ゲームという名の脳内麻薬

最近またゲームをちょいちょい起動している。
ここ数年はソシャゲをほどほどに触るくらいだったのだが、久々に家庭用とかPCゲームがやりたくなったわけだ。

知り合いに誘われてなんとなくAPEXを始めた。
今流行りのFPSだ。
今までFPSは避けてたのだが、気が向いたわけだ。
始めたばかりなのでぶっちゃけやる事多い、難しすぎってなってる。

スプラトゥーン始めたばかりの頃を思い出した。
ジャイロ操作も全然出来ず、上手い知り合いと遊んでもわけがわからないままキルされ、荷物にしかならなかった時の事。
FPS・TPS経験ないうえにゲームも下手な方なので、ガチマッチでもC帯でずっと勝てなかった頃の事。
上手い友達に「せめてA帯くらいはいかないと一緒に遊ぶのはきついかもねーw」と言われた事。今思うと、これが呪いの言葉になったなと思う。
結局1人用モードとか試し撃ち、立ち回りの動画を見たりして多少は上手くなった事。

この手の対戦ゲームは、下手だとすぐキルされる。
その状態だと全く面白くない。
上手いフレンドにキャリーしてもらうという手もあるが、個人的には下手クソでわけわからんままキャリーされても全然面白くないなと思うわけである。

で、沸き上がるのが「もっと上手くなりたい」という感情である。
撃ち合いゲームで上手くなるためには、エイムなどの基礎練、上手い人の動画を見て立ち回りの学習、それらを発揮するために実戦の回数を重ねる事などである。
めちゃくちゃ上手い人は、実は何時間もエイム練習したりしてるわけだ。

あとは機材。PCゲームなんかだと、ゲーミングマウスやキーボード、更にはFPSに適したモニタ。
金をかけてる人はめちゃくちゃかけている。

この領域までくると、たかがゲームではない。娯楽の範疇を超えている。
絵の練習などと同じ、努力の積み重ねになるのだ。
だからこそ「ゲームなんて遊びだよー楽しければ何でもいいよー」と主張するエンジョイ勢とガチ勢で争いが勃発しがちなのである。
彼らは同じタイトルのゲームをしていながら、全く違うゲームをしている。そんな感じだ。
「遊びじゃねーんだよ!!!」ガチ勢がキレたくなる気持ちも分かる。

これがイラストだと、ちょっと好きなキャラを描いて満足してる人がプロ目指して練習してる人に向かって「たかが絵だよ?好きなキャラ描ければいいじゃんwそんな頑張っちゃってwwwださっw」と言うようなものである。めっちゃ煽りやん。

で、スプラトゥーンにハマっていた頃。
当時は私も仕事していたが、それ以外の時間はほぼ全てスプラトゥーンに捧げていた。
仕事の休憩時間にはスプラトゥーンの動画で立ち回りを見て、家に帰れば起動してずっとやってる。寝て起きて仕事に行く。
そんな生活だった。

今思うと異常だったなと思う。
のめり込みすぎて精神を病むレベルだった。というか病んでいた。
当時の私を駆り立てていたのは何か。
ただ「フレンドとまともに遊べるくらい上手くなりたい」という気持ちだけだったと思う。
不幸にも周りのフレンドはゲーム上手い人間しかいなかった。私は常に劣等感に苛まれていた。

もはや楽しいという感情は分からなくなっていて(一応あるにはあったが)、ライフワークに近いものになっていた。
プロゲーマーになれるでもなく、楽しいという感情も失ってるのに何で私はこんなにのめり込んでいるんだろう?
そう思った時、私はコントローラーを置いた。

今思うとバカバカしい話だが、私はそれだけ追い詰められていた。
子供の頃にゲームをする友達がいなくてずっと一人でやっていたので、「誰かとゲームしたい」という気持ちが人一倍強かったのかもしれない。

ゲームに限った話ではないが、何事ものめり込みすぎるのは良くない。

絵などの創作ものめり込む時はあるにはあるが、ゲームのそれは段違いである。
キル出来た時や勝った時の快感は凄まじい。脳汁ドバドバだ。まさに脳内麻薬である。
強くなるには努力が必要とはいえ、絵などの創作に比べたらお手軽である。
だからこそこの手のゲーム…FPSや音ゲーや格ゲーあたりだろうか…にハマる人は多いのだろう。

ゲームというものは楽しくも恐ろしい。
日課も、やらなければならない事も全て放り投げてゲームしてしまいたい。欲望が疼く。
「いいじゃん別に。ゲームしちゃおうよ。少しやるだけなら大丈夫だよ」
悪魔がそっと耳元で甘〜い言葉を囁いてくる。
少し起動したら最後、気付いたら一日が終わっている。廃人一直線だ。

かつての挫折を経ているからこそ、今度こそはほどほどに付き合えたらと思う。
そう、あれは挫折経験だった。

前は上手く付き合えなかったからこそ。
日課はきちんとこなし、やるべき事も放り出さずにきちんとやって。ゲームをするのはそれからだ。

ほどほどに練習してほどほどに上手くなって。
フレンドとレベルが合わなければまあ最悪一人でもいいや。
楽しむ事は忘れないようにしたい。
そうしたら来年出るスプラトゥーン3も楽しく出来るかな。

我ながら、たかがゲームに随分重い感情を抱いているもんだなと思う。
でも、どうせなら何事も全力で楽しみたいじゃん?
めんどくさい人間だけどそうなっちゃったもんはしゃーない。
ほどほどに生きていくさ。

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