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『グスコーブドリの伝記』

まもなく新米の季節が到来・・・と言いたいところですが、世間では絶賛米不足です。なくなって初めてそのありがたみがわかること、今回も痛感しています。
今月の賢治コースは、宮沢賢治が生前に発表した数少ない作品のひとつ、『グスコーブドリの伝記』を取り上げます。主人公の少年ブドリは、冷害による飢饉がおこり両親を失い妹と生き別れ、農業に携わったのちにクーボー博士と出会い学問の道に進みます。噴火被害を軽減したり、雨と一緒に肥料を降らせたり、農作物の収穫に尽力しながら、物語の中で最も重要な穀物とされる「オリザ」(稲の学名 "Oryza sativa" )を、病気に負けない強い種に育てます。最後は鉄腕アトムが太陽に飛び込んでいったように、ブドリが火山噴火を引導しその年の冷害を食い止めるのでした。

この物語を、朗読会で朗読したことがあります。
2015年5月に、馬喰町Art+Eatさんで開催した「お米農家やまざきの田暦生活」展での催しのひとつで、途中休憩を挟みながら、おやつの時間を設けたりしながら2時間と少しかかりました(長い!)。けれども参加してくださったみなさんと、途中おやつの時間も挟みながら妙な一体感も相まって、暗闇に灯された炎の下で静かな時間があっという間に過ぎてゆきました。

『グスコーブドリの伝記』は、農作に不安定な岩手の環境が物語に反映されています。賢治自身もどうにかしたいと考えて、農学校で教えたり肥料を研究したりしたその試行錯誤の一端でもあると思います。

台風が日本に止まり、地震の予感もあるこの時期に、この物語を読むことには大きな気づきがあるのではと思います。
9月1日、今日が特別な日であることも併せて、この物語を朗読してみるのはいかがでしょうか。

http://utukusiki.com/202409_online/

#宮沢賢治
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#オリザ
#稲 #火山噴火

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