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「生きるのが辛い」は病気の症状かもしれない

うつ病予防を広めている、時任春江です。
うつ病予防というと、どうも、うつ病患者さんを治療する話なのか?と思われがちです。
そうではなくて、発症しないように予防するための考え方や方法を啓蒙しています。

文部科学省が5月7日に発表した児童生徒の自殺等の現状から、何ができるのか考えています。




児童生徒の自殺

文部科学省が、令和3年5月7日「コロナ禍における児童生徒の自殺等に関する現状について」まとめたものが会議の資料として発表されました。

令和元年と令和2年を比較すると、児童生徒の自殺者数が増えています。
その原因・動機を順位をつけてまとめたものがあります。

1位(←令和元年2位) その他進路に関する悩み
2位(←1位) 学業不振
3位(←3位) 親子関係の不和
4位(←6位) 病気の悩み・影響(その他の精神疾患)
5位(←8位) 病気の悩み・影響(うつ病)

6位(←4位) 家族からしつけ・叱責
7位(←6位) その他学友との不和
8位(←7位) 入試に関する悩み
9位(←9位) 失恋
10位(←17位)その他交際をめぐる悩み

様々な立場の方が分析をしておられると思います。
私が注目しているのは、4位と5位です。
病気の悩みというのは、病気が良くならなくて不安や病気の症状が辛いということだと思います。
病気の影響というのはどういう意味でしょうか?

病気の影響

精神疾患の中には、希死念慮という症状を伴う疾患があります。
希死念慮というのは「繰り返し死について考えてしまう」という症状です。

病気の症状なのです。
風邪を引いたときの「咳」だと考えてみてください。
咳がひどくて辛い時、病院でお薬を出されると思います。
水分を取ったり、無理をしない生活を心がけるようにお医者様から言われるでしょう。

4位・5位の病気の影響というのは、
病気の症状として「死について考えてしまう」ということではないかと思います。

自殺を予防することの一つは、うつ病を含む精神疾患の症状を改善することが大事だということですね。

「生きるのが辛い」と感じるのは病気の症状なのかもしれない

病気の症状であれば病気を治療しましょう。

朝起きてから、1日を過ごすのが辛いと感じる。何日も辛い。生きるのがしんどい。
もし、そのような方がいらっしゃったら、一度相談してみてはどうでしょうか?
精神科や心療内科の医師に相談するのは、とても勇気がいる事だと思います。
まずは、周りの信頼できるお友達や、先輩や、親御さんでもいいでしょう。

でも、身近な人に相談するのは、心配かけてしまうからできない。

そう思う方もいらっしゃいますよね。
知らない人にならどうでしょうか?知らない人だからこそ、本当の気持ちが話せるかもしれません。

過去の記事にも、相談窓口を紹介してみました。

中高生諸君!あなたのストレス測定してみない?
https://note.com/utsuyobo/n/n6ec01455c287

生きるのがつらいな、、、
その気持ちは病気がそう思わせているのかもしれません。

「あれ?病気かもしれない」そう気づいてほしい

生きるのがつらいな、、、
あれ? こんな気持ちにさせるのは病気がそうさせているのかもしれないぞ。

生きるのがつらいな、、、
本当に病気なのか誰かに相談した方がいいかも。

生きるのがつらいな、、、
そういえば、学校から SNS や電話相談先の案内もらったなぁ。

生きるのがつらいな、、、
友達や家族に話したら心配されるから、 SNS で相談してみようかな?

生きるのがつらいな、、、
こんな気持ちになるのが病気なのかどうか、相談してみようかな?

生きるのがつらいな、、、
病気だったら病院に行ったら治るよね?

そんなふうに思ってもらえるようになるには、
「生きるのがつらいな」
と思うのは、病気がそうさせているのかも、という知識がなければ難しい。

多くの人に、「生きるのが辛いな、、、」は病気がそう思わせているのかも、と知ってもらいたいと思っています。

生きるのが辛いな、、、に気づくには?

ここまでまとめると、当事者への教育で解決できるのではないか?と思われるかもしれませんが、問題があります。

当事者は、この「生きるのが辛いな、、、」という気持ちを感じにくいのです。
そこに、気づいてもらうためには、正しい知識を持った周囲の支えが必要です。

だからこそ、支援者教育が重要なのです。

相談窓口を出前で行う看護師の団体もあります。

過去の記事:あなたの「もやもや」看護師がお聞きします
https://note.com/utsuyobo/n/nbf57ed00784e

この保健室活動は、市民活動団体One Nurseが、関東と東海地区で行っています。
HP: https://one-nurse.site/

こうしたことを多くの人に理解してもらい、みんなが誰かの支援者になれるようになるにはどうしたらいいのか。

うつ病にさせないためのアドバイザーさんを育成していますが、まだまだ481名。

さらに多くの方に支援者になっていただきたいと思っています。

お読みいただき、ありがとうございました.
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