「川端康成へ」と「自作を語る」

アニメから文アルにハマって、文アルのゲームを始めたり文豪たちの作品を少しずつ読んだりするようになった。

そんな中、友達に太宰治の「川端康成へ」と「自作を語る」を勧められた。いやタイトルからして太宰の人となりが表れてそうな2作品だな……わかる……太宰初心者の私でもそれはなんとなくわかるぞ…………。


そういう予感がありつつ読んだ。太宰の人となりが非常によく表れていた(だろうな!)。

「川端康成へ」に関しては、恐らく芥川賞の選考から外れたときに書かれたものかな。選考委員だった(確かそうだよね?)川端さんにめちゃくちゃ怒り心頭なのがわかる。「刺す。」じゃないんだよ時代が時代だったら最悪脅迫で捕まってる可能性もあるぞ。色々思ったはずなんだけど「刺す。」のインパクトが強すぎる。しかもその後に「でもなんだかんだ言って俺の作品好きなんでしょ?」みたいなことを書いたりしている。そういう解釈でいいんだよねこれ?いや本当にプライドが高い……負けを認めたくない感がすごい……。芥川賞に選ばれなかった=負けではないと私は思うけど彼にとってはそうだったんだろうな。

で、「川端康成へ」とセットで読んで欲しいと言われた「自作を語る」も読んでみた。読んでみて、セットで読んで欲しいと言われた理由がよくわかった。「自作を語る」では一文目で「私は自作について語ったことがない」と書かれている。ん……?って思って「自作を語る」が書かれた時期を調べてみたところ、少なくとも「川端康成へ」が書かれた後であることがわかった。太宰先生……自作について前に語ってます、「川端康成へ」でおもっきし自作(「道化の華」)について語ってますよ!なるほど確かにこれはセットで読むべき2作品だね……なるほどね……面白……。

でもそれはそれとして、「自作を語る」単体で見ると私としては「ちょっとわかるな……」と思うところもある。私も二次創作を軽くやっている身なのだが、あんまり自分で描いた(書いた)ものについて改めて語るのもな~という気持ちはあるので……。いや私の場合は単に自分の描いたものについて語るのが恥ずかしいだけだけども。

まあ「川端康成へ」と一緒に読んじゃうと一気に説得力がなくなっちゃうんですけどね!でも、そういうプライドの高くて都合の悪いことを忘れちゃう人物だからこそ色々な人に好かれる魅力的な作品を書けたんだろうな……。

普段文字を読むときは大抵小説を読むことが多いんだけど、たまにこういうのも読むと作者の人となりが感じられていいね。そんなことも感じた2作品でした。

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