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2021年6月14日 00:00
掌編『壊変 Kwai-hen』3作https://shimonomori.art.blog/2021/05/31/decay/―――――――――――――――――――― 私の失った記憶の始まりは、人間の小さな集落だった。人間に拾われたその頃の私は、黒色の毛玉の姿をしていた。人の手のひらサイズをした毛玉であったために、奇異な物質としてケサランパサランと呼ばれ、現地のマスメディ
2021年6月12日 00:43
掌編『壊変 Kwai-hen』3作https://shimonomori.art.blog/2021/05/31/decay/―――――――――――――――――――― 正午に病院に呼ばれたものの、面会の為に病室に入れたのは夜になった。「おぉ、助手よ。待っとったぞ。」ベッドで横になったまま首を向ける禿げ上がった頭の老人が、私を見るなり散歩前のイヌのように目を輝かせて喜ぶ。