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肉体と心

今日はついつい土曜日のつもりでいて、あ、まだ金曜日なんだと何度も思い返し、まだ金曜日か〜とにやにやする一日だった。本来はオリンピック開幕のための休みらしいけど、残念でした。
この4連休はなるべくおうちにいてねと都知事(東京都)からお知らせがあったような気がしたので少し悩んだけど、新宿はうちから4〜5kmのところなので許してくれと思いながら出かけた。

休みの日に、用事を済ませるためではなく、娯楽のためだけに電車に乗って出かけたのなんて何ヶ月ぶりだったろう(今日は映画を観た)。
休日の街の人混みが苦手なので、おうちにいてねと言われてものすごくフラストレーションがたまる人間ではない。それに今年の梅雨はほぼ体調不良とともにすごしたので、緊急事態宣言が解除されたあとも、出かけるという発想はなかった。

こんなにも体調がよくないということは珍しい。風邪でもなく、コロナでもなく(たぶん)というような、原因がはっきりしない不調はけっこうきついということが今回わかった。10年前にがんになったときよりもつらかった。
あのときは原因がちゃんとわかっていたし(そもそもものすごい体調不良という形では現れなかった)、なにもしなければあと1年ちょいだけど、適切に治療すれば治る可能性が高いという状況のなか、原因と目標が明確だったからこそ、治療で気分が悪くなったりしてもわりに心は元気だった。

大病になったくせに少しくらいのことでは医者にかからないのは相変わらずだったのだけど、今回の不調はそろそろ病院に行かないといけないかなあと思っていた。だけど、はっきりとした症状があったり、どこかが痛かったりするわけではないので、どこに行けばよいのかわからなかった。
そのうち「疲れた」しか心のなかに浮かばなくなった。これは心療内科とかそういう系に行くべきかと思いつつ、この鬱っぽい状態は肉体から来ていると思っていたので、それも違うような気がした。

だいたいわたしは楽観的というか、悪いことを考えることから逃げたいという意味での楽観的観測をもちがちなので、いつもならそのうち治るという希望をもっているのだけど、今回はそれすらもてなかった。理由もなく突然泣きたくなったり叫びたくなったりもした。自分でもこれはまずいなあと思っていた。

だけど、ある日突然、霧が晴れるように元気になっていた。別になにもしていない。ほら、やっぱりそのうち治るじゃん。希望をなくしてひくひくしていたことを忘れて、あたかも平気だったかのように自分に対して言っていた。

この期間の心の不調は肉体の不調がいつも以上に心に影響を及ぼしていたんだと思う。それは、原因と出口がわからない不調というネガティブな状況が時間の大半を占めていたからだと思う。

人間が、平和が一応は保たれているような環境で生きているとき、そのひとの大半の時間は普通に望ましい状態でいるはずだ。ひとがネガティブなことに反応し、時にはそれを後々まで引きずってしまうのは、それが通常とはちがうことだからなんだと思う。ある意味新鮮なことが起きたから反応し、印象に残ってしまう。

健康なひとであれば、通常は(元気いっぱいじゃないかもしれないけど)、ものすごく痛いところがあったり歩けないくらい具合が悪いということはない。だから頭が痛くなったり、熱を出したり、ぎっくり腰になったりすればそれに反応してしまう。いつもと違うし、肉体が現実につらいんだから。逆に、痛くないところには反応できない。

肉体との対比という意味での心だって、通常は24時間怒ったり悲しんだりはしない。だけど、いやなことや悲しいことがあれば、いつもとは違う状態、つまり怒るとか泣くとかそういった状態になる。特別なことが起きたから、心の状態もいつもと違ってしまう。要するにこういうこと↓↓。

今回は肉体が心に影響を及ぼしてしまったけれど、肉体が元気になったら心も元気になった。そうすると今度は動きすぎてしまったり、高めの買い物をしてしまったりして、もしかしたら軽く躁鬱の気があるのかもしれない。。
躁の方は、まあそれくらいがいつもテンション低い自分にはちょうどいいかもしれない。
鬱の方は、感情を鬱方面に刺激するようなできごとがないのにそっちに陥っているときは、ああ体のせいなんだなと思えばいいし、感情面でなにかあれば、ネガティブに反応してしまいがちな人間の特性だと思っとけばいいかも。

ところで、もとに戻った今の自分と、不調だったときの自分とが隔たってしまったことが寂しい。不調のときに見えていたものや感じられたものが、今はそれらが存在していることはわかっているのに、見ないようにして通り過ぎようとしている感じ、自分のずるさが増長された気がする。のび太からスネ夫になったような。それが弱肉強食ということなのかも。でも、ときどきはのび太に戻りたい。ドラえもぉ~ん!

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