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ウサギとカメの話から本当に学ぶべきこと

「もしもしカメよ、カメさんよ。世界のうちにお前ほど歩みの鈍い者はない。どうしてそんなに鈍いのか」

とあるウサギが、カメに向けた台詞です。

これに対してカメが

「なんだとう!? そこまで言うなら勝負だ!」

というわけで向こうの小山のふもとまで駆け比べをすることになりますが、油断しきったウサギはのんびりお昼寝。その隙にカメが先にゴールするという結果に終わり、ここから我々は「油断大敵」系の教訓を得るわけですが、これはちょっとおかしいのではないか、というのが今回の主旨です。

カメが返すべきだった台詞

結論から申し上げますと、ウサギの挑発に対してカメはこう返すべきでした。

「そうですね、私は鈍足です。ウサギから見れば、敵から逃げることができない、とても不便な体に見えるでしょう。
しかし私はカメです。固い甲羅を持っています。敵に襲われたら甲羅に閉じこもって身を守ればよいので、足が遅くても困りはしませんよ。
あなたは俊足、私は甲羅。違いこそあれ、どちらが優れているというわけではないはずです」

足が速いというのは、あくまでウサギ視点での評価軸。
カメにとってはどうでもいい話で、何もそこで勝負する必要などなかったのです。

つまり我々がウサギとカメから学ぶべき本当の教訓はダイバーシティ。
他者との違いを認めること、他人の評価に惑わされないことなど、他者に自分の価値観を押し付けないことなど、今の時代にまさに必要なものではないでしょうか。

余談ですが

この「カメに敗れたウサギ」は、その後ウサギ界でめちゃくちゃ馬鹿にされ、居たたまれなくなって出奔。あてのない旅を続け行き倒れかけたところを老夫婦に助けられますが、その老夫婦は一匹のタヌキによって悲劇的な最期を迎えます。それを知ったウサギは老夫婦の無念を晴らすべくタヌキと戦うことを決意。カメに敗れた教訓を活かし、幾重にも策を巡らせてついにタヌキを暗い水の底に葬り去ったのです。

っていうのは嘘なんですけどね。

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