髪を伸ばすことにした。つい先月にかなり短くしたばかりなのだが。自分は背が低くて顔が丸いからショートヘアが一番合っていると思っていたけど、去年髪を伸ばした時の写真を見ていたら案外ロングでも似合うかもしれないと思えてきた。ITZYのチェリョンみたいになりたい。

今からミディアム以上の長さにするとしたら一年くらいかかるだろうか。ミディアムヘアになるまでの過程が一番大変だが、定期的に美容院に行って整えてもらえば膨らんだりボサボサになったりせずにいられると信じてやっていく。

忘れかけていた恋心が再燃してから、自分にお金をかける気力が湧いてきた。それまでの私は生きる屍だった。服にも髪にもお金をかけず、それらをなんとかしようという気も起きなかった。灰色の日々だった。自分にお金をかけることがどれだけ人生を良くするのかもすっかり思い出せなくなっていた。

痩せたい、整形したい、化粧したい、髪型を変えたい、新しい服が欲しい、良いボディソープを使いたい、と欲が出るにつれてどんどん人生に張り合いが出てきている。仕事を頑張って自分を豊かにしたい。自分を可愛がりたい。自分を大切にしたい。私のような人間には一番必要な気持ちだ。

それにしても恋一つでここまで人は変われるのか。時々とても恐ろしくなる。人は性欲にそこまで強く突き動かされるのか?恋心などという制御のできない壊れた機関にそこまで支配されるのか?怖い。種を残すための本能に人は抗えないとでも?いや、そんなことはない。アセクシャルの人だって数多く存在するのだから。しかし自分はどうだ?私は恋一つで心を散り散りに乱されて、理性のブレーキが効かないほど不安定になってしまうではないか。私は自分で思っている以上に己の性に振り回されている。

何度でも書くが、これで三次元に恋ができていたのならきっといくらか楽だっただろう。付き合ったり結婚したりして持続性のある未来を得る、あるいは失恋という終わりを得る、そのどちらかを獲得することが可能だからだ。しかし私はそうではない。私は一切のレスポンスのない偶像に恋をしている。常に一方的な愛である。際限がない。報われない。打っても響くことはない。どれだけ可愛くなっても見てもらえないし、どれだけ愛しても伝わることはない。無限に広がり続ける地獄。そしてそれを受け入れなければならない。

私はその地獄から逃げられたら楽だと思っている。だから「三次元に恋ができたら」などと言うのだ。三次元への恋には明確に「相手」がいて、反応をもらうことができるのだから、いずれかの答えは出せるのだ。私の愛にはそれがない。終わりが欲しい。答えが欲しい。

でもまあ、無理なものは無理。私はきっと一生このまま地獄の中で笑い続けるだろう。それが私のあるべき形、あるべき幸せだと気づいている。三次元に逃げようとしたって、私は結局彼への愛から目を逸らすことはできない。

それでいい。

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