースに勝利する。」

特に《大洞窟のコウモリ》《最深の裏切り、アクロゾズ》を《ラゾテプの改宗者》のコピー元にしたり《プロフトの映像記憶》で強化することで、多くのアグロデッキに対して飛行絆魂によるイージーウィンを狙えるのが、このデッキの環境的な優位性です。

また、このデッキはコンボデッキとしての側面も備えており、墓地の《最深の裏切り、アクロゾズ》を《ラゾテプの改宗者》でコピーした場合、破壊されても即座に戦場に戻ってくる不死身の《アクロゾズ》が誕生します。
このコンボは決まってしまえば追放除去のない黒系ミッドレンジに対する強烈な必殺技となります。

「死亡したとき、変身させた状態で戦場に戻す。」能力を持つカードと相性が良い。死亡時に第2面のラゾテプの改宗者として戻るので、この際に再度コピーすることで何度でも復活することができる。登場時のスタンダードではコンボ相手は魅せられた花婿、エドガー/Edgar, Charmed Groomしか存在しなかったが、イクサラン:失われし洞窟で最深の紀元、オヘル・パクパテク/Ojer Pakpatiq, Deepest Epochなどが追加された

MTG Wiki《アモンケットへの侵攻/Invasion of Amonkhet》より

《アモンケットへの侵攻》《プロフトの映像記憶》を引けなかった場合も、通常の青黒ミッドレンジと同じくハンデス/除去/カウンターにより、相手を捌きながら柔軟に立ち回ることが出来るので、明確な不利対面や対策があまり存在しないデッキに仕上がっています。
※強いて言うなら、出てしまった置物を処理するのが難しいため青白アーティファクト等の置物系デッキは少し苦手です。とはいえハンデスとカウンターで十分対抗出来るレベルです。


【個別カード解説:メインボード編】

クリーチャー:19枚

備考:メインボードの生物は全て飛行生物です。
※サイド後も飛行でない生物は《黙示録、シェオルドレッド》1枚のみ

《フェアリーの夢泥棒》4枚

デッキの潤滑剤。このカードの発見がデッキの完成度を一段上に押し上げたと言っても過言ではありません。
1打点とは言え、除去されても損しづらく、《蒸気核の学者》で捨てれば更なるハンドアドバンテージを稼げます。cip の諜報1も地味ながら序盤の動きの安定に貢献してくれます。
《映像記憶》による強化先としても悪くなく、1T目《夢泥棒》⇒2T目《映像記憶》⇒3T目《蒸気核》の動きはこのデッキのブン回りパターンです。

《大洞窟のコウモリ》4枚 

このデッキにおいてはハンデスによる相手の妨害だけでなく、「《プロフトの映像記憶》で強化する」「《ラゾテプの改宗者》で4/4としてコピー」と言った形で飛行絆魂ボディを存分に活かしてくれます。
アグロを含めどんな相手にも一定の勝率を担保出来ているのは間違いなくこのカードのおかげ。コウモリ様様です。

《フェアリーの黒幕》4枚

もっと《プロフトの映像記憶》と相性のいい青の2マナ域はありますが、全除去の蔓延る現スタン環境を泳ぐには、《映像記憶》とのシナジーよりも、このカードと《かき消し》のインスタント2択の動きが必要でした。
余ったマナでドロー出来るのも、《蒸気核の学者》の性質上マナフラしやすいこのデッキにはマッチしています。

《蒸気核の学者》4枚

青い《鏡割りの寓話》であり、このデッキにおける最重要カードの一枚。
着地してしまえば即座に手札の不要牌を入れ替えられるので、デッキの再現性を向上させ、コントロールやランプ相手に腐った除去を有効牌に変換してくれます。ただしアドバンテージを取るには飛行生物かインスタント・ソーサリーを捨てる必要があるので、気を付けないと手札に土地が貯まりがち。
《ラゾテプの改宗者》のコピー元を墓地に送る役割もありつつ、このカード自体もコピー元としても極めて強力です。
《プロフトの映像記憶》との相性は最高の一言で、単体でも4/4飛行警戒になり盤面に蓋をしてくれます。

