年末年始に実家で溝ほり
水は低い方へ流れる、という地上の真実。
大晦日
大晦日の日の朝日。
前日天気が荒れて雪が積もっていました。
アカメガシワは農林公社の手伝いに入って切ってもらったらしいです。
この倒木の下にスミレ。
そして、全く考えていなかったのですが、木を切ったら、お隣の家との目隠しがなくなり、秘密の場所感がすっかりなくなっていました。残念。
昼ころには雪も溶け始めていました。以前にほった溝をみたら、雪解け水が溶けて溝に溜まっていて、やたら細長い池、という感じで、下に流れていってない・・・・
で、スコップをもってきてまたほりほり。
水があるから、溝をどのくらい掘ればいいかがわかります。
私が掘り抜いた場所に水がじわっと進んで伸びてきます。20センチほど掘っては水の行方を確かめ、山のほうから川のあるほうへと掘り進めていきました。
水が切れないように。
演奏でも同じかもしれない。いつも練習する曲のいつも意識が切れるところがあって、そこは、ほとんど無意識にやり過ごしていて、私の水底を撫でることもなく、風のように過ぎていってしまいます。それでも、演奏はできる。できるけど、そこは脈がつながっていない・・・水を確かめながら、音楽を作っていくことなんかを考えながら。
元旦
元旦も結局、泥だらけになって掘りました。
初日の出は残念ながら雲の合間から少し見えたほど。でも天使のはしごが。
そして、今度こそ前線開通!
ドロで濁っていた水も溶けて染み出してくる水が溝に流れ込んでくるからみるみるきれいになっていきました。
ということで、全部の経路をあらためてご紹介します。
水はまず外部から少し流れ込んできます。上には貯水池があります。これが畑に入り込んでズブズブになっていたのだけど、それは水路を掘ったことである程度は抜けてきていました。
戯れにわさびを買ってきて植えてみた。
そこからまっすぐ行かないでうねっているのはこの上の石垣が崩れて土が盛り上がっているからそこは回避。
で、こうなって・・・
(ここは雪解け水が池になっていたところ。)
さらに引くとこんな感じで
水は一度土管の中に入っていきます。
下の田んぼの間に道があって、段差ができていて、そこを土管で水路をもともと抜いていたらしい。
ただ、土管の出口のほうはもう崩れていて、水は地下水みたいに、すこし離れたところから突然湧き出してきていました。
なんか嬉しい。ちゃんと地下でも流れが切れていない。それを地上の掘った溝に誘引
そして、下の田んぼ。
終わる頃には雪もすっかり溶けていました。
ここは元旦にほったところ。
水は最後には段差の大きい下の雑木地へ。
ここはかなり深く掘らないと水が流れて来ないので頑張りました。
そしたら、石や木で水路をせき止めた形跡がありました。それはきっとずっと昔に、ここに水を張って田んぼにしたときに止めたものなのでしょう。もしかしたら100年前とか?もっとかも。と勝手に想像。
そのご先祖さんの重ねた石を3つどかして、橋のように水路を開けて戻しました。
雪解けの水は田んぼから少しずつしみだしてきるらしく、溝は小さな小川になりました。
キラキラとおひさまの光に揺れてその流れがみえるのが、もう満足感。
年老いた犬が心配だったので、朝のうちにこれをやって、一路自宅へ。
いつも庭先で日向ぼっこをしていたわんこは、玄関の中で、私を待っていてくれて、昨日、天寿を全うしました。体調を崩したのがちょうど年末年始で、仕事もなく、たくさん時間を一緒に過ごすこともできました。穏やかなお別れでした。
今日もいいお天気で、玄関を開けても、彼はいない。
いつ、このことに慣れるんだろうな。
いつもと何もかもとても違う年末年始でした。
愛媛の片田舎でがんばってます。いつかまた、東京やどこかの街でワークショップできる日のために、とっておきます。その日が楽しみです!