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不器用人間

中学生のとき、将来に漠然とした不安を感じていた。
家のこと、友達のこと、自分自身のこと、全部投げ捨ててしまいたかった。放課後の学習会が終わってみんながいなくなった教室で外の雪を眺めていたのを思い出す。あれは12月だった。

窮屈な地元から出てみたくて少し離れた高校に進学した。けれど、あまり馴染めなかった。そのとき、妥協しないでもっと勉強して別な高校に行けばよかったと後悔した。中学より高校のほうが息苦しくて、当時は早く卒業したくて仕方がなかった。憧れていたキラキラしたJKにはなれなかった。けれど、部活のあと、友達と教室のベランダで夕日を見ながら恋バナしたのすっごく楽しかった。卒業したら嫌だった高校生活を懐かしく思えるんだからなんだか不思議。

大学生になった。絶対行かないと思っていた大学に入っている。過去の私に教えたら驚くかな。やっと上京できると意気込んでいた途端のコロナウイルス。おかげで大学1年、パソコンと向き合う以外何もしていない。わたしの大学1年を返せ!って言いたい。1年間オンライン授業で友達は全然できなかった。人付き合いが得意でないからでもあるが、人間関係は量より質は昔から変わっていない。仲良くない人とさも仲良いです!みたいな態度取れない。社会に出ていくにはそれも必要な能力なのかな。

なんだか私は、世渡りが下手というか、人間関係がうまく構成できないというか。「こんなはずじゃなかった」を繰り返している。「これがわたしだしまあいっか」って自分を認めて生きることができたら楽なのになあ、って考えてしまう夜。

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