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沙々杯 勝手にうつスピ賞 優しい句10句(私設賞はご自由にらしいです)


こんにちは。

みんなのための俳句大会、沙々杯、絶賛開催中ですね。
(説明は省きます。)

「私設賞をご自由に」ということになっていることはご存知でしょうか?

「あなたも設立してみませんか?」と書いていますね!
ということで私もしました!

大会キャッチフレーズ 「やさしさの風になろう」

ということで、うつスピ的に気になった優しさを感じた句10句を鑑賞していきたいと思います。(私設賞なので、特に副賞ありません!)

みなさまも私設賞の開設をしてみてはどうでしょうか。
また、私の紹介した句の中で、いいなと思う句があれば、
ぜひぜひスキ、コメント等して、「優しさの風に」なっていきましょうね♪
四~五時間かけて全句を鑑賞して、今から文を作っていくので、(二時間半かかりました!)
どうか読んでみてくださいね!

私の句が褒められるより、自分が選んだ句が褒められた方が嬉しい、、、
いや、やっぱり私の句も褒めつつ私が選んだ句も褒めてくださいね!(笑)
私の句はみんなの大会本選に残れるだろうか、、、?


基本的には投稿順で紹介していきますが、
一句目だけはこの句だと思ったので一番に持ってきました。
基本的に投稿先には見に行っていません。一覧の句だけで鑑賞しました。

1句目

この星に「おかえり」の満つ年の果

優しい句ですよね。
季語は年の果て、年末のことですね。
年末に家族が帰ってくることを、「おかえり」というカギカッコ付きの言葉で紹介して、それが満つ=いっぱいになると表現しています。
年末には、自分の家族だけじゃなくて、いろんな家族が、「ただいま」「おかえり」と、それぞれの家族を出迎えていることでしょう。
迎える側の気持ちで描いていることにも惹かれました。
この星は、地球のことでしょうね。
もしかしたら、日本だけではなく、年末には地球全体で、いろんな言葉で家族を迎えている光景があるのかもしれません。素敵な句です。


二句目

恩師の名忘れ横浜駅は雪

リアリティのある句ですよね。
この句の作者を「若者」として、恩師と言えども名前を忘れるぐらいのドライな関係として鑑賞をするのか。
作者を「年配」の方として、忘れていくことが増えていく中で、お世話になった人の名前を思い出せない一瞬を読んだと鑑賞するのか。
私は後者で読みました。
同窓会があり、恩師も来ているのだけれど、あったかい気持ちの中でふと恩師の名前が思い出せなくなる。そんな一瞬の中で、横浜駅で降る雪を取り合わせたのかなと思いました。リアリティがある景で良かったです。


三句目

冬の虹きみと生きると決めた日に

「淡い輪郭を持った句だなぁ」という第一印象でした。
それは冬の虹が美しく出ている中、
「きみ」と生きるという覚悟を決めた一句だからでしょうか。
虹も、きみもぼやっとしていて、鑑賞が定めにくいという意味で、淡い輪郭だなぁと私は感じたのかもしれません。
冬の虹を「単に美しいもの」と鑑賞するか、「冬の持つ特有の厳しさの中である虹=希望」のように鑑賞するか。
私は、きみは覚悟を持つことが必要な結婚相手として鑑賞しても、
案外、猫のような小動物と一緒に生きると決めたと鑑賞しても、どちらでも美しいなぁと思いました。
私は、「冬の虹」を優しいものの象徴として描き、「きみ」は案外ペットなんじゃないかと思っています。
淡い輪郭の句であり、鑑賞は読み手に任されていると思います。
さてみなさまの鑑賞と、作者の思いはどうでしょうか。


4句目

医者曰く七割は女児冬日和

新しい命を感じる句ですよね。
「七割は」ということは、まだ性別が完全に分かっていません。
おなかの中にいる子どもがまだ小さいのではないかな?という推測が立ってきますね。
冬の晴れた日の中で、おなかの中にいる子どもに思いをはせながら、散歩をしているのでしょうか。窓際の椅子に腰かけているのでしょうか。
読んだ瞬間にあったかい気持ちがあふれてくる俳句でした。
俳句はフィクションか、本当か。
私はフィクションの句を作るときもあるのでわかりませんが、
こんな風におなかの子を思う方がいて、
すくすくと育っていく冬日和があればいいなと感じました。
素敵な場面を切り取っている素敵な句でした。


