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各々の正義
世の中のフィクション作品には勧善懲悪ものが溢れている。
いや、ノンフィクションでも主人公の敵は”悪役”として描かれがちだ。
主人公にとっては敵。悪役。
では敵は敵でしかないのか?
逆に敵から見たら主人公サイドは悪だ。
主人公から見た敵とは、主人公の利益を侵害する存在、邪魔をしてくる存在。
では敵の行動の目的は?本当に主人公に対する嫌がらせとしての存在でしかないのか?
いや違う。敵は敵の目的がある。正義がある。
主人公も敵もそれぞれの正義、信条がある。
言い分は食い違う。だから争いが起きる。
どちらが正しいか間違っているかの問題じゃない。
どちらも自分の言い分が正しいと思い込んでいる。
いや、実際それぞれにとって正しいのだ。正義と正義のぶつかり合いだ。
お互いが正しいと思っているのに、果たして話し合いで解決するだろうか?
否。話し合いは平行線。不毛な議論になるだけだ。
人の数だけ主義・信条がある。
その中には相容れるものもあるが、相容れないものもある。
どうしても譲れないものだってある。
人々が個々の考え、信条を持ち続ける限り、平和などというものは存在しない。
進撃の巨人を見ながらそんな事を考えた。
この作品はマーレ編になってからこれまでの真実が明かされ、本題に入る。
主人公エレン側から見たらライナー達は悪役でしかなかったが、後々ライナー達はライナー達の事情、信条がある事が判明する。
そう。誰かが正しいとか間違っているとか、正義とか悪役とかじゃないのだ。
それぞれがそれぞれの正しさを抱えて戦う。だから戦いは簡単に終わらない。
これは国家間戦争のような大規模な話から、個人的な諍いのようなミクロな話まで言える。
世界は複雑だ。
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