《最深の裏切り、アクロゾズ》3枚

単体でも強力なフィニッシャー。消耗戦や対アグロデッキであればこのカードをポンと素出しするだけでも勝てるゲームは多いです。
しかしこのカードの真価は【デッキ概要】でも述べた「《ラゾテプの改宗者》でコピーすると、死亡しても即時に《アクロゾズ》として戻ってくる」バグ挙動コンボにあります。
この「不死身の《アクロゾズ》コンボ」は、決まってしまえばそれだけでゲームの趨勢を決めてしまうだけのパワーがあります。
除去耐性持ちの伝説かつ5マナだが、「コンボパーツ」「素出しも現実的で十分強力」「飛行のため手札で被っても《蒸気核の学者》で捨てればいい」といった理由から3枚採用となりました。


インスタント:10枚

《切り崩し》3枚

このデッキの場合、腐ったら《蒸気核の学者》で捨てればいいので強気の3枚投入。
また相手の《フェアリーの黒幕》が非常にキツいので、その対処札としてもこのカードは多めにしました。

《喉首狙い》2枚
《保安官を撃て》2枚

2:2でセパレートしているのは単純にリスク分散のため。
特にアリーナ環境は何故かシミックアーティファクトが多いため《喉首》4枚はリスクが高すぎ、かと言ってゲームを決定付ける強力な無法者も環境には多い為《保安官》4枚も危険と判断し、とりあえず2:2採用としました。
紙なら《喉首》4枚でもいいかも。
他にも2マナ除去は候補があるので要調整枠です。

《かき消し》3枚

前述の《フェアリーの黒幕》との2択が強力。
ただし、このデッキは3T目に《蒸気核の学者》か《アモンケットへの侵攻》でフルタップする事が多いため、返しの相手の3マナ4マナ生物に事後対処出来る2マナ除去の方が打ち消しより撃ちたいタイミングが多いです。
その為、2マナ除去4枚、2マナ打ち消し3枚が最適なバランスと考えました。
2マナ要求ソフトカウンターの選択肢は他にもありますが、犠牲で分割4マナ要求出来るこのカードは優位状況を固める能力が頭一つ抜けています。


バトル:4枚

備考:順番的にはエンチャントの方を先に解説するべきですが、コンセプトとしてはこちらの方が比重が大きいため先に解説させていただきます。

《アモンケットへの侵攻》/《ラゾテプの改宗者》4枚

このデッキの最大のアドバンテージ元であり真のフィニッシャー。
「《アモンケットへの侵攻》に4点ダメージを与えて変身させる」事がこのデッキのメインゲームプランです。

このカードは出た時点で「自分1ドロー」+「相手1ディスカード」、変身までいけば更に+「4/4生物(自分の生物なら基本的に飛行+@)」+「コピー元クリーチャーのcip」と3マナにして1対3交換、コピー元によっては1対4〜5以上の交換も見込める、強烈なアドバンテージカードです。
Cipでお互い3枚切削するので、コピー元を(運次第とは言え)自力で確保出来るのも至れり尽くせり。
また、このカードには【デッキ概要】や《最深の裏切り、アクロゾズ》の項目でも述べた「不死身の《アクロゾズ》コンボ」があります。

「4/4生物(大抵は飛行+@、場合によっては不死身)の展開」を含んだ1対3交換以上のアドバンテージを発生させるカード、これはもう事実上のフィニッシャーと呼んで差し支えないと思います。
4点ダメージを与えなければ盤面に影響を与えないという欠点も、メインデッキの生物を全て飛行持ちにする事で大幅に軽減されており、多少相手の盤面に生物がいても容易に変身させられます。

このカードに関するプレイングで意識する事は、「全除去の入っているデッキを相手にしてる場合、調子に乗って変身させない事」です。
「打点が足りない」「墓地に《大洞窟のコウモリ》があり変身すれば全除去を手札から抜ける」「そもそも打ち消しを構えられる」場合を除き、全除去のある相手には全除去を吐かせるまで本体に打点を回した方が良い事が多いです。特に後述する青黒ミシュランさえあれば、全除去の返しにミシュランパンチ4点から変身で、戦線のリカバリーが見込めるからです。
ただ、状況によりけりなので柔軟に対応してください。


