風鈴・全方向に聴覚はひらく

音楽室の手洗い場で手を洗ってこちらをふりかえり

ピアノに向かおうとして、

ちいさい生徒が

あ、

といって、洗い場を振り返りました。

そう、さっきまで物音を立てていなかった洗い場の風鈴がリラリラと風に吹かれて

一瞬、その子を誘うように鳴ったことに

いち早く、その子は気がついたんやね。

音楽室の洗い場周り。
風鈴は木でできた円筒のもの
コシチャイムという風鈴で純正律の和音が響きます。
生徒が持ってきた野の草や貝殻も一緒に飾っています。

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音楽室は、全方向窓があって、今日は天気もいいから

全部開けてみました。

音楽室の中からでもきこえてくる

たくさんの鳥の声

国道の車の走る音。

幼児期にピアノの前で教えることなんて

1割か2割で良いと思うんです。

大事なのは、子どもたちが自分にきく力があることを

うんと確かめられる場所を作っていくこと。

ややもするとこの時代、小さな画面からの音だけが正解であるかのような、
そういう勘違いが感覚を奪っていきかねないのだから

この音楽室は、音をただ浮遊させておくことにしています。



愛媛の片田舎でがんばってます。いつかまた、東京やどこかの街でワークショップできる日のために、とっておきます。その日が楽しみです!