それはさておきcase3の狡噛さんカッコいいよね ~多数派の暴虐~

なんてこった。「多数派の暴虐」をタイトルにしようとしたのにオタクの本音がメインタイトルになってしまった。

多数派の暴虐。聞き慣れない言葉ですよね。
この言葉が使用された著名な書籍として
ジョン・スチュアート・ミルの 「自由論」がございます。

選挙制、民主制の統治においていわゆる「自治」なるものは、各人が彼自信によって統治されることではなくて、代表たる人民の「最多数」の部分または「最も活動的」な部分による統治である…
大多数派による統治であるが故に、少数派の意見を圧制しようと欲するかもしれない…

岩波文庫からの引用です。

どういう事かと言いますと、

「選挙って多数決でしょ?ってことは選挙で選んだ人に国を運営させるってことは、数の多い団体の意見とか、発言力の強かった人の運営ってことだよね? 」

「じゃあ意見が採用されなかった、数の少ない人たちの思いは誰が守るの?多数派の人たちからしたら煩わしい存在だけど、いじめられたりしないかな?」という文章で、これが「多数派の暴虐」ですね。

数が少ないという理由だけで意見が無視されちゃうのはどうなのかな…?社会の授業でよく聞くようなお話ですが、とっても大事なことですよね。赤信号みんなで渡れば怖くない!なんてことになってしまいますから…😓

大事なのは、手が上がった数が多いからはいこれOK!じゃなくて「賛成意見は少なかったけどこの意見にも一理あるんじゃないかな…?🤔」と一度立ち止まって、対立した意見の真ん中を見つけてあげることなのではないでしょうか…✨

と。「自由論」を読んでいて、そう思った訳です。
ここで終わりにしておけば良かったものの、そこはべるもっとちゃんは根っからのオタクですからね!

考えちゃった訳でございやすよ!
「シビュラシステムはどうなんじゃい…?🤔」って笑

西暦 2100年。人間の人格、精神、その人の全てを数値化し最適な人生を提供する、「シビュラシステム」の導入により世界紛争の悲劇を免れ地上の天国を築いた日本。人々はシビュラの判定する数値を「サイコパス」と呼び、その中でも犯罪を犯す可能性の数字は「犯罪係数」と呼ばれ、規定値を越えると犯罪を犯していなくても「潜在犯」として逮捕、隔離される。
そんな社会でもなお発生する犯罪に立ち向かう厚生労働省公安局刑事課の刑事たちを描く。

アニメ「psycho-pass」のあらすじでした♪この作品の根幹をなすのがシビュラシステムですね!

あらすじだけ書いただけでもシビュラが如何に凄いか思い知らされますよね、欠点なんてないわけですよ!みんな大好き雑賀先生曰く
「究極の官僚制」なわけですからね✨

でも「自由論」を読んでいて、べるもっとは想像を膨らませてしまいました。シビュラは地上の天国を作ったけれどでも本当は「多数派の暴虐」に当てはまってるのではないかな…?と。

シビュラはサイコパスに基づいて、人が社会で最大に能力を発揮し、最大の幸福を得られる生き方を提供してくれます。

さらに犯罪係数の高い市民は摘発して治安維持までしてくれますが、これってつまりは
「シビュラの理想とする社会の形に合わない人間を間引きしている」のではないかと。
自分の生き方をそれとなく、シビュラに誘導されてしまっているように思えるのです。

みんながみんなシビュラの判定に従って生きてますから自分の意志で決めてる事なんて実はないですよね。
自分の人生の決断を、シビュラという外部に委託することで不安や悩みを一掃したように思えてシビュラの決める形の中でしか生きられないなんてことに…!?

「シビュラの理想」に合う人だけの社会では当然シビュラの理想に合わない人は少数派となってしまいます。
作中ではシビュラの判定に不満を持つ人が少数ではありますが描かれていますし、小説版ではレジスタンスの存在も示唆されています。
「シビュラに頼らず自分で自分の人生を決めたい」という当たり前の願いがこのシビュラ社会で少数派であり、冷遇されてしまっているのです。

また、犯罪を犯していなくても「潜在犯」として隔離されてしまった人々も多数の平和のために自由を奪われた少数派ですね。
大勢の幸せのために、何もしていないのに逮捕される人なんてひどい話です😓

シビュラに与えられた生き方に納得できない人、シビュラの判定で潜在犯とされた人を犠牲になりたつ大勢が平和に幸せに生きる社会。

多数派が尊重され少数派の息苦しさから眼を背ける社会はまさにミルが示した「多数派の暴虐」ではないでしょうか?

そしてだからこそ際立つこの二人!!!!
あーーーーーっ!!!!!がっ゛ごい゛い゛い゛😭

白いのは槙島聖護。psycho-pass 1期の敵キャラ
黒いのは狡噛慎夜。1期の主人公で、画像は劇場三部作の時のものなのでちょっと年取ってます。

二人とも、とある理由からシビュラ社会でまっとうに暮らせなくなってしまいました。少数派、疎外された二人。

完璧な平和と最大多数の最大幸福を実現したシビュラシステムの社会を根本から揺るがす大事件。
psycho-passシリーズの中心となるこの二人。

少数派でありながら社会の流れに抗い、最後は既存の平和と、自分で自分の幸せを考えることを放棄した人々に多大な影響を与えて行きます。

1期、2期、3期は現在Amazon primeにて無料公開。
コロナでちょっと雲行き悪くなって参りましたが3月27日には劇場版「psycho-pass 3 first inspector」公開予定です。

オタク!!!!!!!!生きようね!!!!!!!!

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