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マルチタスクに憧れがある

漠然と、マルチタスクに憧れがあります。
1に行き詰まったら次は2を、その次は3をと言った具合でロスタイムを作らず、最終的に1も2も3もハイクオリティで完成させる。自分の中では仕事ができてすごい人という典型的なイメージです。

「なぜそんなことを考えるようになったのか?」そう問われると明確な答えを出すのは難しいですが、「できる人間」になりたいと思ったからでしょうね。高校の頃にたまに出会った、「勉強してないよ〜」と言いつつ高得点を叩き出してしまう人のような。帰りの電車で一緒になったそのときは仲良く話してくれるけど、自分が先に電車を降りると徐に英単語帳を取り出し、めくり始める人のような。
「極力、ラクする」をモットーに生きてきた僕にはその思考回路が理解できなかったので、知りたくなったのかもしれません。いずれにせよある種の知的好奇心でしょうね。


大学に入ってしばらくは、いかに業務をラクにこなすかだけを考えていました。日が変わるまでが締め切りの課題を23:59に提出したり (あれ…今も同じことをしてるような気がする) なんてのは最たる例です。1つ1つのタスクが小さいので、短期集中で完遂できてしまうわけですね。
期末の筆記試験も同じで、単語と流れを1週間くらいでひたすら叩き込みました。A4用紙1枚のみ持ち込みOKの試験では、表裏に公式と説明をびっしり書き込み、さながら古代中国の科挙の受験者のようなノリで臨んだりもしました。

普通に考えたら、これでうまくいくはずないです。当事者が言うのも野暮ですがおすすめもしません。ところが僕にはこれがうまくいってしまいました。高校の途中からギリギリ納品スタンスを崩さなかったぶん、この手のノウハウがどんどん蓄積されていたからじゃないかと思ってます。

試験は1時間半で全てを吐き出し切って知識を頭に残さず単位取得。レポートもギリギリ提出だろうが期限内は期限内ですから、正式に受理されて色眼鏡なく採点され、要領もいい方だったのでわりかしいい点が返ってきました。
成績はAやA+が多めでBはほんの少し、Cともなると1,2個だけ。目標の研究室にのうのうと駒を進めた僕は、「あれっ大学ってヌルゲーでは?」と心の片隅で思っていたのかもしれません。


ところが研究室では、これが軒並みうまく行かない。

まず院試。複数の科目を短期間で必死に覚え切り、おまけに英語もやらないといけない始末。やりたくないまま時だけ流れ、エナドリで必死にやる気を叩き起こして、そのせいで試験後にしっかり体調を崩しました。

ゼミの論文紹介準備も1日や2日で終わるものではありません。まず読んで理解し、それをわかりやすくまとめて、デザインに凝ろうとまで思ったらいくらでも時間が吹き飛ぶ世界。経験と実績を積んできた僕もこの手のスタイルには慣れておらず、身にならないダメダメ発表を繰り返しました。

研究自体も時間のかかる作業です。実験の手法を学び、どれくらいの期間でどれくらいのことがしたいのかの計画を立て、1つずつ遂行していくという一連の流れが僕には全く染み付いていませんでした。もともと実験をしにくいタイプの研究ではあるんですが、それにしてもやらなさすぎ、やるとなったら備品が切れている。そんな杜撰なことを1年間やり続けてきました。


付け焼き刃スタイルの一番の弊害は、同時進行ができないことでした。短い期間で重点的に終わらせていくため、他のことには手が出せないわけです。そのせいでさまざまなことを同時並行で行わないといけない研究室でボロを出しまくっています。

今、マルチタスクがしたいと願うのは、ひとえにこの状況を打破したいからだと思います。「どれも満遍なく進めていけば、ギリギリ状態を打破できるのではないか」そんなふうに考え、少しずつ進もうとしている自分を、これからも鼓舞していきましょう。
どう化けるか、楽しみです。



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