低カリウム血症 再発
今日、臨時で内科を受診した。主治医に1ヶ月半振りに会ってきた。第一声は「また痩せた?」だった。
診察室に入り、入院中の採血結果を渡して軽く説明をした。「カリウムの値がかなり低かったんですけど食事だけで改善しました。」と言いながら、電解質バランスを指差した。主治医の表情が曇る。入院時採血でカリウムが2.5しかなかった。基準値は3.5-5.0。かなり危険な状態だった。体重も測らされた。昨年6月から10kg以上痩せていた。いつも根性論を押し付けて、何でも運動と食生活で改善するようにしてくる主治医も流石に焦っていた。
「採血して点滴しましょう。すぐ呼ぶから処置室の前で待っててね。」と言われ、診察室を出た。その直後に、主治医が看護師に「採血と点滴、結果見て悪かったら追加で!」と言った声が聞こえた。
処置室では、採血や点滴するときの恒例「どっちの腕がいいですか?」を聞かれた。太っている上に血管が細い私の腕。「あ〜、どっちでも…出にくいですね〜、みんな私の腕嫌がるんですよ〜」と言うと大体看護師さんは「え〜、私でできるかな〜、嫌だな〜」と笑って返してくれる。先手必勝。血管を探されているときは「いつもこの辺で採ってるんですよね、出なかったら手の甲でもいいですよ。」など話しかけて余裕さをアピール。慣れるって怖い。
無事にルートを確保し、点滴を打ち始めた。1本目を打っている間に採血の結果を待っていた。半分くらい入ったところで主治医の声が聞こえた。「KN生食で500!」私は、カリウムが低かったんだろう、と察した。2本目の点滴は、カリウム剤を生理食塩水で割ったものだった。見た目はほぼCCレモン。
こんな短時間で1Lの水分を身体に入れるなんて嫌だな、と思いながら眺めていたら、主治医が採血結果を持ってきた。「カリウムがかなり低いね、これ見て、2.4しかないの。低カリウム血症。あと脱水ね。」下剤乱用のせいだろう。いつ死んでもおかしくないような数値だ。主治医が苦しそうな声で言う。「下剤…辞めれない?」私は小さく首を振った。痩せる事や下剤に執着している私には無理な話だ。投薬も拒否したら、また木曜日に外来にかかる事になった。
私はとにかく焦っていた。次の診察までに体重落とさなきゃ。カリウムの値を低くしなきゃ。他人の気を引く方法を完全に間違えていた。
母に診察の内容を話したら、心配せずに呆れていた。「あんたは人の言う事も聞かない、やる事もやらない、ワガママ言いたい放題やりたい放題。それで調子が悪いと泣いて喚いて暴れて何がしたいの?」正論をぶちかまされた。
私は1人で部屋で泣いて、また下剤を飲んだ。そしてまた泣いた。
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