エンチャント:3 枚

《プロフトの映像記憶》3枚

実はこのデッキ、元々は《精神の決闘者》や《帳簿裂き》を用いた青黒《プロフトの映像記憶》デッキとして調整を開始したデッキです。
《プロフトの映像記憶》は重ね引きした時にテンポロスが大きい事が悩みでしたが、調整を進めていく内に「爆発的な打点強化は出来ない代わりに、《映像記憶》無しでも青黒ミッドレンジとして戦えつつ、《映像記憶》を引けた場合は上振れになる」という形に構築が変化した事で、3枚採用でも十分となりました。

「爆発力が無くなって、引かなくても青黒ミッドレンジとして戦えるならそもそも不要では?」という意見もあると思いますが、「《アモンケットへの侵攻》に4点ダメージを与えて変身させる」というメインプラン対しては打点が1〜2点伸びるだけでも十分に効果があります。
また《大洞窟のコウモリ》《蒸気核の学者》は元々のサイズは小さいものの、絆魂や警戒を持っているため、サイズを+1~2されるだけでも戦闘をかなり優位に進めれるようになります。


土地:24枚

備考:スタンダードのミッドレンジにしては少なめの枚数。しかし3マナに到達さえすれば《蒸気核の学者》でそれ以降の土地も探せるので体感この枚数でも大丈夫。バリューのある土地を多めにする事を意識してあります。

《闇滑りの岸》4枚
《地底の大河》4枚
《難破船の湿地》1枚

アンタップイン可能な2色土地。特に言う事無し。序盤の動きが重要なデッキなので色の合ってるファストダメランは4投。
1枚位はスローランドも有り。でも別に無くてもいい。増やす必要も無いと思います。

《天上都市、大田原》1枚
《見捨てられたぬかるみ、竹沼》1枚

色の合う魂力ランド。一枚ずつなら入れ得。特に言う事無し。
バウンスも墓地回収も使うときは使うし便利です。

《ミレックス》2枚

出たターン色マナ出るのが凄く偉い。出る生物は最低クラスですが、マナフラ受けとしては十分な性能。生産効率は悪いので2枚でOK。

《不穏な浅瀬》4枚

スタンダードの青黒ミシュランは不遇・・・そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
このデッキにおいては「4マナ起動」「4打点」「4枚切削」の全て噛み合っています。特に1パンで《アモンケットへの侵攻》を変身出来るのが強力。
また4枚切削の対象を自分にする事で《アモンケットへの侵攻》裏面のコピー元を探したり《フェアリーの夢泥棒》が落ちればハンドアドバンテージも得られます。
ランプデッキ対面であれば4枚切削の対象に相手を選ぶ事も多いです。運よく《アトラクサ》が落ちて《ラゾテプの改宗者》でコピー出来れば勝利は近いです。

《魂の洞窟》1枚

生物の種族が「フェアリー2種8枚」「コウモリ2種7枚」と少し固まってるので1枚位ならあり、という事で採用。特に打ち消しを気にせず《アクロゾズ》を出せる可能性があるのは大きいです。
また《蒸気核》も打ち消されたく無いので探偵を指定する事も多いです。
場合によっては2枚に増やしてもいいと思いますが色事故のリスクと引き換えになるので1枚採用に留めています。

《ドラニス遺跡》1枚

人によっては「あー、あったねそんなカード」となるような地味な無色土地。実はこのデッキの生物は全て人間ではない為、この土地の能力の対象に出来ます。
強化の効率は大した事ありませんが、例えば《フェアリーの夢泥棒》を実質4マナ3/3飛行のように扱えると思えば悪くありません。
また、忘れがちですが《ラゾテプの改宗者》もコピー元が人間でなければ対象に出来るので、マナに余裕があれば4/4を6/6に更に強化出来ます。
とは言え無色マナしか出ず、色事故のリスクを背負ってまで増やしたいカードでは無いため1枚採用となっています。

《島》2枚
《沼》3枚
基本土地。青白コンは《廃墟の地》等で《不穏な浅瀬》や《ミレックス》をバンバン割ってくるので最低4枚以上は欲しいです。気持ち沼多め。


【個別カード解説:サイドボード編】

クリーチャー:1枚

《黙示録、シェオルドレッド》1枚

最も大きな役割としてはアグロデッキに対する追加の「蓋」。
青白コン相手に追加の勝ち筋として入れてた事もありましたが微妙でした。
一応「ティムールアナリスト」相手には入れてもいいと思います。
2枚目が欲しいと思った事もないので1枚で十分です。

