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(Mリーグ2/8第2試合)高宮まりのハイパーローリングはなぜ生まれたのか?

昨日の第2戦、高宮まりの復帰戦、いきなりの見せ場?がやって来た。

タンヤオのみの500オールをツモった次の局、茅森から2巡目の47m両面リーチが入る。

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こんなもんどうしようもない、そう考えるのが普通。しかも、高宮の手牌は中暗刻の赤3枚の勝負手なので、完全に無視して進めるのが誰が見ても当然の進行だった。

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そして、持ってきた7m。当たり牌だ。

自分の手は12000、見ていた誰もが「あー放銃か」、高宮を応援している人は裏が乗らなければリーのみ、茅森を応援している人は「裏乗れ」と思ったはずだった。

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ところが、高宮は少し考えてから、なんと、よもやよもやの中の暗刻落としでまわった。ここから安全に仕掛けながらテンパイまで辿り着いたものの、結果は流局。

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相手の当たり牌を4枚手の内に収め、上がれていれば12000のスーパーファインプレーだったが、放銃の未来をテンパイ料1500のプラスに変えた。(画像はMリーグ成績速報(非公式)@mleague_results さんから拝借)

もちろん、中を暗刻落とししたことに対して否定的な意見も目立った。私もあれは押したほうが得だと思う。高宮まり本人もそう思っていたはずだ。

では、なぜ高宮は損を承知で、中暗刻落としまでしたのだろうか?

47mが当たり牌と一点読みした? そんなはずはない2巡目リーチだ。

とにかく振り込みたくなくて弱気で暗刻に手をかけてしまった? そんな馬鹿な、自分の手は12000。押すのが当たり前で放銃しても誰も責めない。

この中の暗刻落としは明確な意思が無いと出来ない。少し考えれば誰でもわかるはずだ。では明確な意思とは何か?

それは恐らく、高宮のこの試合のテーマが、ボーダー争いのフェニックスとドリブンズどちらかの下には絶対にならないだったからだろう。

初戦のヒサトが、今期のめくり合いの弱さを今日も発揮してラス。それでも素点を回復して、ラスの中でも良いラスを取ってくれた。伊達だったらここで「私がトップを取って取り返しちゃる」っていう感じで試合に向かうのだが、高宮はそうではなかった。

高宮が取った戦術はいたってシンプル、先制されたら自己都合では押さずに、特に茅森とたろう相手には決して真っ直ぐには行かない、根拠のない筋は1牌たりとも押さないことだった。

そう考えるとそれ以降の別人のような打ちまわしに一貫性がある事がわかる。

スーパーローリングの局以降も、ベルセルクと言われる攻めはなく、先制されたら安全牌を抜いて降り、先制できなさそうな時は仕掛けてまで流しにいくという、別人のような打ち方をしていたこともテーマにそっていたと考えれば辻褄が合う。

さすがに早い巡目のたろうの中単騎のチートイには安全度でトイツ落としをして放銃してしまったが(ここはまわろうとせず徹底して現物3m抜くべきだったと思うが)、これもいつもの高宮なら手を普通に組んでトイツの中には手をかけないため、守備的な意識が生んだ放銃に見えた。

こうしてひたすら防御を固めてチャンスを待ち、唯一先制リーチを打てた親番、裏裏の6000オールで一気にトップまで躍り出る。

ここで3人が30000点付近で競り、たろうが一人離れてほぼほぼラス確定。高宮のテーマはほぼ達成された。

トップを取れればなお嬉しかったが、結果は30000点を超えたものの3着。

しかし、復帰した高宮がチームのために何ができるかを考え、自分を殺してまで得られた3着には充分価値があったのではないか。

先制のピンフはリーチで良いと思うけどね。

そして、この高宮の自分を殺す打ち方(考え方)が本当に良いのか、監督はちゃんと気が付いて言わなきゃダメだろう。でなければ監督が居る意味がない。打牌の選択ではなく、試合への臨み方が間違っていると思うなら、声をかけてあげるのが監督の仕事ではないか。

何はともあれ、まりしゃんおかえり。

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