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2歳になったジロー [ゆっくり育児] その6



発育の遅れ

2歳ともなれば普通ならばしゃべったり歩いたり自分で食器を持って食べたりするだろう。

しかしジローは出来なかった。

ウィリアムズ症候群の顕著な症状として発育の遅れがある。
例外なくジローも当てはまるようだ。

喃語

しゃべる言葉は喃語(なんご)、つまり赤ちゃん言葉である。
「あ〜」とか「う〜」とか「とぅとぅとぅとぅー!」などおよそ意味を持たない言葉を喋っている。

機嫌が良い時はニコニコしながら喋ってるが、機嫌が悪くなると(むしろこちらが多い)「キャーー」「いいーー」「ヤーー」などカン高い声で叫びまくる。しかも声が大きい。
これがかなり耳につく。

機嫌が悪い原因は色々あるが、概ね自分の思い通りにならないとカン高い声をあげて私たち親に対して「何とかしろ〜」「僕の相手をしろ〜」と言わんばかりのアピールなのだ。

長く歩けない

立って歩くのはできるのだけど、すぐに歩くのをやめてしまってペタンとその場に座り込んでしまう。

筋力の問題なんだろうか?

でも立ってる時に機嫌が良いと、高速スクワットのように膝の曲げ伸ばしをすごく早回しでやる。
結構キツいぞ、その動きは、と素人目にも筋力使う運動を喜んでするので筋力が弱いと言うことは無いのだろうが、どうなんだろう?

足も細く無い。

単に歩くと言う欲望よりも、ペタンとその場に座って落ち着いてる方が気分が良いのかな?
(後にジローが成長するにつれて真逆の症状が現れるが、、、)

自分で食べない

ジローは何でもよく食べた。
ヨーグルトが大好物だけど、ご飯や普通のオカズなども大方は食べた。
だけど歯並びが悪いので食べ物を小さくしないとジローは食べられない。
歯並びが奇形なので歯と歯の隙間が大きく、普通に咀嚼することができない。
なので食べ物を口にしても噛む、と言う行為よりも舌と上顎ですり潰すと言う食べ方をしている。
なので食物を小さくしないと、すり潰すことが出来ないのだ。

また食器の持ち方を教えても自分で持とうとしない。

食事は私や妻がご飯をアーンと口まで持ってってあげて食べてるのだ。
それでニコニコしながら食べてる。

手先が不器用なので食器をちゃんと持てないし、食べ物も小さく刻むので余計に掴みづらいかもしれない。

だからジローは自分で食器を持たずアーンとしてもらってるのだ。

症状で意外な事

手足の暖かさ

ウィリアムズ症候群の患者は手足が冷たい。
これは心臓の大動脈弁狭窄という症状で、つまりは心臓から送る血液が不十分だから末端の手足は冷たくなる症状だ。

でもジローは違った。
手足を触っても暖かい。

主治医のサバサバ女医に何回か心音を確認してもらったが、やはり大動脈弁狭窄は確認できるようで手足が暖かいのは不思議がっていた。

予想以上に心臓が強いのだろうか?

発語の遅れ

普通のウィリアムズ症候群の患者はおしゃべりで人懐こく誰に対しても話しかける。

しかしジローは先ほど記載したように喃語しかしゃべれない。

普通のウィリアムズ症候群であれば、2歳でもペラペラと止めどなくしゃべって人懐っこい感じらしい。

ジローは人懐こさ(正しくは人を見てない)はあるが、おしゃべりは得意じゃ無い。
単に発育の遅れで今は喃語しか喋れないが、成長するにつれてちゃんと意思疎通できるレベルまで言語機能がつけば良いが、、、。

どうもウィリアムズ症候群の事例とは違う症状が色々と垣間見えている。

2歳になったジローに対して

ずいぶんとゆっくり成長してる。
2年も育ててきたが、普通の子に比べて発育が遅いからこそ、成長の早い子供をゆっくりと見守る事ができる。

だけど障害者の子を持つ親として、良い面も悪い面もある。

ジローを育てる悪い面

悪い面は何と言ってもちゃんと自分で人生を切り開いていけるのか?

小学生、中学生、高校生、などちゃんと教育を受けて成人になる頃には自分一人で生活できるのか?

2歳の時点で判断は出来ないが、食べる、トイレ、着替え、学校や交通機関の乗り換え、社会に出て何らかの仕事に就けるのか?

ゆっくり成長では普通の子と同じ尺度で測ってはダメだろうが、時間を掛けてでも実現できるだろうか?

ジローを育てる良い面

良い面は、成長がゆっくりな分、成長がじっくり長く楽しめる。
普通の子が2歳の時期は1年だろうが、ジローの場合2歳の時点でも1歳児と同じ振る舞いなので、2歳児の期間を3年くらい楽しめる。

これはお得!
と前向きに思ってる。

育児は大変!
だけど大変な分、充実感も違うし達成感も違う!
はず。

健常者だろうが障害者だろうが、育児は親の頑張りの分だけ思い出に残る。
これは真理だと思う。

でもグチるとジローの食事とかオムツとかお遊び相手ってホント大変なんスよ!

あ、愚痴です。

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