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自閉症の子が幼稚園に入園した結果 [ゆっくり育児] その11

春、それは進学のシーズン。

自閉症のジローは幼稚園に入園する歳となった。

親としての希望は普通の幼稚園に行かせたいのだが、自閉症特有の
・発語が遅れてる
・落ち着きがない(多動)
・身の回りのことが自分で出来ない
などがあるので、障害児の受け入れが可能な特別支援学級に属する幼稚園に入園させることにした。

普通の幼稚園では当然健常児と一緒に扱うし、特別な支援が必要となるので、専門対応が可能な障害児用の幼稚園に入れる方が、手厚いサポートをしてもらえるから、ジローの為にも入園を決めた。

やはり健常児に比べて出来ない事が多いジローに、ちゃんと療育ができる職員が対応してくれた方が、ジローのできる部分を伸ばしてもらえるからだ。

入園に対しては面接があり、親の希望のヒアリングとと園児の状態を観察した簡易的な内容で終わった。

ちゃんと親の希望に対してベクトルを合わせた療育をしていく方針の様で大変助かる。

私の住んでいる自治体では、障害児に対するサポート体制が充実しており、職員の能力も高いので安心して任せられる。

親としてジローの幼稚園の入園はジローの成長を多いに期待を持てる体制だけど、ジロー本人はどう感じているだろう?

今までは24時間、常に親元にいた。
意思疎通できる事はわずかだが、住み慣れた家、会う人も親(私と妻)と姉(サキエ)と見慣れてる、生活パターンも一定、遊び慣れたオモチャ、とジローにとっては快適な(はずの)環境が、幼稚園に行って全てのペースが乱されるはずである。

幼稚園では
・親元を離れる
・バスで登園、下校をする
・見知らぬ同級生がいる
・慣れたオモチャがない
・訓練のようなこと事をさせられる
と、自閉症の子が苦手な事が満載!

果たしてジローは乗り切れるかな?

登園初日、入園式なので午前中の早い時間に終わるので何も問題なし。

次の日、バスで一人で登園する。
意外にもバスにはすんなり乗る。
はじめてジローから解放された!、、、と妻と喜ぶ。
ジローは常に何をしてるか気配を感じていなければならず、我ら夫婦は結構神経をすり減らしていたのだ。

下校のためバスのお迎えに行くと、ジロー特に変化は無くバスから降りてきた。
ん?気にしてた事は起きなかったのか?
泣きじゃくるとか、暴れてモノを投げるとか。
まだ様子見だな、と妻と話し合う。

だが一週間もするとジローに変化が現れた。

朝、登園の時間に近づくとヤダヤダが始まった。
朝ごはんを食べた後に歯磨きをするけど、歯ブラシを持って近づくと逃げ回る!
バスに乗ってる時にオシッコを漏らさない様に尿もれパットをするのだが、それをしようとすると逃げ回る!
靴を履かせようとすると逃げ回る!

とにかく登園の準備をすると逃げ回り、それでも準備をさせようとすると泣きじゃくる!

そんなに幼稚園行くのがイヤなのか、、、。

泣きじゃくるジロー。二人分😆

幼稚園に行くのがイヤというよりも、自分の思った通りのことが出来る環境が揃っている我が家に居たいのだろう。

環境の変化になかなか適応できない傾向があるのが自閉症と分かっていたが、朝いかにジローのイヤイヤをさせずに登園のバスに乗せるかにとても神経を使った。

「はい、歯磨きしようね〜」
「オムツちゃんと履きかえる子はいい子だよ〜」
「靴を履けるとカッコいいよね〜」

ありとあらゆる言い方や方法で何とかジローをバス停まで行かせるのに、悪戦苦闘。
ホント、毎朝修羅場だった。

この修羅場は幼稚園、、、、だけでなく小学校まで続いたのであった。。。。


イヤイヤ、ホントキツいっすよ。

毎朝、わめき散らす障害児に対して何とか登園の用意させる為に、様々な声かけして、たまには声を荒げて準備をさせる。
逃げ回るジローを追いかけて、歯磨きや着替え、オムツを履かせたり、靴を履かせたり。
家を出てもバス停まで行く時に逃げ出さない様に、手をしっかり握って行く。
ちょっとでも逃げ出しそうだったらば、追いかけて身柄を確保する。

体力的にも神経的にも消耗します。

朝の1時間程度の時間だけど、常にジローの一挙手一投足を感じながら神経を張り巡らさなければならないので、心身ともに疲れる。しかも毎日。

こんな感じで、ジローの幼稚園での生活が過ぎて行く、、、。

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