ソーサリー:7枚

《強迫》2枚

ランプやコントロールに入れます。ド定番カード過ぎて言う事がないです。
強いて言うなら《精鋭射手団の目立ちたがり》の入ったスペル多めのアグロ相手にも入れたりします。

《真実の抽象》2枚

数少ない黒でエンチャントに触れるカード。
意外に万能で「黒系ミッドレンジ」「版図ランプ」「ボロス召集」等に入れます。特に「ボロス召集」には2マナのハンデスながら《イーオスの遍歴の騎士》を落としたり、出てしまった《戦導者の号令》の処理にも使え、良く効きます。
他にも毒性デッキ相手に入れたりすることも。

《危難の道》3枚

特にボロス召集に対するメタカード。
各種アグロデッキにも構成次第で2〜3枚入れます。特にボロス召集対面では1枚は引きたいので3投。
サイド後はこちらの2マナ以下の生物が減る為、一方的に相手を全滅させられる展開も多いです。
実はローテーションで落ちるカードでは一番影響が大きいカードかも。
代わりのカードが来ないとボロス召集が本当にキツいのでwotc様どうか代わりのカードをお願いします。

インスタント:5枚

《軽蔑的な一撃》2枚

ランプやコントロール相手に入れます。《密輸人の驚き》には当てられない事に注意。あのカードの点数で見たマナコストは1です。
《魂の洞窟》もあるので過信は禁物。

《寄生的掌握》3枚

赤単に轢かれたのに腹を立てて適当に増量した所、構成次第ではあるが《自由放浪団の見張り》入りゴルガリにも追加の除去として悪くない事が判明。意外に広い範囲を見れる除去なのでそのまま3枚採用としました。

アーティファクト:2枚

《魂標ランタン》2枚

入れる相手は主に「ティムールアナリスト」。他にも墓地を利用する相手ならとりあえず入れます。
青白コン相手にも1枚入れてます。タイミング良く墓地の《記憶の氾濫》を抜ければ相手の公算を狂わせる事が出来るためです。
ただ青白コンはミシュラン含めて生物が意外と多いデッキなので、除去を減らしてまで入れるカードではないかなとも思い始めています。


【プレイングガイド:基本編】

このデッキはテンポデッキとしての側面が強いです。
「5マナの動き」より「2+3マナの動き」、「3マナの動き」より「1+2の動き」をした方が良い展開になりやすいと思います。

またクリーチャーと《アモンケットへの侵攻》が手札にある場合は、「先に飛行クリーチャーを展開しておいて、《アモンケットへの侵攻》は出したターン中に変身させる」のが理想的な動きなので、クリーチャーの展開を優先した方がいい場合が多いと思います。

他にも《フェアリーの黒幕》《大洞窟のコウモリ》の両方が手札にある場合、相手がタップアウトに近ければ《大洞窟のコウモリ》を優先、相手が2マナ以上構えていれば《フェアリーの黒幕》の瞬速を構えたほうが相手のマナを無駄に出来る可能性があります。(この辺りは既存の青黒やエスパーミッドレンジを使ってる人なら勘所が分かるかもしれません。)

ただ上記の内容はあくまで「指針」であり、相手のデッキや状況によって最適なプレイングは変化するため、このデッキを使う場合は状況に合わせて柔軟に動いてください。

このデッキはプレイングの選択肢が多いデッキであり、正直言って製作者の私もポテンシャルを十全に引き出せている自信はありません。
ただ「ポテンシャルを十全に引き出せなくても勝てる」程、このデッキの動きや採用カードは強い、という自信も同時にあります。


【プレイングガイド:対面別サイドボード編】

対ボロス招集

対面:微有利
まず前提として、ボロス招集を含め現環境のアグロデッキは「ブン回ってしまったら対策を入れてもどうしようもない」ので、「ゲーム単位ではなく再現率の差で総体として勝つ」という方針になります。
その上でボロス招集は「ブン回り」の再現性が比較的低いため、総体としては微有利がついています。とりあえず出来るだけゲームの決着を遅らせて「4/4飛行絆魂or警戒」を着地させれば割と何とかなるといった感じです。