五句目

初夢に出た友人に年賀状

この句もリアリティがありますよね。
年が明けて最初に見た夢の中で友人を見て、
その友人を思い出して、年賀状を出した。
ことばにすると単純なことです。
それだけで10句の中に選ぶのか。ということを考えたのですが、
初夢=めでたいものという過去の季語の歴史の積み重ねへの裏切りがあるのではないでしょうか。
私も一読したときに、「年賀状」という下五でいい意味で驚きのある句だなぁと思いました。
関係性が少し遠い友人で、夢に出てくるまでは忘れていたのでしょう。そんな方に年賀状であいさつする。
少しは、初夢で見た友人だから、年賀状を出せば今年の運気が上がるかも、なんてことも考えたのでしょうか。(笑)

初夢、年賀状の2つの季語でありますが、
年賀状を主たる季語として鑑賞しました。


六句目

「わぁ」の息白し流星群の中

季語は流星(秋)ではなくて、流星群として避けていて息白し(冬)ですね。
上手く瞬間を切り取っているなと思いました。
「わぁ」と言った感動の言葉も白くなる場面を切り取って、
その後に「わぁ」となぜ言ったかの種明かしとして、
「流星群が流れたから」という理由が明かされますね。
この後、流星群「を見て」という句であれば私は選んでいません。「の中」です。
作者と、流星群を見ている人たちは、白い息を吐きながら、感動のあまり流星群の中に入ったかのような心地になったのではないでしょうか。
白く広がって壊れていく息の白も、流星群の星とどこかで似ているような関連があるような鑑賞もしました。


七句目

大根を切る音実家の朝寝かな

大根を切る音が聞こえてくる実家の朝寝。気持ちの良い光景ですね。
大根=冬の季語、朝寝は実は春の季語にあたりますが、大根を主役として鑑賞しました。
実家に帰ると手料理をしなくていい、甘えられる状況ってありますよね。
普段は朝早くから起きて家族のために料理を作っている主婦の方なのかもしれないですね。
本人は朝寝というゆっくりとした光景なんですが、全体として家族の優しさを感じる句ですね。
果たして大根の切る音を聞き分けることができるのかというのが最初に思った感想でしたが、
前日に、「実家の庭で大きな大根が取れたから明日の朝料理するねー」なんて会話があったのかもしれません。
中八文字を嫌って切る音をきるねと読ませていますね。
「きるね」、「あさね」と上手く韻を踏んで、
かつ句の雰囲気を壊さないで上手く成立させていると思います。


八句目

三が日和室に広がるLEGOの街

俳句とは何だと言われたときに、「ものに託す」という考えがあると聞いたことがあります。
この句は、三が日=1月3日に、和室にLEGOの街が広がっているということを描いているだけのように見えます。
私には、この俳句を読んだときに、
正月に普段は時間を取れない家族が力を合わせてレゴブロックの街を作り上げ、壊すにも惜しいため眺めている情景を思い浮かべました。
「LEGOの街」という単語が、意外性のある句だと思います。
和室にトランプやウノや人生ゲームがあっても面白くないなぁと思うのですが、LEGOの街。作り上げていく過程が浮かんできて、素敵な俳句でした。


九句目

湯のわくを待つ間にひとつ菓子を食む

無季の俳句でしょうか。
ただ、お湯って私の感覚では少し冬っぽくもあります。
湯はお風呂でしょうか。(今回風呂は夏の季語と知りました!)
お茶を飲むためのお湯でしょうか。
「圧倒的日常のリアリティ」にこの句を選びました。
日常を丁寧に救い上げたような俳句が好きなんです。
家事の間のちょっとした休憩スポット。自分へのご褒美。
ひとつと言う限定した数詞も、ご褒美感が出ています。
リビングが見えてきて、少しご褒美感か、もしかしたら毎日お菓子をこのタイミングで食べているのかもしれないと感じたりと、想像が広がるいい句でした。


十句目

さえざえと此の世消毒済になる

この句は、コロナ禍を読んだ句だと捉えました。
冴ゆ=冷え切った寒さ。(冬の季語)
さえざえ=空気が澄んですがすがしいこと。季語として鑑賞しました。
消毒、消毒の世の中を斜に構えて、この世さえ消毒済みとなったよと切り取った作品だと捉えました。
今しか詠めない句を詠んでいるなと感じました。
うんざりしているような心境が浮かびました。
みなさまはどう鑑賞しますか?


ということで、全十句を鑑賞していきました!
優しさの風うつスピ賞 入選おめでとうございます!
本選もたのしみにしましょう♪

実は、記事はもう一つ続きます!
今から頑張って書いて、
書けたらリンクを貼りますのでよろしくお願いします!

1月21日17時45分追記 こちらの記事もよろしくお願いします。

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