うとQ世話し 続「子、親を選べず」
2021/2/5
(うとQ世話し 続「子、親を選べず」)
真之介君も小学校6年。
そろそろお年頃になっていたので子供の作り方や、子供を作る前の「とっても気持ちが良くて楽しい事」にムラムラと興味が沸いてきて、実際にはまだ自分自身でそれを試した事はなかったのですが、そのシミュレーションとしてこっそりパソコンでストリーミング版の「お宝ビデオ」を見る様になっていました。
ところがある日自分の部屋で、心臓ドックン、バッコンしていた処に突然お父さんがノックもせずに入ってきて
「おい、真之介、わしのパンツどこ行ったか知らんかぁ???
んっ、おまえ何やっとぅ?何で慌ててパソコン閉じた?あん?」
「う、うっ、うっ」
と、真之介君が冷や汗たらたらで、ドギマギしているとお父さんは
「何も隠さんでえぇわ。お宝ビデオ見とったねぇやろぅ?みるなら堂々と見ぃや」
と思いがけない事をいいました。
そうして
「わいも、大好きゃでぇ。そもそもH、せんねぇやったら、人類の子孫である子供、できひんねぇやから、Hが悪かろぅ筈がない。無論相手の同意なく、下にムシロ一枚引かずに押し倒して無理矢理はいかんぞ。同意の上が原則やが、それにしても「気持ちもよく楽しく且つ人類存続上有意義なそれ」を罪悪の如く言うからおかしぃなる。
エロ話一つした位で大騒ぎするから、妙な犯罪が増えるねぇや。むしろ大っぴらにした方が余程犯罪が減るの、ちゃうかぁ?」
とお父さんは自説を一気にまくし立てました。
いささか呆気にとられた真之介君でしたが、ガキンチョであるお父さんより自分の方が余程大人だと思っている真之介君は
「おとん、そんなこと外でいぅたら、只でさえ「妙な奴や
」いわれとぅのに、エロがついたら「どエロ&妙な」奴や、言われるようになってもぅで。ここだけの話で、内緒にしとぉ、さか、外でいうたらあかんでぇ」
「くらぁ、ガキのくせして何を猿知恵働かしとぉのじゃ。思った事はハッキシいぅた方がえぇねぇや。心身の健康の為にはなぁ。大体、がや、人間、万人に好かれる事など、ありゃせんがね。どんなにできがよぉても、それが逆に妬みやそねみを買ぅ元になぅてまぅ。しやから万人に好かれようなんていう事自体、ありエヘン世界を追っ掛ける様なものやから時間の無駄、ちゅうもんやぁ。人気好感度100が満点やったら、わしなんか、1か2やで。何でも100%はないから0とは言わんが、あった処で1か2やで。
しやけど、それで御の字や。それ以上は求めへんさか」
真之介君は又々呆気にとられましたが、今迄とは少し違ってお父さんの事が多少羨ましくなりました。
「そこ迄言えたら、気分えぇかも」
内心密かにそう思いました。
それにして周りの大人と違っていつも予想外の事を言い出すお父さんに、イササカ疲れを覚えたりもします。
なので、心の中で又
「ほんま、手の掛るガキンチョや、おとんは。フォローが大変やわぁ、堪忍してほしぃわ」
と呟きました。少し無理をして。