サイドプラン
in(確定):《危難の道》3枚
in(確定):《真実の抽出》2枚
in(確定):《寄生的掌握》2枚
in(候補):《黙示録、シェオルドレッド》1枚

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
out(確定):《フェアリーの夢泥棒》4枚
out(候補):《フェアリーの黒幕》1~2枚
out(候補):《プロフトの映像記憶》1枚
out(候補):《アモンケットへの侵攻》1~2枚

一番重要なカードは《危難の道》。これは絶対入れてください。
《真実の抽出》も出てしまったアンセムにも対処できるので有用。
《黙示録、シェオルドレッド》はあってもいいがなくてもOK。
outするカードは実はまだ自分で固めきれていません。感覚として《アモンケットへの侵攻》は多めに残した方が過剰サイドにならない気はします。


対赤単アグロ

対面:五分
赤単もボロス招集と同じく「ブン回ってしまったら対策を入れてもどうしようもない」デッキですが、ゲームが遅れて「4/4飛行絆魂or警戒」を着地させれば割と何とかなるといった感じです。
ただこちらは序盤の《大洞窟のコウモリ》を処理されやすく、再現性も(ボロス招集に比べれば)高いため、個人的にはボロス招集よりきつい感じがします。

サイドプラン
in(確定):《強迫》2枚
in(確定):《寄生的掌握》3枚
in(確定):《黙示録、シェオルドレッド》1枚
in(候補):《危難の道》1~3枚

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
out(確定):《フェアリーの夢泥棒》4枚
out(候補):《フェアリーの黒幕》1~2枚
out(候補):《プロフトの映像記憶》1枚
out(候補):《アモンケットへの侵攻》1~2枚

in,outするカードはボロス招集に似ていますがライフゲイン出来るカードを優先しています。《危難の道》の枚数は難しく、3枚も入れると過剰サイドだと思いますが、このカードに救われた事も多々あり、1~2枚お守り代わりに入れておきたいカードではあります。
赤単は《ウラブラスクの溶鉱炉》等、特にサイド後は《強迫》が当たりやすいので入れても腐らないと思います。


対青白コントロール

対面:微有利
デッキ構成的には明確な有利がついている筈ですが、今の青白コンは《ティシャーナの潮縛り》や《放浪皇》等クロックが多く、油断しているといつの間にかクロックを逆転されていたりするのでプレイングや噛み合わせ次第では負けることも割とあります。
あと、青白ミシュラン(2/3飛行)をブロッカーに回されると結構きついのでそういう意味でも除去が重要になってきます。

サイドプラン
in(確定):《強迫》2枚
in(確定):《軽蔑的な一撃》2枚
in(候補):《魂標ランタン》1枚

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
out(候補):《切り崩し》1~3枚
out(候補):《喉首狙い》1~2枚
out(候補):《最深の裏切り、アクロゾズ》1~2枚

対コントロールの基本、重い生物と除去を抜いてハンデスとカウンターを入れます。
ただ前述の通り青白コンは除去を当てたい相手が結構いるので除去は3~5枚必要です。《切り崩し》でも青白ミシュランや《潮縛り》は落とせるので《喉首》と散らしてもいいかと思います(《保安官を撃て》は青白コン相手なら基本万能除去なので残します。)
《魂標ランタン》は《記憶の氾濫》を墓地から抜ければ相手の公算を狂わせられると思いin(候補)にしてますが、正直分かりません。
《アクロゾズ》は1枚減らすまでは確定でいいと思いますが、打消しをすり抜けて《太陽降下》《放浪皇》さえなければ単体性能の高さは言うまでも無いので、減らし過ぎもよくない気もします。


対版図ランプ

対面:有利
メイン戦で《切り崩し》が完全に腐るのを除けば基本的に有利です。

サイドプラン
in(確定):《強迫》2枚
in(確定):《軽蔑的な一撃》2枚
in(確定):《真実の抽出》2枚

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
out(確定):《切り崩し》3枚
out(確定):《最深の裏切り、アクロゾズ》2枚
out(候補):《喉首狙い》1枚
out(候補):《フェアリーの夢泥棒》1枚

