見出し画像

夏至の日と父からのLINEと生命の誕生と

一年で一番陽が長いのが夏至(短いのが冬至)。
夏至って聞くとめっちゃ夏のイメージだけれども、実際はまだ真夏という感じはない。むしろ夏の盛りはもう幾分陽が短くて、夏って儚いなぁといつも思う。(冬至も同じで、めっちゃ寒くなる前にもう冬至があって、実際に雪が降ったり寒さの底だったりする時期は幾分陽が長くなっている。)

これが私の今までの夏至(と冬至)のイメージで、陽の長さという点以外にフォーカスすることはなかった。
しかし、どうやらこの夏至というもの、なんかものすごいエネルギー(語彙力)の切り替わり点のようである。ということを最近ようやく知った。
自然界における陰陽、という考えはいろいろなところでちょくちょく耳にするけれど、夏至というのは陽のエネルギーが最も強くなる日なのだという。夏至に合わせて行われるお祭りなんてものもたくさんあるようだ。さらりと学んだだけであるが、私の中では自然界のお正月のようなイメージになっている。太陽、水、空気、大地、植物、動物などなどあらゆる森羅万象が「よっしゃこれから半年またよろしゅうに。背筋伸ばして行きまひょか。」と気持ちを新たにする日。

というわけで、所属しているオンラインサロンの仲間と共に、初めて私も自然界のお正月を意識して過ごしてみることにした。

4時頃に起床し、4:30頃と予想される日の出の時間を待つ。結局この日は生憎の曇り空で太陽を拝むことはできなかったが、まだ車通りも少ない中、段々と東の空からぼんやり明るくなってくるのを眺めるのはとても心洗われる気持ちだった。
すっきりとした頭で、夏至点までの間、どうしても書きたかった文章を仕上げる。その日、育休から職場復帰を果たす仲間に向けて、彼女が抱く大きな夢が叶った後を書いた妄想コラム(!?)。ふむ、やっぱり想像するのは楽しい。

よし書けた。これで気持ち新たに5:51の夏至点を迎えよう、と思った矢先、子どもが起きたらしく寝室から泣き声が聞こえる。おっとこのタイミングか。まあ子どもを宥めながら外で夏至点を迎えるのもいいだろう。ぐずる子どもを抱き上げ、家の前の廊下で外を眺めながら時間を確認すると、ちょうどその時刻だった。今日は特別な日なんだよー。お日様のエネルギーがいっぱいなんだよー。案外、子どもの方が感じているかもしれないと思った。

特別に何か夏至にまつわるお祭りに参加したり、いわれのある食べ物を食べたりしたわけではないけれど、こんな風に暦を意識すると、自分も自然界のお正月に参加してお祝いできたような気持ちになり、なんだか楽しかった。例のコラムは、年賀状のようなものということにしよう。おめでとう。

過去の夏至の日の記憶として唯一思い出したのは、2年前の出来事。当時育休中で家にいる時間が多い私に、父からのLINEが届くことが頻繁にあった。内容は、私と息子の様子伺い半分、自分のとりとめのない(ちょっとセンチメンタルな)つぶやき半分といった感じで、正直「反応に困る…。」というものも多く、私にはだいぶ煩わしかった。適当に返したり返さなかったり、息子の写真があればいいか、と写真だけ送ったりしてやり過ごしていた。
そしてその日。父からのLINEには一言

「夏至だねぇ…」

と書かれていた。返さなかったことは言うまでもない。ごめん父。

今思うと、父は恐らく暦とかそういうものにもそれなりに興味があって、何より夏生まれで7月~お盆前くらいの盛夏が大好きで、お盆を過ぎてツクツクボウシの声が聞こえると「夏も終わりだなぁ…寂しい…」と毎年ちょっと泣きそうなテンションでつぶやくようなセンチメンタル人間で、だから6月に夏至を迎えてもう暦の上では下半期で、まだ夏の感じも半分くらいなのにもう日が短くなり始めるの(´;ω;`)切ないよぉ(´;ω;`)

という心の機微がこの1行に込められていたのだろうと今なら慮れる。
今年、こちらからわざわざ「夏至を意識して過ごしてみました。」なんてLINEをすることは私の頭の引き出しになかったけれど、今後もし同じようなつぶやきを受け取ったら、自然界のお正月ですね、これから日が短くなることに目が向きがちですが、そんな切り替えの日を恙なく迎えられたことに感謝したいと思います、くらいに返そうかな。父よ、娘は少し成長したかね。

そんなことをほんの少し考えながら、久々に仕事で近くの業者さんのもとへ外出したところ、雨があがっていた。そして午後、オンラインサロンの仲間が無事にお子さんを出産したという連絡が来た。

何度も言うけれど、自然界のお正月の日を選んで生まれてきたいのち。みんなみんなお祝いしているよ。めでたい。もう本当に、めでたい。
きっと周りの人に生きる力をくれるような、明るい子になるのだろうなと思った。勝手にすみません。笑
いのちの誕生、それだけでももう十分最高に幸せだけれど、こういう風に日と言うものを意識すると、そこに大きな意味が見いだされる気がして、もっともっと尊いと思えた。

雨上がりの空は、すっきりと晴れ渡って暑いくらいだった。今日は空模様も私の心も忙しい。やっぱり「ハレの日」なんだと思った。
おめでとう、おめでとう。

この記事が参加している募集

#日々の大切な習慣

with ライオン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?