ハンデスとカウンターを入れます。《アクロゾズ》は《太陽降下》や《力戦の束縛》のいい的なので減らします。


対黒緑ミッドレンジ

対面:有利
ヴェリアナだけちょっときついですが基本有利です。
「不死身の《アクロゾズ》コンボ」を決めたらほぼ勝ちます。

サイドプラン
in(候補):《寄生的掌握》1~2枚
in(候補):《真実の抽出》1~2枚

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
out(候補):《切り崩し》1~3枚
相手の構成次第ですがメインのままでもOK
たまに入ってる《自由放浪団の見張り》はキツイので、もし入ってれば《寄生的掌握》を入れてもいいと思います。


対エスパーミッドレンジ

対面:微有利~五分
基本微有利ですが相手の《フェアリーの黒幕》がキツイのと《忠義の徳目》の分、戦闘はあちらの方が有利になりやすく構成次第で五分です。

サイドプラン
in(候補):《真実の抽出》1~2枚
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
out(候補):《フェアリーの夢泥棒》1~2枚
出来れば的の多い《真実の抽出》を入れたいですが抜きたいカードが無いので、消去法で単体でのカードパワーが低い《フェアリーの夢泥棒》が抜けそうです。ただこちらも相手の構成次第なので、メインのままでもいいかもしれません。


対ティムールランプ(アナリスト)

対面:有利
実質、クリーチャーを用いたコンボデッキなのでハンデス/除去/カウンターのすべてが刺さります。《アモンケットへの侵攻》が相手の動きを助けてしまう点には注意。

サイドプラン
in(確定):《魂標ランタン》2枚
in(確定):《強迫》2枚
in(確定):《軽蔑的な一撃》2枚
in(確定):《真実の抽出》2枚

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
out(確定):《切り崩し》2枚
out(確定):《最深の裏切り、アクロゾズ》2枚
out(確定):《フェアリーの夢泥棒》2枚
out(確定):《アモンケットへの侵攻》2枚

「対象の限定された除去」「重いカード」「カードパワーの低いカード」「相手を助けてしまうカード」を順当に減らします。


対4C伝説

対面:微不利
実は対戦経験が少なくてよくわからない相手。《アモンケットへの侵攻》が相手を助けてしまったり、出てしまった《伝説の秘宝》を処理出来ないのでかなり苦手意識が強いです。

サイドプラン
in(確定):《魂標ランタン》2枚
in(候補):《強迫》2枚
in(候補):《真実の抽出》2枚
in(候補):《寄生的掌握》1~3枚

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
out(候補):《アモンケットへの侵攻》1~2枚
out(候補):《最深の裏切り、アクロゾズ》1~2枚
out(候補):《フェアリーの夢泥棒》1~4枚

申し訳ないですが、正直今の時点で何を入れればいいのかよく分からないです。とりあえず墓地対策とハンデスと追加の除去がin(候補)です。


【終わりに(ローテ後に向けて)】

ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございます。

ローテ後、メインのカードとしては《かき消し》が落ちてしまいますが、このデッキはフェアリーが多いので《呪文どもり》を代わりとしてこのデッキはリペア可能だと思います。
ブルームバロウのファーストルックで青黒っぽいコウモリやフクロウのクリーチャーのアートがあったため、青黒が強化される可能性もあり、今から楽しみな気持ちになっています。

実は自分は普段、紙のMTGはレガシーのみやっており、スタンダードはアリーナのみでしたが、実に4~5年ぶりに紙でスタンダードのデッキを組みたくなるほど、(自分では)完成度の高いと思えるデッキとなりました。
そのため思い入れが強く、記事が想定以上に長くなってしまいました・・・

こういった記事を書くのは初めてのため、読みづらい箇所もあったと思います。改めて拝読のお礼申し上げます。


【おまけ:デッキ調整録】

おまけです。ここでは本デッキがどういう変遷をたどって生まれたのかを説明します。

①黎明期

《プロフトの映像記憶》の項目でも話した通り、このデッキは元々青黒《プロフトの映像記憶》デッキとして調整を始めたデッキです。
ぶっちゃけ当初はアリーナのフリーのBO1で回す、おも・・・趣味デッキ程度の意識でした。(ちなみにこの時期は《統合の福音者》や《創意の神童》が入ってました。この時期のレシピの写真は残ってません。)
ただ、回った時にそれなりに相手を轢殺するだけのスペックはあったので息抜きの趣味で調整を進めていました。


②《アモンケットへの侵攻》の発見

少し調整を進めた段階のレシピがこちらです。

この段階では1~2マナの呪文を連続で唱えて《精神の決闘者》《帳簿裂き》の条件を満たしてルーティングを誘発させ、《プロフトの映像記憶》で強化するのが強いと思っており、《アモンケットへの侵攻》《蒸気核の学者》はあくまでリソース補給のために入れたカードでした。ただ、回していく内に「《アモンケットへの侵攻》ってカード、このデッキだと変身も容易だし、4/4飛行+@は思ったより盤面性圧力があるな…」という事に気が付き始めました


③《フェアリーの夢泥棒》の発見

ある時、お遊びで「ローテ後も残るカードだけの青黒プロフトデッキ」を組んでみた所、《考慮》の代わりとして入れてみた《フェアリーの夢泥棒》が「《映像記憶》の強化先になる」「《蒸気核》で捨てた際にアドバンテージを稼げる」と入れ替え元の《考慮》よりもずっと強く感じたので、それをローテ前のデッキにも逆輸入してみました。

また「ローテ後青黒プロフトデッキ」では《アモンケットへの侵攻》《蒸気核の学者》を4:4採用した所、感触が良かったのでそれも逆輸入しました。
結果として、以前のデッキよりリソースが途切れ辛く、線の太いデッキとなってきました。


③「不死身の《アクロゾズ》コンボ」の発見

きっかけは偶然で、黒系ミッドレンジとの対戦の際、相手の墓地に落ちた《最深の裏切り、アクロゾズ》を《ラゾテプの改宗者》でコピーしたところ、そのまま不死身の《アクロゾズ》でイージーウィンしてしまうゲームが発生しました。
元々そのバグみたいな挙動自体は知識としては知っていたのですが、実際に決まると勝ちに直結する事に気づき、「これは積極的に狙う価値があるかも」と考えました。

とはいえこの段階では「伝説かつ5マナ」のカードを複数枚入れる勇気はなく、「決まったらラッキー」程度の気持ちで《アクロゾズ》を1枚だけ入れてみて試していくことにしました。
《帳簿裂き》は枚数調整の結果、この段階で抜けていきました。


④ハンデスから瞬速2択へ・・・

調整は進んできましたが、このデッキは「全体除去に弱い」「ボロス招集対策で入っている相手の《一時的封鎖》がこちらにも刺さる」という悩みを黎明期から抱えていました。
特に《精神の決闘者》は、《プロフトの映像記憶》や2枚目以降の《精神の決闘者》と組み合わせると爆発的な打点を叩き出すのですが、全除去とマナフラッドに非常に弱いです。
《精神の決闘者》の悪事誘発の為にメインから入れている《強迫》も裏目が多く、メイン投入に疑問が浮かんできていました。

悩みに悩んだ結果、「《精神の決闘者》+《強迫》」の構成を諦め、単体で強く裏目の少ない「《フェアリーの黒幕》+《かき消し》」の瞬速2択構成を採用することにしました。
これにより爆発的な打点は見込めなくなりましたが、裏目が少なくなり、デッキの安定感が飛躍的に向上しました。


⑤最終形態

前述した「不死身の《アクロゾズ》コンボ」ですが、決まれば決まるほどその強さを確信していきました。
より積極的に「不死身の《アクロゾズ》コンボ」を狙うため、《アクロゾズ》を3枚に増量するという決断を下しました。

デッキ全体として「1~2マナの呪文を連続で唱えて爆発的な打点を作る」形から「単体で強いカードを使う」形に変化し、5マナのカードの素出しも許容出来るようになった事、手札でかぶってしまっても《蒸気核》で捨てられる事も《アクロゾズ》増量の理由となっています。(代わりに飛行を持ってない《黙示録、シェオルドレッド》がメインから抜けていきました。)

最終的にこのデッキは、《プロフトの映像記憶》デッキから《アモンケットへの侵攻》デッキとなり、元々2枚以上重なった時にテンポロスのあった《映像記憶》は枚数調整の結果3枚となる事で、現状のレシピに落ち着きました。


デッキ調整録としては以上です。
2マナ除去の選択など、細かい部分でマイナーチェンジは行えると思いますが、大枠としてはこれで一旦完成形だと考えています。
ローテ後、新しいカードが入ってきたらまた大きく変わるかもしれません。

これにて本記事は本当に終わりです。
ここまでのご拝読、誠にありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?